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4KからフルHD切出し範囲を指で指定、“あとから補正”強化のパナソニック4Kビデオカメラ

 パナソニックは、4Kビデオカメラの新モデルとして、“あとから補正”機能を強化した2機種を2月16日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、ワイプ撮りカメラを搭載して長時間バッテリが付属する「HC-WX995M」が12万円前後、ワイプ用カメラ無しで通常バッテリの「HC-VX985M」が10万円前後。いずれも64GBのメモリを内蔵する。

ワイプ撮りカメラを搭載して長時間バッテリが付属する「HC-WX995M」

 カラーは「HC-WX995M」がブラウン、「HC-VX985M」ブラックとホワイト。

ワイプ用カメラ無しで通常バッテリの「HC-VX985M」

 2017年春のビデオカメララインナップとしては、最上位のWXF990Mは昨年から併売。その下位モデルとして、今回の「HC-WX995M」と「HC-VX985M」が投入される。その下に、フルHDモデルのW580M、V480MS、V360MSが昨年から併売される。

女性ユーザーをより意識、子供の撮影などで利便性アップ

 従来モデルのWX990M、VX980Mでは購入ユーザーの38%が女性。さらに、0~6歳の子供を持つユーザーが62%を占めるなど、「子供をより高画質で撮影したい」というニーズが現れていたという。

「HC-WX995M」

 また、4Kの高解像度を活かし、撮影後に失敗した部分を補正したり、編集できる「あとから補正」機能の使用率も高く、購入時に同機能に魅力を感じたという声も多かった事から、新機種では「あとから補正」にユーザーの声を反映させ、より進化させたり、新機能を追加しているのが特徴。

「HC-WX995M」。フードの形状は従来から変更になった

 光学式の手ぶれ補正機能を備え、傾き補正と5軸ハイブリッド手ブレ補正機能が利用できるが、それに加えて「あとから手ブレ補正」が利用可能。4K解像度かつ広角で撮影しておいた映像を元に、そこからフルHDの映像に変換する際に、4Kの高解像度を手ぶれ補正用の余白として活用、ブレを抑えたフルHD映像に変換できる。この機能は従来モデルと同様。「あとからズーム」も踏襲している。

 「あとから追っかけ」は機能を強化。指定した顔と色を認識し、自分の子供など、特定の被写体にクローズアップしたフルHD映像を、4Kの元映像から作成できるものだが、新機種ではこれに加え、「あとから手ブレ補正」も併用できるようになった。より安定した映像で、自分の子供などをメインとした動画が残せる。

「あとから追っかけ」と「あとから指でおっかけ」

 新機能「あとから指で追っかけ」は、名前の通り、あとからクローズアップして切り出したい部分を指でユーザーが指定できるもの。「指で追っかけ」モードに移動し、再生画面に指で触れ、切り出しの枠を動かして自分の子供など、任意の部分を選んでいく。切り出したフルHD動画は元の4K動画ファイルと別に保存できる。

「あとから指で追っかけ」を選んでいるところ
切り出す枠を指で動かしながら指定する

 「あとからクローズアップ」は、ユーザーがあとから構図を作れる機能。前述の「あとからズーム」との違いは、ズームアップする過程を動画として見せるのではなく、指定した範囲を継続して切り出し続ける(最長1時間)もの。例えばピアノの発表会を広角で撮影した映像から、演奏する子供に寄った構図だけを切り出してフルHD動画として保存するといった使い方ができる。

「あとからクローズアップ」のイメージ

カメラとしての特徴

 2機種の違いはワイプ撮り用カメラの有無とバッテリのサイズ。WX995Mはワイプ撮り用カメラを備え、長時間撮影が可能なバッテリが付属。VX985Mは非搭載で、バッテリも通常サイズとなる。ファインダーはどちらのモデルも備えていない。

WX995Mはワイプ撮り用カメラを搭載
WX995Mは長時間撮影が可能なバッテリを同梱

 レンズや撮像素子などは共通。1/2.3型のMOSで、有効画素数は4K動画撮影時で829万画素(16:9)。レンズは35mm換算で30.8~626mm(4K動画で傾き補正OFF時)。F値はF1.8~3.6。高速かつ精密なオートフォーカスが可能という「4KハイプレシジョンAF」も装備。フォーカスユニットを微細に動かし続け、被写体の動きや変化に機敏に対応できるという。

 光学式の手ぶれ補正機能を備え、傾き補正と5軸ハイブリッド手ブレ補正機能が利用可能。前述のように、「あとから手ブレ補正」も利用可能。4K動画から800万画素の静止画を切り出して保存する「4K PHOTO」も搭載する。

WX995M
「HC-VX985M」のホワイトモデル

 WX995Mは、液晶モニタの端にもう1つのカメラを備え、メインカメラの映像とは異なる画角の映像を同時に撮影する「ワイプ撮り」が可能。本体のワイプカメラで撮影した映像を小画面で表示するのに加え、スマートフォンとワイヤレスで連携、スマホのカメラで撮影した小画面を記録する事もできる。2画面のワイプ表示が可能で、最大3台のスマホと接続でき、小画面として使うカメラを選択できる。

 ワイプ撮り用カメラの仕様は、撮像素子が1/4型MOS。焦点距離が37.2mm(35mm換算)、F値はF2.2。

 逆光撮影時に、露光時間の異なる2枚の画像を合成し、色潰れのない映像を撮影するハイダイナミックレンジ動画(HDR動画)機能も搭載する。液晶モニタは3型で約46万画素。

 全モデル64GBのストレージメモリを内蔵。SDカードスロットも備えており、128GBまでのSDXCカードが利用可能。

 撮影映像は3,840×2,160/30p、3,840×2,160/24p、1,920×1,080/60pなどに対応。記録方式はAVCHD 2.0、MP4/iFrame。2160/30pでは最大ビットレート72Mbpsで撮影可能。無線LAN機能はIEEE 802.11b/g/nに準拠し、2.4GHz帯を利用する。

 外形寸法は、HC-WX995Mが65×161×73mm(幅×奥行き×高さ/バッテリ含む)、重量は約360g(本体のみ)。HC-VX985Mが65×141×73mm(同)で約352g(同)。