|
日本インターナショナルオーディオ協議会(IASJ)が主催する、オーディオ機器の展示/試聴イベント「2008東京インターナショナルオーディオショウ」が10月3日から東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。期間は5日まで。入場は無料となっている。
■ リンジャパン
リンのブースでは、LAN上のNASなどに音楽ファイルを蓄積し、そこからネットワーク経由で再生することで、回転系を持たずにハイクオリティな再生が行なえるというDSシリーズを積極的にアピールしている。ネットワークプレーヤーのフラッグシップ「KLIMAX DS」(294万円)から、「AKURATE DS」(89万2,500円)、「MAJIK DS」(45万1,500円)に加え、アンプも内蔵して手頃な価格の「SNEAKY MUSIC DS」(29万4,000円)などを展示。バッファローのNASや、提携しているアイル・オープンソース株式会社のファイル・サーバー「OSJ-1」や「OSJ-1 Limited」も展示している。 このDSシリーズと組み合わせるNASの新製品として、zigsow株式会社の「ZSS-1」(31万5,000円)が登場。HDDではなく、SSDを採用したストレージで、HDDに比べて動作温度が低いため、ファンレス構造を実現したのが特徴。容量は64GB SSD×2基の内蔵で合計128GB。LANとUSBポートを備え、DSシリーズと連携するためのプログラム「TwonkyMedia」もプリインストールされている。 SSDであれ、HDDであれ、DSシリーズへ送信される楽曲データは同じになると思われるが、「比べてみると、SSDの方が大幅にクオリティが向上する」という。筐体にはノイズを防ぐためにアルミを使っており、外部からのノイズだけでなく、他のオーディオ機器への影響も低減しているという。
なお、DSシリーズの機器と、使用するソフトウェア「LINN GUI」などは10月に新ファーム公開/アップデートされており、新たにApple Losslessに対応した。これにより対応フォーマットはWAV/FLAC/MP3/AIFF/Apple Losslessとなっている。
■ ラックスマン ラックスマンブースでは、2チャンネル専用機としては10年ぶりという、SACD/CDプレーヤー「D-08」がお披露目された。発売予定は12月で、予定価格は95万円。同社オリジナルのディスクドライブメカを投入しており、アルミダイキャスト薄型トレイローダーを装備。デジタル部のダイナミックレンジは132dBを実現するという。 マルチビットと1bitのハイブリッド構成を持つ、マルチセグメント方式のDACである、TIのPCM1792を採用。SACD再生時にはDSD意外に、マルチビット出力も選べるデシメーションフィルタも備えた。ジッタ低減回路や、CDのダイナミックレンジを拡張する24bitエクステンダーなども備えている。なお、同じくオリジナルメカであるLxDTMを搭載した下位モデル「D-06」も2009年春に発売するという。 スピーカーでは、新たにオーストリアのコンセンサス・オーディオ・エンジニアリングというメーカーの輸入を開始することが発表。その第1弾モデルとして、3ウェイフロア型「Magma」と、2ウェイ「Lightning SE」が2008年冬に発売されるという。価格はどちらも未定。 Lumen Whiteなどの、欧州ハイエンドスピーカーを手がけたStefan Fekete氏が立ち上げた新鋭のメーカー。エンクロージャー内部の空気の流れを、内部構造によってコントロールし、吸音材を使わずに反射音を完全にダンプしているという。エンクロージャには7層に貼り合せたブナの木を使用している。
■ アキュフェーズ アキュフェーズブースでは、4つの新製品が登場。プリメインアンプの「E-250」は、E-213の後継モデルとなり、AAVA-II方式のボリューム・コントロールを搭載。パワーアンプ部はインスツルメンテーション・アンプ構成により、バランス伝送化。出力は90W×2ch(8Ω時)。価格は294,000円の予定で、発売時期は11月中旬を予定している。 「DP-400」(315,000円/11月下旬発売)は、ハイエンドモデル「DP-500」の弟分となる、CDプレーヤー。新開発のCDドライブを搭載するほか、独自の「MDS++」方式のDACを搭載。ΔΣ型DACを2個並列駆動させ、高精度で歪の少ない再生音を実現するという。
「DP-600」(84万円/12月上旬発売)は一体型SACDプレーヤー。セパレート型のDP-800/DC-801や、一体型DP-700のノウハウを投入しながら価格を抑えている。D/A変換には、DSD信号を128fs/1bitにアップサンプリングして、1クロックずつ遅延させた信号を6個のDACで変換し、その信号を総加算する独自のMDSD方式を採用している。 「C-27」(525,000円/12月下旬発売)は、フォノイコライザー・アンプの最上位モデル。MM/MC専用の独立アンプ構成としており、目的に応じて最適化した回路構成/素子を採用することで、低雑音化やひずみの低減などを実現するという。
■ デノン デノンブースでは、イベント初日の3日に発表されたばかりの、SACD/プリメインの最上位「SXシリーズ」が注目を集めている。SACDプレーヤー「DCD-SX」と、プリメインアンプ「PMA-SX」をラインナップし、11月下旬より発売。価格はDCD-SXが84万円、PMA-SXが787,500円。 SACDは新開発の高音質技術「Advanced AL32 Processing」の搭載や、制振性にこだわったドライブやシャーシ構造を採用したのが特徴。プリメインは2005年発売のPMA-SA1をリファイン下モデルで、出力段に最小単位の素子で高度なドライブと高音質を両立する「UHC-MOS」素子をシングルプッシュプル回路で搭載。定格出力は50W×2ch(8Ω時)、最大出力は100W×2ch(4Ω時)。デザイン面では両モデルとも、側面に天然木を配しているのが特徴だ。
スピーカーでは、DALIのHELICONシリーズに加え、低価格な新シリーズ「Lektor」などが展示中。発売時期や価格は未定。ヘッドフォンのフラッグシップモデル「AH-D7000」(126,000円)も展示されている。
□関連記事
■ マッキントッシュ マッキントッシュ・ジャパンのブースでは、SACD/CDプレーヤー「MCD301」(693,000円)や、CDトランスポート「MCD1000」(115万5,000円)、DACの「MDA1000」(126万円)。近日発売予定のターンテーブル「MT10」(134万4,000円)などの最新ラインナップが展示。電源コントローラー「MPC1500」、モノラルパワーアンプ「MC2301」など、参考展示も豊富に用意されているが、発売時期や価格はいずれも未定。 プリアンプの「C500」は、電源部とプリアンプ部が別筐体になっており、プリ部をトランジスタと真空管から選べるという一風変わったモデル。SACD/CDプレーヤーの参考展示モデル「MCD500」は、米ESSのDAC「ES9008」を搭載しているのが特徴で、回帰型ダイナミック・マッチングを備えた特許マルチビットハイパーストリームモジュレーターと、タイム・ドメインでのジッター・エリミネータを持つESSセーバー・リファレンスにより、最大134dBというダイナミックレンジを実現。各チャンネル4基、合計8基で処理をしている。
会場ではSnellの最上位スピーカー「Illusion A7」(472万5,000円)が視聴できるほか、同モデルをそのまま小型にしたようなフロア型の新モデル(名称未定)も展示中。「来場者の反応を見ながら日本での展開を考えたい」としており、価格はA7の半額程度の200~300万円程になるという。
■ そのほか
□東京インターナショナルオーディオショウのホームページ
(2008年10月3日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|