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株式会社スカパーJSATホールディングスは13日、2008年度第2四半期の決算と、今後の事業展開に関する記者説明会を開催。その中で、10月に開始したHD放送「スカパー! HD」の今後の計画や、2009年より参入を見込むBSデジタル放送への取り組みなどについて説明した。 ■ 新BSは6chで参入を見込む。e2や光もHD化
10月1日に開始した「スカパー! HD」について秋山政徳社長は「単に15chのHD放送を始めたというだけではなく、それをドライバとしてビジネスモデルを変革するための第1歩。この推進のために3社(スカパーとJSAT、宇宙通信)が合併した。秋には70ch以上、2012年には100ch以上を目標とし、スカパー! HD革命を推進していく」と意気込みを語る。
また、2009年秋をめどに「スカパー! 光」にもHDを導入するということや、e2のHD化、2011年7月以降に開始予定の新BSデジタル放送参入への取り組みの3つを連携してHD普及へつなげたいとの意向を示した。契約数は、開始1年間で20万件を目指す。なお、現在のHDへの加入者数については「申し込みが7,000件強。その8割が既存ユーザー」(仁藤雅夫取締役)としている。 BSへの新規参入では、子会社のマルチチャンネルエンターテイメント株式会社が参入主体となり、6ch(トランスポンダ×2)のHD放送を予定。総務省の発表では2009年4月頃に申請受付開始、同7月頃に認定される予定となっている。 具体的な取り組みとしては「現行のe2と新BS一体でプラットフォーム事業を実現する」(秋山氏)としている。チャンネルの内容については「ライブ性の面から、サッカーを中心としたスポーツなどを考えている。(放送はHDで行なうが)HDソースはそれほど多くはないため、“いくつかをHD化した”というだけにとどまらず、それ以上の魅力ある仕組みを考えている」(仁藤氏)としている。
■ 不況はチャンス。HDで新規加入増へ
子会社別の業績を見ると、スカイパーフェクTVの2008年上期業績は営業利益24億4,900万円、経常利益30億3,800万円。これは「HD関連の増加があるため」(秋山氏)としている。一方で投資有価証券評価損などの影響により9億5,900万円の純損失を計上しており、グループ連結でも純利益が前年同期の82億100万円から大幅減の3億900万円となった。ただしこれは「一過性のもの」(秋山社長)と見ており、連結業績予想は前回の94億円の黒字から50億円に下方修正しているが、予定している中間配当や年間配当などは変更しない。
秋山氏は「衛星ユーザーには安定的な顧客が多く、不況には相対的に強い。これをチャンスとして捉えたい」と認識。連結の98%が内需に依存するため、世界的な金融不況の中でも比較的底堅いとされる日本経済に期待できる点や、円高による海外スポーツコンテンツ輸入におけるメリットに触れ、堅調をアピールした。また、10月1日に格付投資情報センターにより「A」(安定的)の格付けを取得したことや、11月12日にCP格付け「a-1」を取得したことで、「資金調達の可能性も大きく広がった」とした。 放送サービスへの新規個人契約数は第2四半期が13万3,000件で、前年同期に比べ2万件増加。秋山氏は「純減傾向が進んでいるが、e2は増加した。スカパー! 光も想定までは達していないものの、戸建て中心に徐々に件数が増加している。第3四半期は冬のボーナス時期を見込み、e2やスカパー! HDなどで加入のアクセルを入れなければ」と述べた。 解約については、月次の平均個人解約率が2008年第1四半期1.14%から第2四半期は1.21%に上昇している。これには3つの理由があると見ており、(1)再加入の受け付け数をこれまで解約数からの控除項目にしていたのを独立項目に変更した点(約0.05%)、(2)「スカパー!」から「e2」への内部移行が7~9月で8,465件まで増加した点(約0.08%)、(3)7~9月にスカパー!で基本料のみの契約となっていたユーザーにダイレクトメールで多チャンネル契約を勧奨したことによる解約増(ARPUとしては上昇)が約1万件となった点(約0.09%)を挙げている。
□スカパーJSATのホームページ ( 2008年11月13日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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