ニュース

JVC、防水4Kビデオカメラや左右分離イヤフォン。車にもGoogleアシスタント

 JVCケンウッドは、4Kビデオカメラで防水、防塵、耐衝撃、耐低温機能を搭載した「GZ-RY980」や、左右分離ワイヤレスイヤフォンなどをCES 2018で披露。また、Googleアシスタントと連携するカーナビ/オーディオを展示したほか、ヘッドフォンを使ってスピーカーのような広い音場で楽しめる「EXOFIELD」技術を海外では初めて紹介した。

JVCケンウッドブース。KENWOODオーディオシステムを備えたBOSS MUSTANGが目を引く

4Kビデオカメラは防水、防塵、耐衝撃、耐低温の「QUAD PROOF」

 JVCブランドの民生用ビデオカメラ新モデルとして、防水、防塵、耐衝撃、耐低温の4つの保護性能「QUAD PROOF(クワッド・プルーフ)」を搭載した4Kモデル「GZ-RY980」を今回のCESで初披露。フルHDの「GZ-560/460」も展示した。

4Kで防水、防塵、耐衝撃、耐低温のGZ-RY980

 4Kの「GZ-RY980」は、1/2.3型1,890万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載し、4K(70Mbps)や、AVCHD Progressive(60/50p)の動画撮影に対応。QUAD PROOFにより、アウトドアなど様々な環境下で撮影できる。光学10倍ズームに対応。

 内蔵バッテリで4Kの場合最長4.5時間、フルHDでは5.5時間の撮影が可能。4Kのタイムラプス撮影や、フルHDのハイスピード撮影にも対応する。SDXC対応のデュアルスロットを装備する。

 フルHDでQUAD PROOF対応の「GZ-R560」は32GBメモリ、「GZ-R460」は4Gメモリを内蔵。SDXCードスロットも備える。カラーはGZ-R560がブラック、GZ-R460がブラックとオレンジを用意する。

フルHDのGZ-560/460

 250万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載。40倍の光学ズームと、60倍のダイナミックズームに対応するのも特徴。内蔵バッテリで5時間の撮影ができる。

業務用の4K CAMなどの製品も
4K/レーザー光源の「DRA-RS4500」(左奥)などプロジェクタ

左右分離などのイヤフォン新製品

 スポーツ向けBluetoothイヤフォン「HA-ET90BT」は、ランニングなどの時に天候を気にせず使えるというIPX5対応モデル。米国では3月に発売し、価格は約149ドル。

左右分離型の「HA-ET90BT」

 イヤーピース上部に備えたソフトなラバー製のフィンがユーザーの耳に合わせて回転するPivot Motion Fit機構などにより装着性を向上。連続使用時間は3時間で、付属ケースからの充電により計6時間の使用ができる。

 そのほかにも、強力な重低音を特徴とするXXシリーズのワイヤレスモデル「HA-ET103BT」を3月に発売。価格は約49ドル。ネオジウムマグネットを搭載した8.5mmのユニットを装備する。IPX2の防汗仕様。

XXシリーズの「HA-ET103BT」

Googleアシスタント連携のカーオーディオなど

 KENWOODブランドのリファレンスシリーズ「eXcelon」は、1,280×720ドットの高精細液晶パネルを搭載した「DNX995S」など、Apple CarPlayや、Android Autoに対応したハイエンドAVマルチメディアレシーバーの新モデルを展示。

eXcelonの新モデルなど

 Googleが、米国でAndroid AutoにおいてもGoogleアシスタントの音声操作と連携すると発表したことに合わせ、音声操作でナビやオーディオなどの機能を利用できることを紹介。三菱自動車のコンパクトSUV「ECLIPSE CROSS」を使ってデモを行なった。

ECLIPSE CROSSのデモカーでGoogleアシスタント連携を体験した
GoogleアシスタントやeXcelonの音質などを体験できるコーナーも

 また、ECLIPSE CROSSではAppleのCarPlayと連携するタッチパッドのコントローラも採用。画面まで手を伸ばさなくても、運転席の脇にあるコントローラで画面のスワイプなどができるほか、2本指でタッチして上下するとボリュームが増減するといった、咄嗟の操作にも適している。

CarPlayと連携するタッチパッドのコントローラ

 市販向けを中心に手掛けるJVCブランドのコーナーでも、Android AutoやCarPlayに対応したマルチメディアシステム「KW-V940BW」などを中心にを多数展示した。

KW-V940BW
2DINのKW-V940BWを中心に、アンプの「KS-DR3004」3台や、4つのサブウーファなどを備えたデモカー

 '15年に子会社化した、車載用スピーカーやアンプを手掛けるイタリア・ASKによる、壁などの接地面を振動させて音を出すエキサイターも展示。運転席のシート内にエキサイターを埋め込むことで、耳だけでなく全身で音楽を体感できる。

左側にある丸いユニットがASKのエキサイター。右の紹介パネルの裏側にもエキサイターが設置されており、パネルから音が出る
ASKのエキサイターを埋め込んだシート。背中からも音を体感できる

EXOFIELDは海外でも好評

 日本で'17年に発表された頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を、海外でも紹介した。

EXOFIELDの展示コーナー

 ヘッドフォンで音楽を聴くと、音像や音場が頭の中に定位する「頭内定位」が起こり、前方から音が届くスピーカーとは違う聴こえ方になってしまう。これを解消し、スピーカーで聴いているような音を再現するのが、EXOFIELD技術。

 この技術を活用し、ユーザーにマッチさせるための個別測定作業をビクタースタジオで行ない、その効果を忠実に再現できるヘッドフォン「HA-WM90」、ポータブルアンプなどもセットにしたサービス「WiZMUSIC90」(ウィズミュージック)を'17年より日本で開始。海外での展開は未定だが、その技術を体験できる場として今回のCESに出展している。

EXOFIELD技術の概要

 同社ブースがあるLas Vegas Convention Centerのノースホールは、カーオーディオの重低音が鳴り響くエリアでもあり、その場では個人に合わせた精密な測定ができないため、希望者には別会場であるホテルThe Venetianの一室で体験可能となっていた。体験した人のほとんどが、この技術に対して高く評価していたという。

個人による測定結果の違い。どのように違って聞こえるかを体験