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渋谷でソニーの首かけ端末「N」や“未来の食卓”を体験。義足レースも
2017年11月2日 18:30
ソニーは11月2日、渋谷モディ1階の「Sony Square Shibuya Project」(以下、ソニースクエア渋谷)で、ネックバンド型デバイス「N」や、テーブル上に様々な情報や映像を投写するプロジェクタ「T」など、最新技術を体験できる「ソニーが描く『少し先の未来体験』」をスタート。2018年1月中旬まで開催する(1月1日は休館)。入場や体験は無料。渋谷モディの営業時間は11時〜21時。
ソニースクエア渋谷は、来場者に「ソニーグループの製品、 テクノロジー、 コンテンツなどを掛け合わせて、 ユニークかつ新たなソニーの魅力を伝えること」を目指して、商業施設・渋谷モディに今年4月オープン。製品は販売していないが、企画展示を通してソニーのハードやソフトを総合的に体験できる場所となっている。
展示の見どころのひとつが、ソニーが開発したバーチャルアナウンサー「沢村 碧(さわむら みどり)」。テレビ番組などの原稿をデジタル音声の発話に変換し、CGアニメーションキャラクターと連動させて自然な表情や動きでニュースを読み上げる。会場に設置された大型のシースルー有機ELディスプレイの中から、ナビゲーターとして来場者を出迎える。ビジュアルは従来の私服姿から刷新され、ソニースクエア渋谷の説明員らと同じデザインの服を着用している。
会場には開発中のコンセプトプロトタイプ「N」と「T」が登場。「N」は耳を塞がずに音楽や情報を楽しめるネックバンド型デバイスで、実際に装着してCGで描かれる渋谷をバーチャル散歩する体験コンテンツを用意している。
「T」はテーブル上に様々な情報や映像や投写できるプロジェクタを備え、 ダイニング空間にセンシングテクノロジーを加えることで“自然に情報に触れる”体験を可能にするもの。
会場内と、1階イベントスペースでは、ソニーコンピュータサイエンス研究所(以下、ソニーCSL)が研究を進めるロボット義足や、ソニーCSLの研究に基づいて製品化された株式会社Xiborg(サイボーグ)の義足を展示。
さらに、渋谷一帯で開催される「渋谷芸術祭2017」に協賛し、世界トップレベルのパラアスリートらによるストリートレース「渋谷シティゲーム ~世界最速への挑戦~」(11月5日14時〜)に、Xiborgの義足を提供する。
このほか、11月18日発売予定のコミュニケーションロボット「Xperia Hello!」 (直販14万9,880円)のタッチ&トライコーナーも用意している。
ネックバンド型デバイス「N」で未来の渋谷を散歩
ネックバンド型デバイス「N」を使った体験コンテンツ「渋谷バーチャル散歩」は、耳を塞がずに音声ガイドを聞きながら、 近未来の渋谷の散歩を楽しみ、待ち合わせている友人に会いに行くというもの。体験時間は1回につき3分程度。
渋谷モディからハチ公前までの決められたルートを散策する。体験者の目の前には縦長に設置された75型BRAVIAと、シースルーのスクリーンがあり、吊り下げ式のプロジェクタを天井に設置。液晶画面のCGの前に、「N」の操作方法などがテキストやシンボルで表示され、「N」を装着して町中を歩く疑似体験ができる。足下のシート状のセンサー上で足踏みすると、CGで描かれた街の景色が変わり、前に進んでいるような感覚となる。
出発前には、Nに声をかけて今日のスケジュールや天気を音声操作でチェック。 散歩の途中でNの内蔵カメラが音楽の広告を認識すると、ユーザーにその音楽を再生するか問いかけてきて、「プレイミュージック」と声をかけるとその曲を聴ける。また、途中で出会った人に英語で道を尋ねられても、自動で相互翻訳して道案内できる。
朝のスケジュールチェックをサポート、食卓を飾るプロトタイプ「T」
プロトタイプ「T」を使った「未来の食卓」では、説明員の案内に従ってスケジュール帳や食器を卓上に置くだけで、プロジェクタが物体を認識してそれに合った情報や映像コンテンツを重ねて表示してくれる。
画像認識技術により、テーブル上で手や指の三次元的な動きや置かれた物体の形を認識。例えばコーヒーカップを置くとカフェラテの上に「Good Morning」のメッセージを投写。スケジュール帳を開くと、今日の大事なイベントをピンクのマーカー風に囲って強調するなど、置かれた物体に合わせてコンテンツを投写する。
置かれた物の形状と高さも認識でき、真っ白なお皿を二枚重ねると、皿ごとに異なる映像を映し出すこともできる。
ソニーとXiborgの義足を展示。ストリートレースも
ソニーCSLで研究している、膝部にモーターを搭載してより人間の歩行に近い状態を再現する「ロボット義足」と、Xiborgが製品化したトップアスリート向け「競技用義足」を展示。義足の研究を行なっているXiborg/ソニーCSLの遠藤謙氏のインタビュービデオも見られる。
1階イベントスペースでは、11月5日に行なわれるストリートレース「渋谷シティゲーム ~世界最速への挑戦~」にちなみ、大人や子ども向けの体験用義足を用意。実際に足に装着して歩く感覚を試せる。
なお、5日のストリートレースは、渋谷モディ脇のファイヤー通りをタワーレコード渋谷店付近まで臨時封鎖し、約60mの陸上トラックを設営。Xiborgの義足を履いたジャリッド・ウォレス選手ら3人のパラアスリートが参加し、一般参加のランナーと共に60mレースの世界記録に挑戦する。