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FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品

 エミライは、FOCALのヘッドフォン/イヤフォン合計5機種を発表した。いずれも発売日や価格は未定。有線ヘッドフォン「Listen」とBluetoothヘッドフォン「Listen Wireless」は3~4万円台、イヤフォンの「Sphear S」、イヤフォンの「Spark」と、そのBluetooth版「Spark Wireless」は2万円を切る価格帯になる見込み。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 有線ヘッドフォン「Listen」
有線ヘッドフォン「Listen」

ヘッドフォン「Listen」と「Listen Wireless」

 FOCALが、同社の「伝説的なヘッドフォン」と語る「Spirit One」を、現代風にリメイクしたというのが「Listen」シリーズ。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 有線ヘッドフォン「Listen」
有線ヘッドフォン「Listen」

 有線接続のヘッドフォン「Listen」には、マイラー・チタンドーム振動板を採用。素材はマイラーで、中央のコーン部分にチタンを蒸着、中央の剛性を上げながら、周囲の部分はフレキシビリティを維持している。

 イヤーパッドは22mm厚の低反発タイプで、ウレタンフォームとマイクロファイバー製クッションで構成。優れたノイズ遮音性能と快適さを追求しているほか、このパッドでアコースティックな音質のチューニングも行なっている。

 ハウジングは密閉型。折りたたみも可能で、スタジオ用途も想定した堅牢さを備えている。ケーブルにはリモコンも装備。

 このListenをベースに、Bluetooth対応としたのが「Listen Wireless」。Bluetooth 4.1に準拠し、コーデックはaptXに対応。ユニットにはマイラー・チタンドーム振動板を使い、22mm厚のイヤーパッドも備えている。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 「Listen Wireless」
FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 「Listen Wireless」
「Listen Wireless」

イヤフォンのSphear S

 FOCALが初めて手掛けたイヤフォン。ドライバはダイナミック型で、10.8mm径のものを採用。ネオジウムマグネットを採用し、振動板はマイラー製。40kHzまでの高域再生が可能。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 イヤフォンのSphear S
イヤフォンのSphear S
FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 ケーブル分岐部
ケーブル分岐部

 大きな特徴として、センターベントと呼ばれる穴を、振動板の中央に設けている。カナル型イヤフォンでは、密閉度が高いと、鼓膜とイヤフォンの振動板の間にある空気が動きにくく、閉塞感を感じたり、振動板がうまく動かなかったりするが、穴を設ける事で、振動板の動きや、低音レベルの最適化を行なっている。

 装着感の良さも追求。耳介内の凹部分で支えると快適な装着感が得られ、外耳道を密閉すると良好な低音レスポンスが得られるといった、耳の解剖学を再検証。装着しやすく、高音質なイヤフォン開発に活用したという。

 ハイグロス仕上げの、FOCALロゴ入りステンレス製プレートを配置している。

Spark/Spark Wireless

 9.5mm径のダイナミック型ユニットを採用したイヤフォン。スマートフォンとの組み合わせを前提に開発しており、有線モデルの「Spark」には、ケーブルに3ボタンのマイクリモコンを装備する。有線モデルのカラーバリエーションはブラック、コバルトブルー、シルバー。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 Spark
FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 Spark
Spark

 Sphear Sで培った技術をドライバに投入。FOCALのロゴ入りステンレス製プレートも備えている。ケーブルは絡みにくいフラットタイプ。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 Sparkのリモコンマイク部
Sparkのリモコンマイク部

 Spark WirelessはSparkをベースとしたBluetoothタイプで、Bluetooth 4.1に準拠。コーデックはaptXに対応。こちらもからみにくいフラットケーブルを採用し、マイクリモコンも備えている。なお、バッテリもケーブルに備えているが、リモコンとバッテリユニットは個別筐体になっている。これは重量配分や、バッテリが劣化した際の交換などを考慮したものだという。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 Spark Wireless
Spark Wireless
FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 Spark Wireless
Spark Wireless
FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 リモコンとバッテリユニットは個別筐体
リモコンとバッテリユニットは個別筐体

音を聴いてみる

 Sparkは低価格な製品としてラインナップされるイヤフォンだが、音のバランスは良好。低域もしっかり出ており、安心して聴けるイヤフォンだ。わずかに低域が強めではあるが、価格帯を考慮すると、音楽をアグレッシブに聴かせてくれるタイプと言えるだろう。高音の抜けもよく、開放的な気分で楽しめる。

 Sphear Sも高域の抜けの良さ、低域のパワフルさを両立。ややそれらが強調されているきらいもあるが、音楽の美味しいところをたっぷり聴かせようという姿勢を感じるイヤフォンだ。

 ヘッドフォンの「Listen」は、密閉型だが非常にトランジェントの良い音で、振動板が軽やかに、ハイスピードで動いている事が伝わってくる。こもりやもたつきと無縁の、開放型と錯覚するようなサウンドで、かなり完成度が高い。装着感や安定性も上々だ。

多くの人に向けた“ニューメディア”製品をエミライが扱う

 既報の通り、FOCALのスピーカーや「CLEAR」、「UTOPIA」、「ELEAR」といった高価格帯のヘッドフォンは、ラックスマンが代理店を担当している。FOCALでは“ヘッドフォン”、“スピーカー”というカテゴリ分けをしておらず、家の中で使う事を想定した高級ヘッドフォンやスピーカーを「Home」、屋外で使うヘッドフォンやイヤフォンを「ニューメディア」製品と分けている。エミライが代理店を担当するのは、その「ニューメディア」製品群であり、今回の5製品もそのカテゴリに属している。

 しかし、アジア/アフリカのHome Sales ManagerであるQuentin Morieux氏は、FOCALの根幹とも言えるスピーカー開発で培った技術や、音楽の情熱をそのままに再現するというフィロソフィーが、ニューメディアカテゴリの製品にも投入されていると説明。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 Quentin Morieux氏
Quentin Morieux氏

 ヘッドフォンのSales ManagerであるRomain Vet氏は、FOCALのドライバに対する理念として、ハイスピードで動ける「軽量さ」を持っている事、歪のない「高剛性」、そして色付けのない音を出すための「高減衰性」の3つを紹介。それを実現するため、ベリリウムやサンドイッチコーン、アルミとマグネシウムを使ったユニットなど、様々なドライバを手掛けている事を説明。

FOCAL、普及価格のヘッドフォン「Listen」やBTイヤフォン「Spark」など5製品 ヘッドフォンのSales ManagerであるRomain Vet氏
ヘッドフォンのSales ManagerであるRomain Vet氏

 また、スピーカーと比べてイヤフォン/ヘッドフォンでは、再生周波数のフラットなリファレンスカーブを追求するのが困難だが、市場やプロのエンジニアなどから、高い評価を得たヘッドフォンのカーブを1つの基準としたり、それを基準としながらも、屋外で聴くための製品では外部の騒音の影響を受けるため、騒音の影響を受けやすい帯域、受けにくい帯域も考慮して、理想の音を追求している事などを解説した。