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DJIとMicrosoftがドローン活用で提携。Windowsアプリで飛行管理、AIや機械学習も

 DJIは8日、米Microsoftとの間で、ドローンの企業向け活用に関する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。WindowsとAzure IoT Edge向けの新たなソフトウェア開発キット(SDK)により、ドローン向けのリアルタイムAIやマシンラーニングを実現し、ビジネスに活用していくという。

DJIとMicrosoftがドローン活用で協力

 今回のパートナーシップを受け、DJIはWindows向けにSDKをリリース。Windows 10 PCアプリを使用することで、DJIのドローンの飛行管理やリアルタイムデータ伝送機能の搭載などのカスタマイズや制御が可能になり、「世界中のおよそ7億人のWindows 10ユーザーがドローンのテクノロジーを活用できる」としている。

 DJIのWindows向けSDKのベータプレビューは、Microsoft Buildカンファレンスに参加中の開発者を対象に同日より提供開始。それ以外の開発者には、2018年秋頃の提供を予定している。

 DJIは、MicrosoftのクラウドサービスAzureを導入。AzureのAI技術とマシンラーニング性能を活用し、膨大な数の空撮写真や動画データを実用的なインサイトへ変換。世界中の様々なビジネスに提供するという。

 新SDKにより、開発者はWindowsのネイティブアプリを構築可能。自律飛行やリアルタイムのデータ配信を含むDJIドローンの遠隔操作を実現する。Windowsの開発者コミュニティは、SDKを使ってマルチスペクトルセンサーやカスタムアクチュエータのようなロボット構成部品などのサードパーティ製ペイロードの統合と管理が行なえ、企業によるドローン活用方法も増えるという。

 その他にも、MicrosoftとDJIは農業、建設、公共安全などの主要分野でAzure IoT EdgeとAIを活用したドローンソリューションの開発において連携。開発者は、AzureのクラウドとDJIのドローン、AIソリューションを構築するIoTツールセットを使用し、現場でリアルタイムにドローンに展開できるようになるという。これにより、1カ所の現場から入手した調査結果やデータを素早く活用し、組織全体へ迅速に適用できる。

 両社はMicrosoftのFarmBeatsソリューションを使用し、精密農業の先進技術において既に協力している。DJIドローンを使用し、センサーで感知した熱や光、蒸気を可視化したデータを農作物や土壌、家畜の栽培、飼育に活用。Azure IoT Edgeにリアルタイムなヒートマップを作成し、種の発芽に土壌の状態が最適になったかどうかなどが分かるという。