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世界初のi-dio対応据置型プレーヤーや、新ブランド「Ar:tio」のイヤフォン

 国内外から多くのブランドが出展する、国内最大級のイヤフォン&ヘッドフォン体感イベント「ポータブルオーディオフェスティバル2017 WINTER」(通称:ポタフェス)」が、12月16日~17日まで開催中。会場は秋葉原にあるベルサール秋葉原の地下1階、1階、2階、3階と、TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原の3階。入場は無料。ここではTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原会場や、ベルサール秋葉原のエミライブースなどをレポートする。

AKIBAカルチャーズZONEの右隣にあるのがTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原だ

 ポタフェスの会場はベルサール秋葉原の印象が強いが、今回はAKIBAカルチャーズZONEの隣にあるTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原の3階にも会場がある。こちらにも多数のメーカーが出展しているので、立ち寄っておこう。

TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原の入り口
会場の様子。JVCブランドのブースなどもここにある

世界初のi-dio受信対応据置型プレーヤー「kiwi player」

 Kiwi(キウイ)とアニソンHOLIC、i-dioが展開するブースには、VHF-Low帯を利用した放送サービス「i-dio」の受信に対応した、世界初の据え置き型オーディオプレーヤー「kiwi player(仮称)」が参考展示されている。発売は2018年夏を予定しており、価格は未定。近日予約受付を開始する。

「kiwi player」

 kiwi playerは、ハイレゾ音源を手軽に再生できるという据え置き型のプレーヤー。無線LANを搭載し、NASなどに保存してあるハイレゾ音楽が再生できるほか、USBメモリなどからの再生にも対応する予定。

 クリプトンの192kHz/24bit対応、DDC搭載のアクティブスピーカー「KS-3HQM」とセットになっているのが特徴で、kiwi playerからは音声をUSB端子でデジタル出力し、KS-3HQMで再生する構成になっている。

 このkiwi playerは、i-dioのチューナは搭載していない。しかし、スマートフォン向けに発売されているi-dio対応のWi-Fiチューナとワイヤレスで連携でき、Wi-Fi i-dioチューナで受信した放送の音声を、ワイヤレスで受信し、クリプトンのスピーカーから再生できる。受信から出力の直前まで、フルデジタルで処理し、高音質な再生が可能。

 kiwi playerにディスプレイは搭載されていないが、スマートフォンのアプリから制御が可能。ネットワーク経由での音楽再生や、i-dioの受信チャンネルの選局、i-dio放送から送られてくる画像や映像データの表示は、スマホのアプリで見る事ができる。こうした制御や画像データの転送にはBluetoothを使っている。

i-dio放送の画像データなどはスマホアプリで見る

 また、LEDのイルミネーション機能を備えているのも特徴。色や明るさなどもスマホアプリから制御できる。さらに、外装がガポッとまるごと外せるようになっており、黒いキューブ状のデザインと、和室にもマッチしそうな落ち着いたデザインの外装を試作。設置する部屋に合わせ、デザインを大きく変更できるのも特徴となる。

外装をまるごと交換できるのも特徴

 ブースでは、11月にi-dioで開局した新チャンネル「アニソン HOLIC」(アニホリ)も紹介。ハイレゾ相当のクオリティで放送を行なっている「i-dio HQ」も含め、kiwi playerで楽しめる。

 アニホリは、地上波放送初という、アニメソングに選曲を限定したチャンネルで、i-dio専用受信機のほか、スマートフォンアプリを使って無料で聴ける。放送時間は7時~28時(翌朝4時)。受信機で視聴できる放送エリアは、i-dio全放送ブロック(関東・甲信越、東海・北陸、近畿、九州・沖縄)。

フロンティアファクトリー

 12月8日から発売している、Acoustic Researchのポータブルプレーヤー「AR-M200」と、イヤフォン「AR-E10」、「AR-E100」を紹介している。

Acoustic Researchのポータブルプレーヤー「AR-M200」

 AR-M200は、アルミ筐体を採用したスリムなハイレゾプレーヤー。ヘッドフォン出力として3.5mmのアンバランスに加え、4.4mm 5極のPentaconnバランス出力も搭載しているのが特徴。内蔵ストレージメモリは32GB、256GBまでのカードが利用できるmicroSDXCカードスロットも装備する。ディスプレイは2.5型。DACは旭化成エレクトロニクスの「AKM AK4490」を採用している。価格は54,800円。

 「AR-M200」とマッチするハイレゾイヤフォン「AR-E10」、「AR-E100」もラインナップ。イヤフォンは、交換が可能で、4.4mmバランスケーブルや、Bluetoothケーブルまで同梱しているのが特徴。価格は、ハイブリッドドライバの「AR-E10」が34,800円、ダイナミック型のみの「AR-E100」が19,800円。

バリュートレード

 バリュートレードのブースでは、“日本人の音の好みを反映した”というAVIOTブランドのBluetoothイヤフォン「WE-D01a」を展示。16日より発売を開始したもので、価格は6,880円。Amazon直販と、e☆イヤホンで先行販売し、2018年2月から一般販売を予定している。

AVIOTブランドのBluetoothイヤフォン「WE-D01a」

 「日本人オーディオエキスパート達が、クラシックから最新のアニソンまで1,000曲を超えるヒアリングを行ない、徹底したサウンドチューニングを施した」というイヤフォン。Bluetooth Ver.4.1に準拠し、コーデックはAACとaptX、SBCに対応。プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP。

 ハウジングはアルミ製。ケーブルは、被膜に細い溝を設け、絡みにくく、タッチノイズを最小限に抑える特殊加工を施している。3ボタンのインラインリモコンにはハンズフリーマイクを搭載する。

SOUND WARRIOR

 「秋のヘッドフォン祭 2017」にも展示していた、新ヘッドフォンの試作機を出展。今回は音が出るようになっている。

 ハウジングに木材を使っているのが特徴で、ホームユースを意識したモデルになるという。実際の製品でどの木材を使うかなどは未定だが、将来的には木材の選択からオーダーできるカスタムメイドモデルとする事も視野に入れているという。

エミライ

 ベルサール秋葉原のエミライブースでは、12月下旬から発売する仏FOCALのイヤフォン/ヘッドフォン5機種を紹介中。ヘッドフォンの「Listen」が23,000円前後、Bluetoothヘッドフォン「Listen Wireless」が28,000円前後。イヤフォンの「Sphear S」が12,500円前後、「Spark」が6,500円前後、Bluetoothイヤフォン「Spark Wireless」が9,000円前後と、いずれもリーズナブルなのが特徴だ。

仏FOCALのイヤフォン/ヘッドフォン5機種

 「Listen」は有線接続のヘッドフォンで、自社開発のマイラー・チタンドーム振動板を採用。素材はマイラーで、中央のコーン部分にチタンを蒸着、中央の剛性を上げながら、周囲の部分はフレキシビリティを維持している。

 イヤフォン「Sphear S」は、10.8mm径のダイナミック型ユニットを搭載。マイラー製で、40kHzまでの高域再生が可能。センターベントと呼ばれる穴を、振動板の中央に設けて振動板の動きや低音レベルを最適化している。

 イヤフォン「Spark」とBluetoothタイプの「Spark Wireless」は、いずれも9.5mm径のダイナミック型ユニットを採用。Sphear Sで培った技術をドライバに投入。FOCALのロゴ入りステンレス製プレートも装備。ケーブルは絡みにくいフラットタイプ。

 Spark WirelessはSparkをベースとしたBluetoothタイプで、Bluetooth 4.1に準拠。コーデックはaptXに対応する。

仏FOCALのイヤフォン/ヘッドフォン5機種

 FiiOの新製品も紹介。11月に概要を発表していたハイブリッドイヤフォン「F9 PRO」と「FH1」を国内初展示している。

左端が「F9 PRO」、右端が「FH1」

 「F9 PRO」はダイナミック型ユニット×1、BA×2のハイブリッドタイプ。BAは、Knowles製「TWFK-30017-000」を使っている。ケーブルはMMCX端子を採用し、着脱できる。3.5mmのアンバランスケーブルに加え、2.5mm 4極のバランスケーブルも同梱し、価格は未定だが1万円台後半のイメージだという。

 「FH1」もハイブリッドタイプだが、ダイナミック型×1、BA×1構成。KnowlesのBAユニット「33518」を採用している。ケーブルはMMCXで着脱可能。こちらも2.5mmのバランス接続ケーブルを同梱。価格は1万円前後の見込み。

 ハイレゾプレーヤーの新モデルである「X7 Mark II」と「X3 Mark III」も展示。日本発売に向け、準備は着々と進行しているという。

 「X7 II」はFiioのフラッグシッププレーヤーと位置づけられているが、最上位としては購入しやすい価格になる見込み。「X3 III」はエントリーモデルとなる。

 「X7 II」はストレージメモリとして64GBを内蔵。拡張用として256GBまでのカードが利用できるmicroSDカードを2基備えており、合計で576GBまでのストレージが利用できる。

 DACはESSの「ES9028 PRO」を採用。45.1584MHz、49.152MHz、100MHzのサンプリング周波数に応じて、3種類の水晶発振器を搭載してジッタを低減。本体下部のアンプ部分が取り外しできるようになっており、別売のアンプモジュールに交換する事で、別の機能を利用したり、出力を強化するといったカスタマイズが可能。

 「X3 Mark III」もmicroSDカードスロットを備え、256GBまでのカードがストレージとして利用可能。DACとしてTIの「PCM5242」を採用しているが、エントリークラスのプレーヤーながら、このDACを左右それぞれ独立で、計2基搭載。さらに、ディスクリート構成のDAC、ローパスフィルタ、アンプ部も独立で搭載。ヘッドフォン出力は3.5mmのシングルエンドに加え、2.5mmバランス出力も備えており「最強のエントリーDAP」とアピールしている。

FiiOのプレーヤーも展示

映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-仕様のイヤフォン

 「映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-」とオンキヨーがコラボしたイヤフォン「ONKYO E200BTB CHU-2『映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-』×ONKYO」を記念した、特設コーナーも用意。

 イヤフォン実機が展示されているほか、映画にまつわる展示物を見る事もできる。さらに、当日特設コーナーに行くと、オリジナルポストカードのプレゼントも実施中。

映画 中二病でも恋がしたい!-Take On Me-仕様のイヤフォン

NUARL

 NUARLブースでは、現在開発中という同社初の左右完全分離型Bluetoothイヤフォン「X40(仮称)」の動作試作機を初公開。音質についての意見を、アンケートで集めており、それを踏まえてさらにブラッシュアップしていくという。発売は来春を予定している。

 装着性と高音質を両立するため、独自の「デュアルインサートノズル」を採用。先端部に取り付けてバネのような動きで耳孔にフィットするという「アジェストタイプ」と、ノズル全体をカバーしてより深く耳孔に入るようにして遮音性を高める「プラグインタイプ」の2種類のイヤーピースを同梱している。

「X40(仮称)」

audio-opus

 エムエムシー企画のブースでは、audio-opusブランドのハイレゾプレーヤー「OPUS#1S」を紹介。12月23日発売予定で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は49,680円前後(税込)。

「OPUS#1S」

 「OPUS#1」の後継モデルと位置付けられ、「OPUS#1で高い評価を得たサウンドを尊重しつつ、価格を抑えながらもトップクラスの音響性能と高出力化を実現。全域にわたって音質の向上、及びバランス、アンバランスともに出力を大幅に強化した」というモデル。

 ストレージとして、内蔵メモリは32GB。microSDカードスロットも2基備えており、最大256GBのカードを2枚追加できる。DACには、シーラスロジックの「CS43198」をデュアルで搭載。3.5mmのアンバランス出力に加え、2.5mm 4極のバランス出力も搭載。左右独立のDAC構成と、セパレーション設計により、「極めて高精細かつワイドでクリアなサウンドを提供する」という

ナイコム

 RHAのブースでは、有線イヤフォンの「MA650a」を国内初披露。販売しているBluetoothイヤフォン「MA650 Wireless」をベースとしながら、有線タイプとしたもの。スマートフォンの操作に対応したマイクリモコンもケーブルに搭載する。

有線イヤフォンの「MA650a」

TTRやその他ブース

 茶楽音人ブランドを展開するTTRのブースでは、「Co-Donguri 雫」をベースに、ハウジングの素材を真鍮にしたものや、ケーブルをバランスの2.5mmと4.4mmにしたものを参考展示している。

「Co-Donguri 雫」をベースとした試作機を展示

 さらに、TTRが新たに扱うブランドとして「Ar:tio」(アルティオ)を紹介。日本メーカーのイヤフォンで、ドライバも独自開発しているのが特徴という。「RK01」と「CU1」の2機種で、RK01はチタン削り出しの筐体を採用。どちらもダイナミック型ユニットを採用し、価格は未定だが、RK01は5万円程度、CU1は1万円台になる見込みだ。

「RK01」
「CU1」

 Brise Audioのブースでは、KuraDa、SYMを加えた3社が共同で開発しているというイヤフォンを参考展示している。発売日や価格は未定だが、「ハイエンドなモデルとして、それぞれの強みを持ち寄りながら開発している」という。

Brise Audio、KuraDa、SYMが共同開発しているイヤフォンの試作機

 パナソニックのブースでは、11月から発売しているスタイリッシュなデザインが特徴のBluetoothヘッドフォン「RP-HTX80B」などを紹介。新開発の40mm径ドライバを採用。スタジオモニターとして実績のあるドーム型ハウジングと組み合わせ、ドライバ前後の空気の流れも最適化。歪の少ない、豊かな低音を実現する「アコースティック・ベース・コントロール」技術を搭載している。

 なお、ブースでは秋葉原のイベントらしく、ヘッドフォンを装着した美少女のパネルも用意。名前などはついておらず、「今後活用していくかも含めて未定」だという。

パナソニックブース
ヘッドフォン美少女のパネルも登場

 ベルサール秋葉原の3階は、「ホームシアター&プレミアムヘッドホンフェア」と題したコーナーが登場。オーディオテクニカの「ATH-ADX5000」や、finalの「D8000」といった高級ヘッドフォンを静かな環境で試聴できる。

 さらに、エプソンのプロジェクタを使ったホームシアターの提案コーナーも用意。DAIKENの防音ルーム2部屋を使っており、防音ドアや防音窓など、DAIKEN製品の効果も体験できるようになっている。

「ホームシアター&プレミアムヘッドホンフェア」で高級ヘッドフォンをじっくり試聴できる
ホームシアター体験コーナーも
DAIKENの防音ルーム紹介も兼ねている