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「TOHOシネマズ日比谷」独自の映像&音響と上質な空間とは? 29日開業前に体験
2018年3月27日 18:14
TOHOシネマズが東京・有楽町に3月29日開業する都内最大級のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ日比谷」。オープン前に、その新たな空間を体験してきた。
場所は、同じく3月29日開業予定の「東京ミッドタウン日比谷」の4Fと5Fに1~11スクリーン/約2,200席と、従来のスカラ座・みゆき座を改装した12、13スクリーンを一体運営。合計13スクリーン/約2,800席のシネマコンプレックスとして展開する。“これまでの劇場にはない極上の空間”を目指し、日比谷公園を一望できる開放的なロビーなどで「都会の喧騒から離れた“ムービーパレス”」とする。
文化と芸術の中心地で、最新技術の映像&音響とリッチな空間
支配人の福井嘉輝氏は、「日比谷は興行界の本丸であり、文化、芸術の中心。東宝にとっても創業の地である最重要な場所。2月に閉館したTOHOシネマズ日劇を継承し、映画館としてのスペックだけでなく全体で満足いただける場所を目指す」と説明。各スクリーンの特徴について大きく3つのポイント「画面の大きさ」、「音響」、「シート」を挙げる。
同規模の劇場より画面サイズを約120%拡大し、「マッコウクジラが入るサイズ」を謳う独自の巨大スクリーン「TCX(TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREEN)」をスクリーン1(459席)と5(397席)に用意。映像が壁の端まで覆う迫力ある映画鑑賞が楽しめるという。また、3Dにも適したパールスクリーンも導入。さらに、画面の周辺部も歪まず高画質に表示できる新技術なども採用したという。
“プレミアムシアター”と位置付けるメインのスクリーン1は劇場内で最大の席数を備え、商業映画館では日本初となる「カスタムオーダーメイドスピーカー」を採用しているのも特徴。既存の劇場用スピーカーをそのまま使うのではなく、巨大なスクリーンに最適化した音域や音圧などの音響設計を行なったのが大きな違い。ハイパワー/ハイレスポンスなスピーカー使用し、音が最も良く聴こえるスイートスポットが中心の座席だけではなく、より全体で高音質を体感できるという。
この音響設計は、映画作品だけでなく、ライブビューイングや、舞台挨拶などでの利用も想定。低域の迫力だけでなく人の声もより聴こえやすくするように調整され、様々な劇場の利用シーンに対応できる音響にしたという。
そのほか、最前列のシートを通常より高い場所に配置しているのもポイント。前列に座ってもスクリーンを見上げず自然な視線で楽しめるようにしたもので、舞台挨拶などの際も登壇者と目が合う場所に座れるという利点がある。また、前列から後列の席の高低差は11mあり、適度な傾斜を設けて、前席の人の頭とスクリーンが重ならないよう考慮した。
このスクリーン1には中央部に10席の「プレミア ラグジュアリーシート」も導入。好みに合わせて背もたれがリクライニングするもので、電動ではなく背中に体重をかける形で、好みに合わせた角度を決めやすくなっている。通常料金プラス3,000円で利用できる“ファーストクラス”の席と位置付けている。実際に座ってみると、包み込まれるように体全体にフィット。座った瞬間にリラックスでき、しばらく立ち上がりたくなくなるほどの気持ち良さだった。
“ビジネスクラス”とする「プレミア ボックスシート」は1、5、9スクリーンに採用。同シートは六本木ヒルズなど既存の劇場でも採用されているが、既存の席から改良。このシートは没入感を高めるため隣の席との間に仕切りが設けられているが、カップルなど複数で利用するときも完全に隣と分けないよう仕切りを最適なサイズに調整したという。座席数は限定だが、通常料金プラス1,000円で指定できる。
スクリーン4はIMAXデジタルシアターで341席。IMAX 3Dにも対応する。音響面でも没入感を体感できる「イマーシブサウンド」仕様。341席を備える。
TCX採用のスクリーン5は、立体音響のDolby Atmos(ドルビーアトモス)も採用。他のDolby Atmos劇場ではスピーカーを緑色のライトで装飾するデザインが採用されているが、日比谷では緑ではなく、高級感のある“シャンパンゴールド”のライトを採用。目立ち過ぎない柔らかな光で落ち着いた印象があり、劇場の内装とも違和感なくマッチしている。
そのほかにも、JBLの新たな音響システム「スカルプト サウンドシステム」を日本で初めて導入。スクリーン6(100席)と9(259席)に採用されている。独自のスピーカーと設置方法によりサウンドのスイートスポットを拡張するもので、鑑賞時にスピーカーの位置を意識させず、より自然に音に包まれる体験ができるのが特徴。後部側にも大型のスピーカーを配置している。スクリーン7と8には、クリスティが開発したVIVE(ヴィヴ)オーディオを採用する。
日比谷ならではの要素は映画以外にも
この劇場ならではのもう一つのポイントが、広々としたロビー。大きな窓から外の景色が180度以上の範囲に渡って眺めることができる。眼下には日比谷公園を見渡せて、夜はライトアップも楽しめる。
飲食にも銀座・有楽町ならではのラグジュアリーなメニューを用意。高級チョコレートで知られるゴディバ(GODIVA)のアイスクリーム(カカオバニラ、ミルクチョコレートチップ、ストロベリーチョコレートチップ各550円)を販売。また、ビールは、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」(850円)が飲める。さらに、ワイン「登美の丘」(赤・白各950円)が楽しめる。
そのほかにもユニークな試みとして、アパレルブランドのラコステ(LACOSTE)とコラボし、スタッフの夏服にオリジナルのデザインを採用。これは、1933年に日比谷で当時の日本劇場(2月に閉館したTOHOシネマズ日劇)がオープンしたのと同じ年に、ラコステがフランスで創業したことにちなんで決まったという。
29日のオープンからは、日比谷先行上映作品として、メイクアップアーティスト辻一弘氏がアカデミー賞を受賞したことでも話題の、ゲイリー・オールドマン主演「ウィンストン・チャーチル」や、リュック・ベッソン監督「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」などをはじめ、「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」、「Kalafina 10th Anniversary Film~夢が紡ぐ輝きのハーモニー」、「レッド・スパロー」、「トレイン・ミッション」の6作品をラインナップ。その他にも「リメンバー・ミー」や「ボス・ベイビー」、「シェイプ・オブ・ウォーター」などの話題作を用意する。
4月6日からは、「クソ野郎と美しき世界」や「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジングル」、「娼年」などを公開する。
オープンを記念し、シネマイレージカードに数量限定のゴールド仕様も用意。新規会員だけでなく、既存会員の更新(有料)もできる。