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男女4人の新ボイス搭載「VOCALOID5」。UIや制作フロー刷新、VST/AU連携
2018年7月12日 15:10
ヤマハは、歌声合成ソフト「VOCALOID(ボーカロイド)」の最新バージョン「VOCALOID5」を12日に発売した。価格は、従来の歌声ライブラリに相当する「ボイスバンク」を4つ同梱する「STANDARD」が25,000円、8つの「PREMIUM」が40,000円。いずれもダウンロード専用で、対応OSはWindows 7/8.1/10の64bit版と、Mac OS X 10.11、macOS 10.12〜10.13。
既存のユーザー向けに、VOCALOID5 STANDARDバージョンアップグレード版を15,000円、PREMIUMアップグレード版を24,000円で発売。対象ソフトは「VOCALOID3 Editor (SE)」、「VOCALOID4 Editor」、「VOCALOID Editor for Cubase (NEO)」「VOCALOID4 Editor for Cubase」。
日英の新ボイス搭載、UIや製作フロー刷新。VST/AU対応
4年ぶりとなる新バージョン「VOCALOID5」では、「これ一本でバーチャルボーカル制作のトータルソリューションを提供する」をコンセプトに、UIや制作フローの大幅な刷新、機能強化を行なった。
バーチャルシンガーとして、日本語と英語の男女ボイスバンク4つを新たに用意し、STANDARDに同梱。このボイスバンクは実際の人間の声をもとに生成された声のデータベースで、各ボイスの特徴は下記の通り。歌声品質が向上し、声の張りや息の量の微細な調節も可能としている。
・Kaori(カオリ):ソウルフルな歌声の日本語女性ボイスバンク。 伸びのある歌声でパワフルなジャンルに最適
・Ken(ケン):シャープで透き通った日本語男性ボイスバンク。 軽やかな歌声でJ-POPを歌いこなす
・Amy(エイミー):ドライブした現代的歌声の英語女性ボイスバンク。 ナチュラルな発音と多様な声色で、 R&BからPopsにマッチ
・Chris(クリス):R&B英語男性ボイスバンク。 低域からハイトーン・ボイスまで広い音域を歌いこなす
PREMIUMではさらに、既存の歌声ライブラリと同じ名称のボイスバンク(VY1、VY2、CYBER DIVA II、CYBER SONGMAN II)を加えた計8つを同梱する。なお、VOCALOID3/4の歌声ライブラリはVOCALOID5のボイスバンクとして使用可能。
あらかじめ歌詞が入った調声済みのフレーズやオーディオを2,000以上収録。試聴して気に入ったものを選んで貼り付けていくだけで、歌声制作が行える新たな制作フローを導入した。なお、従来の歌詞やメロディーを最初から入力していく方式や、歌唱表現のパラメーターを細かく調整する方式も選択可能で、好みの制作スタイルで歌声制作が行なえる。
歌い方のスタイルを選んで、意図した歌い方や声色を自動的に調整する「スタイル機能」を搭載。メインボーカル風やコーラス風、ロボット風など、100種類以上のスタイルから選ぶだけで、好みの歌い方や声色に一発変換できる。
歌唱表現の調整が簡単になる機能も搭載。「アタック&リリースエフェクト」では、自力での調整が難しいビブラートなどの歌唱表現を、アイコンを選ぶだけで反映できる。「エモーションツール」では、 歌い方の抑揚やスピード、音素の長さなどを波形を見ながら、マウス操作で調整できる。
新しいコントロールパラメーターとして、声の張り具合を調整する「Exciter」、発音に混ぜる息の量を調整する「Air」、発音に混ぜる息の量と母音の音色を調節する「Breathiness」の3つを追加。合計13種類のパラメーターで、よりリアルな自分好みの歌声に仕上げられるようにした。ボーカルトラックの作り込みができる11種類のオーディオエフェクトも搭載する。
音楽制作ソフトとの連携する「VST」「AU」に対応。MIDIキーボードによるリアルタイムレコーディングにも対応するなど、制作効率を高めたという。
SteinbergのDAWソフト「Cubase」にVOCALOIDの機能を組み込める「VOCALOID4.5 Editor for Cubase」が付属。今までのVOCALOID4 Editor for CubaseのGUIや操作性はそのまま、VOCALOID5のボイスバンクが使える。