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5G活用のエンタメ提案。KDDIが12K VR観光ツアー、ドコモは8K VRライブ配信
2018年10月16日 07:30
KDDIは、10月16日から幕張メッセで開幕するCEATEC JAPAN 2018において、ゴーグルを使わずにVR体験できるライド型VRや、「12K 360度画像によるVR観光ツアー」など、5G活用を想定したAR/VR体験展示を行なっている。
KDDI
ライド型VRは、半球体スクリーン「Sphere 5.2」でSUPER GTの車内に取り付けたカメラやドローンなどで捉えた映像を、VRゴーグルを使わずにVR体験できるようにしたもので、非日常体験ができる新たなエンタメとして提案している。
ほかにも、XRグラスを用いたバーチャル野球体験や、肉食恐竜と戦って宝を手に入れるシューティングゲームなど、KDDIのAR/VR技術を駆使した体験型展示が集結。
2020年の5G通信環境の実現に合わせ、高速、大容量、低遅延、同時接続が可能といった5Gの特徴を活かした、臨場感あるエンターテイメントの提供を目指す。
バーチャル観光案内所では、「5Gで地方活性化」を謳い、AR/VRを活用した取り組みを紹介。ここでは「12K 360度画像によるVR観光ツアー」で、長野・飯田市の観光名所案内をVR体験できる。
従来のモバイル型VR端末では再生が難しかった12Kの360度画像を、世界で初めて、複数台のGear VRに配信して複数人で同時視聴できるようにした。観光案内や不動産の物件内覧、施設見学などへの導入を見込む。
ARインフォメーションカウンターでは、バーチャルガイド「レナ」がタブレット端末の画面を通して登場。床に貼られたマーカーを活用し、決められたコースを歩きながらブース内の展示を案内してくれる。日本語を含む4カ国の言語に対応し、海外からの来場者にも対応できるという。
NTTドコモ/NTT
NTTドコモはNTTのブース内で、5G環境に向けて設計した「8K VRライブ配信・視聴システム」を紹介。スポーツやコンサートの配信を想定している。
これまでのVRライブ配信で課題だった解像度の改善に取り組み、FPGAを用いた8K映像処理を行なうことで、8K/30fpsのリアルタイム配信を実現する。
魚眼レンズを取り付けた4Kカメラ5台で映像を撮影し、FPGAを組み込んだリアルタイムスティッチング装置で作成した360度8K映像(エクイレクタングラー形式)をH.264エンコーダーで圧縮して伝送。パノラマ超エンジンエンコーダーで複数方向タイルを生成し、VRゴーグル内の視聴領域のみを2Kで再生してVR映像の解像感を上げる。
HTC VIVEを用いて、2種類の8K VR映像体験ができる。ひとつは、バレーボールの試合を撮影したVR映像、もうひとつはブース内に設営された4Kカメラ×5によるリアルタイムVR映像となる。ブース内には5G通信環境は無く、カメラとシステム、VRヘッドセットは有線接続だが、将来は8K VRライブ配信を5G通信(必要スループット80Mbps)で伝送し、臨場感あるエンターテイメントとして提供することを目指す。
NTTのブースでは、「360度テーブルトップ型裸眼3D映像表示技術」が見られる。テーブル形の円形スクリーンに浮かぶ立体映像を、3Dメガネなどを装着せずに裸眼で、360度好きな方向から見られるというもの。東北大学大学院光学研究科の技術協力を得ている。
スクリーン上に複数台のプロジェクターを用いたプロジェクタアレイが設置され、円形の特殊な集光系スクリーンに3D映像が表示される。3Dメガネなどの装着が要らないため、3D映像を見ながら複数人で自然なコミュニケーションができる。また、NTT独自の視覚の知覚メカニズムを活用することで、プロジェクターの数を従来よりも1/4〜1/10に減らせるとする。
遠隔地で行なわれているスポーツや伝統芸能などを見たり、博物館や美術館のデジタル展示、工業デザインや手術シミュレーションといった3Dコンテンツに対する複数人の協調作業での活用を見込む。