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漆黒の戦闘スーツにはHDRが似合う、「ブラックパンサー」UHD BDをDolby Visionで堪能

 ウォルト・ディズニー・ジャパンから7月4日に4K Ultra HD Blu-ray化される「ブラックパンサー」。UHD BDは、映像をDolby VisionのHDRで、音声をDolby Atmosで収録している。発売に先駆け、そのクオリティをチェックした。

(C)2018 MARVEL

昼は国王、夜は漆黒の戦闘スーツで戦う“ブラックパンサー”

 マーベルコミックを原作とした映画「ブラックパンサー」の舞台は、アフリカの秘境にありながら、最新テクノロジーをもつ“超文明国ワカンダ”。そこには、世界を変えてしまうほどのパワーを持つ鉱石「ヴィブラニウム」が存在する。

 主人公は、突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラ。この国の“秘密”を守る使命を背負った彼は、ヴィブラニウムが悪の手に奪われないように、“秘密”を狙う敵に立ち向かう。

 昼は若き国王、夜は漆黒の戦闘スーツをまとって戦う“ブラックパンサー”として。ティ・チャラは、祖国を……そして世界を守ることができるのか!?

 北米の興行収入は「タイタニック」を上回り、歴代第3位にランクイン。続編の製作も決定している。監督はライアン・クーグラー。

 7月4日発売のソフトは、BD版「ブラックパンサー MovieNEX」(4,000円)と、UHD BD/BDの「ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX」(7,800円)の2種類。

ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX
(C)2018 MARVEL

 これとは別に、漫画家・小宮山優作による書き下ろしカバーの限定コミックブックや、BOX限定のブラックパンサー・フィギュア(コスベイビー)、限定ポストカードセットなどをセットにした、UHD BD版「ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX プレミアムBOX」も14,000円で発売される。

ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX プレミアムBOX
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Dolby Visionの利点

 UHD BD版の本編ディスクは、映像をHDRのDolby Visionで、音声はDolby Atmosで収録する。

 ブラウン管テレビのSDR時代は最大輝度100nitsがメインだったが、HDRではさらなる明るさを表現できる。Dolby Visionでは、明るさを最大10,000nitsまで規定。暗さ0.005nits~明るさ10,000nitsまでと、輝度幅を大幅に拡大している。これにより、まばゆい光と影が同居するようなシーンで、より現実世界に近い表現が可能になる。

 またDolby Visionでは、広大なダイナミックレンジ内のデータ量を、現実的なサイズに収めるために、PQカーブ(Perceptual Quantizer Curve)という、人間の視覚特性に沿ったガンマカーブを開発・採用。このPQカーブを用いてハイダイナミックレンジ映像を変換することで、12bit内に収め、よりより豊かな階調や色彩の表現を可能にしている。

 また、メタデータを使い、シーンに合わせて輝度を動的に設定できるのもDolby Visionの特徴。HDR10では、タイトルごとに「最大輝度1,000nit」等の静的なメタデータを持ち、そこからシーン毎の輝度を相対値で決めていくが、Dolby Visionでは、シーン毎に輝度情報などのメタデータを持ち、より細かな制御を行なう場合にはフレームごとでもメタデータを持てる。

 そのデータをLEDバックライト制御などに活かして、シーン毎に、正確かつ効率的にダイナミックレンジを高められるのがミソだ。

LGの55型有機ELテレビ「OLED55E6P」

 その効果を体感すべく、Dolby Visionに対応したLGの55型有機ELテレビ「OLED55E6P」と、同じくLGのUHD BDプレーヤー「UP970」を使用。「OLED55E6P」の表示モードは「ムービーダーク」を選択した。

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 広大な滝を舞台に、王を決める伝統の決闘が行なわれるシーン。水しぶきの白さ、集結した部族達が身につけている指輪や甲冑が日光を反射する鋭い光に、Dolby VisionのHDR表現の利点を感じる。金属がより金属らしい質感に見え、映像のリアリティが増す。

 BT.2020によってUHD BDでは色域が広がっているが、部族が身に纏っている赤や青の鮮やかな民族衣装も発色が鮮やかで生々しい。暗部の階調も良いため、布の質感もよくわかり、いかにも衣装という“作りものっぽさ”は感じられない。

 肌の階調も豊かだ。光が強くあたり少し赤く見える部分から、小麦色の部分、影になった暗い部分への変化がなめらかで、人物に立体感がある。死後の世界(?)で、ティ・チャラが父親と会話するシーンでは、オーロラが広がる幻想的な夜空をバックに、2人が会話するが、暗さの中にも微妙な明るさの違いがあり、それがしっかりとわかる。首の部分で、肌はより暗くなるが、真っ黒なヒゲとの違いは明瞭にわかる。

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 違法カジノに潜入してから、夜の韓国・釜山(プサン)を舞台にカーチェイスするシーンは、まさにHDR向けだ。街のネオンの看板が、黒いクルマに反射し、ヌメヌメと妖しく光る。光は鋭く強いが、黒いクルマやアスファルトの影は浮かず、けれど闇の中のアスファルトの細かな凹凸などはハッキリ見える。

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 カジノ内も薄暗いが、ティ・チャラが着ている黒いシーツが、実は微妙に緑がかっているところや、刺繍の細かさ、糸にわずかに反射する光で伝わる質感が、4K/HDRで鑑賞すると触れそうなほどリアルだ。続くアクションシーンでは、薄暗い照明の中でも、舞う赤いドレスの発色が豊かで、シワの影の部分とのグラデーションも見事だ。

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 終盤では戦闘スーツをまとって“ブラックパンサー同士”のバトルが展開するが、これも互いに黒いスーツで、舞台は地下の暗い空間。そこに、鋭い光を発する列車が猛スピードで横切る。まさにHDRと4K有機ELテレビのためにあるようなシーンで、スーツに反射する光沢、その下にある筋肉の凹凸といった細かな情報が、列車が放つ眩しいほどの光の中でもよくわかる。

(C)2018 MARVEL
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 強い直射日光が当たる昼間の屋外と、暗い夜や地下のシーンが交互に展開するような作品だが、HDR10の映像とも比較すると、Dolby Visionの利点もよくわかる。Dolby Visionでは舞台が暗い場合、しっかりと全体が暗く、その中で光の部分は鋭く明るい。全体が明るい方向に引っ張られない。日中の屋外も、やたらと明るくなりすぎて黒が浮いたりはせず、落ち着いた表現の中にもHDRらしい鋭い光や、つぶれそうでつぶれない暗部の豊かさなどが感じられる。

 派手なギラギラした映像とは方向性が違うので、“地味というか落ち着いた絵”と言う事もできるのだが、じっくりと見ると、その中にHDR表現が上手く使われており、より肉眼で見た自然の風景と近いリアルさがある。

 Dolby Atmosのサウンドも高音質だ。アフリカの民族音楽風のBGMが多い作品だが、太鼓のリズムのキレが良く、アクションシーンのドキドキを盛り上げてくれる。サウンドデザインで特徴的なのは、展開するBGMがスクリーン(テレビ)方向ではなく、リスナーを取り囲むサラウンド方向に寄せている事。音楽に包まれながら、セリフや効果音は前から飛んで来る。Dolbyによれば、従来の映画はBGMもスクリーン側をメインに展開する事が多かったが、最近では中央方向へとシフトして、スクリーン側のセリフや効果音をより自由度高く配置するサラウンドデザインの作品が増加。Dolby Atmosなどのオブジェクトオーディオが広まった事で、こうした変化が起きているという。

7月4日(水)発売
『ブラックパンサー MovieNEX』/4,000円+税
『ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX』/7,800円+税
『ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX プレミアム BOX(数量限定)』/14,000円+税
6月6日(水) 先行デジタル配信開始
(C)2018 MARVEL

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