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ロック様のパンチを劇場で体感!? 日比谷で世界初上映「マジジュマンジ」が衝撃的

 3月29日にオープンするシネマコンプレックス「TOHOシネマズ日比谷」では、開業に合わせて複数の作品を先行上映するが、そうした中で、世界初という異色の上映システムが期間限定で採用。それが振動するベストを着て楽しむ「超体感シネマ『マジジュマンジ』」だ。29日の上映開始より一足先に体験してきた。

超体感シネマ「マジジュマンジ」体験の様子

 超体感シネマ「マジジュマンジ」は、10個の振動装置が付いたベストを着て映画を鑑賞するもので、シーンに合わせて様々なパターンで振動。新作映画「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ ジャングル」において、アクションなどのシーンをよりリアルに体感できる内容となっている。「マジジュマンジ」は、“予想のナナメ上ゆく事”を意味するという。

超体感シネマ「マジジュマンジ」

 体感型の上映システムとしては、座席が動いたり、振動や煙、香りなどの特殊効果が映画と連動する「4DX」や「MX4D」が知られるが、今回のシステムは座席やその周辺ではなく、体を包むベストからダイレクトに振動が伝わるのが大きな違い。

 TOHOシネマズ日比谷のみで3月29日~4月5日の8日間限定で上映、通常料金と同額で鑑賞でき、上映日の2日前から、インターネットチケット販売「vit」で販売。劇場窓口では3月29日の劇場オープン時より販売する。なお、12歳以下や、妊娠中、心臓ペースメーカーを入れている人などは鑑賞できないなどの注意事項があり、詳細はTOHOシネマズ日比谷のサイト内で案内している。

 なお、29日にオープンするTOHOシネマズ日比谷の特徴などは、27日掲載の記事でレポートしている

29日オープンのTOHOシネマズ日比谷で実施

 映画「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ ジャングル」は、主人公の高校生4人が呪われたテレビゲームの中に吸い込まれ、身体も性格も性別までも真逆のゲームキャラに入れ替わってしまい、生きて現実世界に戻るためにジャングルの中でゲームクリアを目指すアドベンチャー。出演は、ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケヴィン・ハート、 カレン・ギランほか。今回の「マジジュマンジ」は、映画の中に入ってしまったかのような体験ができるという、同作品の内容にも近い上映システムになっている。

“マジジュマンジ顔”のキャスト

 振動する「ハプティックベスト」は、ソニーが研究開発を進めているハプティクス技術(触覚提示技術)を用いた振動デバイスを搭載。胸やお腹、背中の部分に計10個の振動ユニットを備えており、映像と連動して“体験したことがない未知の領域”を味わえるという。

ソニーの「ハプティックベスト」

 このベストは、'17年にZeppブルーシアター六本木で公演された、超体感ステージ「キャプテン翼」で採用されたものだという。その時は、舞台上で作品中の“神技”がダンスやアクロバット、イリュージョン、デジタルと身体能力を掛け合わせてダイナミックに描かれ、最新のデジタル技術により五感で楽しめるという内容だった。

 今回は同技術を初めて映画作品に採用。シーンに合わせて100種類以上もの効果パターンを用意したという。TOHOシネマズ日比谷のスクリーン3で、作品の中でも効果がより体感できるシーンを先行して体験した。

座席に置かれた「ハプティックベスト」を装着。なお、腕時計などは装着前に外すように案内された
まずはファスナーを上げる
ベルクロで体にフィットさせる
指さしている部分など、計10カ所に振動デバイスが入っている
背中側にも振動ユニットを内蔵

 最初に体験したのは、ジャック・ブラック演じるシェリー・オベロン教授が、ある動物に襲われる衝撃のシーン。忍び寄る足音に合わせて振動し、徐々に危険が近づき、ついに……という恐ろしさがリアルに伝わった。

 元WWE王者“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンによる迫力のバトルシーンも鑑賞。パンチやキックを食らったり、相手を吹っ飛ばしたりする激しい衝撃があるだけでなく、ギリギリでかすめた時は違った振動になるため、シーンへの没入感は体験前の想像以上。ヘリコプターにのったアクションシーンでも、回るローターからの振動や、地上を駆ける動物の群れなどの重低音が、振動によってさらに体全体に伝わり、まさに登場人物の一人になって冒険する気分が味わえた。

 かなり特殊な例では、ある人物が立ちションをするシーンで、人ではなく“かけられる岩”の感触を再現。詳細は割愛するが、きっとリアルな振動なのだろう。アクションシーンだけでなく、「普段では絶対体験できないものを体験できる」のもこの上映システムの特徴としている。

 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント エグゼクティブディレクター 映画 マーケティング部の堀内啓氏は、「ジュマンジを10倍以上楽しんでいただくために適した体験ではと思ったのがきっかけ」と説明。

 「ハプティックベスト」を開発するソニー ブランドデザインプラットフォームの大原弘嗣氏は、「この作品は、登場人物が別のキャラクターに憑依するという内容なので、映画の中の世界を体験できるというハプティックベストと似ている。世界中で大ヒットしている作品でもあり、最高の組み合わせ」とした。振動パターン制作の際に、映像と触覚をマッチさせるのに苦労したとのことだが、それが最大の見どころになっているという。

 TOHOシネマズの営業本部 マーケティング部 マーケティング室の中嶋博明氏によれば、「日比谷のオープニングイベント限定の上映であり、今後は未検討」とのこと。

左から、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの堀内啓氏、ソニー ブランドデザインプラットフォームの大原弘嗣氏、TOHOシネマズの中嶋博明氏

 なお、同作品は3月30日よりMX4D/4DXでも先行上映。4月6日からはTOHOシネマズ日比谷を含め全国で公開される。4DXやMX4Dなどと組み合わせて上映できるかといったことは現時点では未定としている。今後すぐに上映に導入されるかは未知数だが、他の作品やスクリーンにも技術的には応用可能とのことなので、4DXやMX4Dなどに加えた、新たな体感上映の一つになると、作品の楽しみ方がもっと多様化しそうだ。

「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」あらすじ

学校で居残りをさせられていた高校生4人は「ジュマンジ」という名のソフトが入った古いテレビゲーム機を発見。プレイするキャラクターを選んだ途端、4人はなぜかゲームの中に吸い込まれてしまった! そして、現実の自分とは身体も性格も性別までも違うキャラに入れ替わる。

気弱でやせっぽっちなゲームオタク男子は、ムキムキつるつるで勇敢な冒険家に。自撮り大好きインスタ美少女は、まさかのヒゲもじゃ中年デブという衝撃的な姿に。しかも、そこはジャングル! カバ、ジャガー、ゾウ、ヘビ、サイ、サイ、サイ、サイ、サ~イ! 現実世界に生きて帰りたければ、もはや、難攻不落のステージを各自のスキルを使ってクリアするしか道はない!

ライフは3回。使い切ったらゲームオーバー……。果たして彼らは、“ゲームクリア”して現実世界に戻ることができるのか~!?

「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」予告編