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今週末は「秋のヘッドフォン祭」。竹ヘッドフォンやセガサターン音楽プレーヤーなど

東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2018」が、10月27日(土)と28日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催される。入場は無料。

 各社がこのイベントに合わせて新製品を発表しており、会場ではそれらが体験できる。また、イベントでの新製品発表も予定されている。ここではそうした新製品情報の中から、特に注目のものをピックアップする。

ミックスウェーブ

Campfire Audio「SOLARIS」

Campfire Audioの新製品として、イヤフォンの「SOLARIS」を展示する。日本での発売時期や価格は未定。筐体の素材に、Gold PVD Face、Gunmetal PVD Body、Stainless Steel Spoutを組み合わせているのが特徴。

ハイブリッド構成で、ドライバ数は5基。ケーブルは純銅銀メッキの「New Super Litz cable with 4 silver plated copper」を使っている。

Campfire Audio「ANDROMEDA S」

10月26日に、国内400台限定で発売を開始した、Campfire Audioの「ANDROMEDA S」も出展。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は129,300円前後。

5BAイヤフォン「ANDROMEDA」('16年発売)の筐体に“ジュエリーのように輝く”特注のステンレススチールを採用した限定モデル。3ウェイ5基のバランスド・アーマチュア(BA)ユニットを搭載、構成は低域×2、中域×1、高域×2。ANDROMEDAと同じ音ではなく、中域や低域をさらにチューニングしている。

音導管を使用しないチューブレス方式の音響設計技術「T.A.E.C(Tuned Acoustic Expansion Chamber)」も採用。周波数特性は10Hz~28kHz、感度は112.8dB、インピーダンスは12.8Ω。MMCX端子を備え、ケーブル交換に対応。端子はベリリウム銅で加工して強度を増している。銀メッキ銅製で長さ約120cmの「Litz Wire Earphone Cable」を同梱する。

Campfire Audio「EQUINOX」

Campfire Audioからは「EQUINOX」という製品も用意。イベント限定商品(不定期)で、価格は174,074円。筐体にステンレススチールとアクリルを使用。ドライバーは、ADLC 10mmのダイナミック型でシングル。ケーブルは「Pure Silver Litz Cable(銀)。

FAudio「Major」

香港FAudioからは、26日に発売を開始したダイナミック型イヤフォン「Major(メジャー)」を出展。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は132,500円。ダイナミック型イヤフォンのフラッグシップ機で、独自開発の10.5mm径ダブルレイヤー構造のダイナミック型ドライバーを採用。メディカルファイバー素材の振動版と、チタニウム素材の振動版を張り合わせ、高剛性・高減衰性・軽量性を両立したという。

3つのアコースティックチャンバー(空気室)を搭載。イヤフォン筐体内の空気の流れをコントロールしている。筐体には、堅牢な6061-T6アルミニウム合金を使用。アルミブロックからCNCマシンで削り出し成型することで、共振の少ないエンクロージャーに仕上げた。軍需用のクリスタル銅ケーブル(高純度銅ケーブル)を同梱する。

FAudio「Major」

qdcからは「Anole VX」というイヤフォンが登場。日本での発売時期や価格は未定。BAドライバーを10基搭載。本体にスイッチを備え、8パターンのサウンドが選べるという。

Unique Melody「MAVEN」

Unique Melodyの新製品は「MAVEN」。日本での発売時期や価格は未定。筐体はチタンで、BAドライバ×9基構成となる。

S'NEXT(final)新製品発表会

S’NEXTは、finalブランドの新イヤフォン「E1000」の発表会を、27日14~15時に開催。会場は、中野サンプラザ 7F研修室13。事前予約は不要で、当日直接入場できる。

final「E1000」

E1000は、累計16万台を出荷したfinal「Eシリーズ」のエントリーモデル。特に学生からの「Eシリーズを買いたいが高くて買えない」という意見を受け、既存のE3000/E2000やリケーブル対応のE5000/E4000の下という位置づけながら、高級ヘッドフォン「D8000」の研究開発で培った最新の音響工学と音響心理学を盛り込んだチューニングを行ない、「はじめての本格イヤホンとして手にとってもらえるよう、デザインやパッケージを含め、妥協のない製品に仕上げた」という。

発表会ではE1000以外にも、クラウドファンディングで目標金額の1,747%にあたる3,400万円以上の支援を集めたイヤフォン「MAKEシリーズ」の今後の展望、final製品の新しい購入プラン、新規取り扱いブランド「DITA」について紹介される予定。

アユート

アユートのブースでは、Astell&Kernブランドから10月20日に発売された新オーディオプレーヤー「A&ultima SP1000M」(直販価格税込299,980円)の試聴機を多数用意。最上位プレーヤー「A&ultima SP1000」のサウンドクオリティを可能な限り維持しつつ、小型軽量化によるポータビリティを強化したモデルとなる。

A&ultima SP1000M

さらに、「A&norma SR15」のコラボモデル「A&norma SR15 ウマ娘 プリティーダービー Special Edition」の外観モックアップも展示。詳細がまだ発表されてないコラボだが、ボディ背面に印刷された描き下ろしのイラストなどに注目だ。

コラボモデルとしては、Astell&Kernが開発に協力しているACTIVOブランドのプレーヤー「CT10」と、セガのゲーム機・セガサターンがコラボし、先日話題となった「CT10 セガサターン」も見逃せない。会場では外観サンプルが出展される。

「ACTIVO CT10 セガサターン」初期型グレー

Astell&Kernとbeyerdynamicのコラボヘッドフォン新製品として、第2世代のテスラテクノロジーを搭載した密閉型「AK T5p 2nd Generation」も、初公開される。世界限定1,000台と予告されている。

リングマグネット内に、1テスラ(1万ガウス)を超える強力な磁束密度を生み出し、従来のヘッドフォンの2倍以上の能率を実現するという、Beyerdynamic独自の「テスラテクノロジー」を進化させた。インピーダンスは32Ωで、スマートフォンとの組み合わせも想定。再生周波数帯域は5Hz~50kHz。音圧レベルは102dB。

「AK T5p 2nd Generation」

既報の通り、アユートは11月1日から、FenderのイヤフォンやBluetoothスピーカーの取扱を開始。それに伴い、イベントでもFenderイヤフォンの新シリーズ「Pro IEM」と、Bluetoothスピーカーの「Monterey Tweed」を出展する。

Pro IEMシリーズは、「THIRTEEN 6」、「TEN 5」、「TEN 3」、「NINE 1」、「NINE」の5モデルで構成。ダイナミックとBAのハイブリッド構成になっており、NINEのみダイナミック型をシングルで搭載。全モデルをテネシー州ナッシュビルの「FENDER AUDIO DESIGN LAB」で設計されている。

MONTEREY TWEEDは、Bluetoothスピーカー「MONTEREY」を、Fenderのギターアンプからインスパイアされたツイードデザインにしたもの。アンティークな外観で、インテリア性も高い。

THIRTEEN 6
MONTEREY TWEED

AZLAからは、現行イヤフォンの2モデル「AZLA MK2」と「HORIZON」を出展。参考出展として、HORIZON用のバランス対応のリケーブル(2.5mm、4.4mm)も展示する。

リケーブルメーカーのLuminox Audioからは、現行3シリーズ「Day for Night」、「Booster Blue 」、「Reflection」に加え、日本未発売の3シリーズも「85Filter」、「Kilowatt」、「Night for Night」も参考出展する。

ゼンハイザー

注目は、日本初披露となる左右完全分離型の「MOMENTUM True Wireless」だ。2セット参考出品する予定。

FOSTEX

FOSTEXブースの注目は、漆塗りハウジング、バイオダイナ振動板、磁束密度1.5テスラの磁気回路を採用した開放型ヘッドフォン「TH909」だ。10月中旬発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は22万円前後。

フォステクスのヘッドホン史上最も評価が高いという密閉型の「TH900mk2」をベースに開発された、開放型モデル。ハウジングには、オリジナルモデルから継承した高級材の水目桜を使い、老舗・坂本乙造商店による漆塗りボルドーカラーで仕上げている。

開放型ヘッドフォン「TH909」

また、フォスター電機はヘッドフォン祭の中で、「FOSTER Alliance Program」を発表する予定。詳細はまだ公開されていないが、スピーカーユニットやイヤフォン向けのドライバのOEM提供などで高いシェアを誇るフォスター電機が、自社開発のヘッドフォン・イヤフォン用ドライバーユニットの展示とともに、同アライアンスの説明を行なう予定。同社ドライバを使った新たなパートナープログラムの開始が見込まれる。

NOBLE AUDIO

WAGNUSでは、Noble Audioの「セミカスタムIEMシリーズ」を出展。12月より受注開始予定で、製品名、価格などは現時点では未定。10月27日12時から6階チャペルにて新製品発表会を行なう。

Noble Audio セミカスタムIEMシリーズ

ユーザーが選択したフェイスプレートと、ユニバーサルシェルを組み合わせ、中身のドライバーも全てハンドメイドで製作するという「セミカスタムIEM」。フェイスプレートの素材は、木材、特殊アクリル材、マザーオブパール、ハイブリッドオパールなどその時々にしか手に入らないプレミアム素材を予定。

ケーブルブランド「WAGNUS.」とコラボレーションし、ドライバーの内部ワイヤリング線材にはフラッグシップケーブルである「Sheepシリーズ」の線材を使用。3種類のケーブルからユーザーが選択できる。

オンキヨー&パイオニア

11月下旬発売予定の、ノイズキャンセリングワイヤレスヘッドフォン「S9 noise canceling wireless」と、ワイヤレスイヤフォン「C4wireless」を、発売に先駆けて試聴できる。

さらに、クラウドファンディングが終了した約30万円の桐ヘッドフォン「SN-1」の試聴も可能。

約30万円の桐ヘッドフォン「SN-1」

TBSテレビの音楽番組「開運音楽堂」とコラボレーションし、河内美里さんの新曲“ルーレット”ハイレゾ音源のフルバージョンの先行試聴も可能。この楽曲のために、商品企画担当が“ルーレット”専用システムを用意しているという。

トップウイングサイバーサウンドグループ + アコースティック・リバイブ

10月25日に発売されたばかり、Lotooの「PAW Gold TOUCH」を出展。独自開発のLotoo OSをタッチパネルで採用し、音質と操作性の両立を実現。DACは旭化成エレクトロニクスのAK4497を採用、768kHzまでのPCMと、22.6MHzまでのDSDネイティブ再生に対応する。サンプリングレートコンバータ(SRC)のAK4137も搭載しており、アップサンプリング変換再生も可能。オペアンプにTIのOPA1622、OPA1612、バッファアンプにLME49600を採用する。

10月27日11時15分からは、「15F リーフ」で一般入場者も参加できる発表会を開催。今後ファームアップデートで実装予定の新機能についても言及する予定。

Lotoo PAW Gold TOUCH

iFi audioからは11月発売予定のポータブルヘッドフォンアンプ「xCAN」が登場。xDSDの兄弟機となるxシリーズの最新作。アナログ中心の構成とし、入力、および出力に2.5mm4極バランスと3.5mmシングルエンドの両方を搭載。アナログ回路構成を重視・強化しつつデジタル入力はBluetooth(aptX)のみとし、スマホとの連携も可能にした。

「Pro iDSD」は、10月末日発売予定のDAC搭載ヘッドフォンアンプ。バーブラウンのDSD 49.152MHz(DSD 1024)対応クアッドコアDACを搭載し、FPGAを用いたDSD 1024リマスタリング(アップサンプリング)が可能。PCM 768kHzや、DXD、double-speed DXD(2xDXD)、MQA再生にも対応する。アナログ出力段は内蔵の真空管またはICから選べる。

iFi audio「Pro iDSD」

XIAudioの「SagraDAC」は、「DACチップでもなければFPGAでもない“第三の方式”」というR-2Rラダー式回路を使ったDAC。同回路を用いつつ、「現実的な手の届く範囲の価格と、妥協なしの音作りで仕上げたモデル」だという。

XIAudioは放送用業務機器メーカーInfomediaのプロダクト・マネージャーで、NAGRAプロフェッショナルのプロ機部門におけるアジア代表でもあったMichael Xiaoが主宰するブランド。発表会ではXiao氏も登壇する。

平面駆動型ヘッドフォンを出がけるAbyssからは、小型モデルの「Diana Phi」が登場。Acoustic Reviveからは、PC Triple-C/EXのポータブルオーディオ向けケーブルも出展される。

その他にも、参考出品としてイタリアの新進気鋭ヘッドフォンブランド・Spiritの「Twin Pulse」、「SuperLeggera」や、bluewaveの超小型ヘッドフォンアンプ「Get」なども出展予定。

デノン

10月27日13時30分から、7F 研修室7にて、発表されたばかりのBluetoothイヤフォン「AH-C820W」の発表会が開催される。クアルコムジャパンの大島勉氏と、AH-C820W設計担当の成沢真弥氏が登壇予定。発表会終了後に1時間のフリー試聴時間も設けるという。

iFi audio「Pro iDSD」

有線イヤフォンの最上位モデル「AH-C820」と同じイヤフォン部分を使い、ネックバンドのBluetoothイヤフォン化したもの。11.5mmのダイナミック型ドライバを2基、対向配置した「ダブル・エアーコンプレッション・ドライバー」方式が特徴だ。

また、ディーアンドエムホールディングスブースは13F コスモに出展。9月下旬から発売している、ハウジングに“竹”を使ったハイエンドヘッドフォン「AH-D9200」(195,000円)にも注目だ。

ハイエンドヘッドフォン「AH-D9200」

ULTRASONE

タイムロードは、独ULTRASONEの開放型ヘッドフォン「Edition 11」を、10月27日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万9,800円前後。世界で1,111セット限定での販売となる。

設計を一から見直し、軽快な装着感とナチュラルな音質を実現した、ハイエンドヘッドフォンEditionシリーズの新たな開放型モデル。「長時間のリスニングでも聴き疲れのしない、まさにホームリスニングのためのEdition」としている。

ULTRASONEの開放型ヘッドフォン「Edition 11」

LUXURY&PRECISION

サイラスは、LUXURY&PRECISION(楽彼)のポータブルプレーヤー「L4」を出展。10月27日発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10万円前後。シーラス・ロジック製DAC「CS43198」を搭載。PCMは384kHz/32bitまで(32bitはWAVのみ)、DSDは最大11.2MHzまでのネイティブ再生が可能。micro USB端子も備え、96kHz/16bit対応のUSB DACとしても利用できる。6種類のイコライザ機能や5種類のデジタルフィルタを備える。

LUXURY&PRECISION「L4」

同じく、10月27日発売のフルバランス回路採用モデル「L6」や、標準ジャック搭載で天然木材バックパネルなど高級感にもこだわった「LP5 Ultra」も出展予定。どちらも価格はオープンプライス。店頭予想価格は、L6が20万円前後。LP5 Ultraが27万円前後。

L6は、日本未発売で限定生産のフラッグシップモデル「LP5 LTD199」の音響回路を利用し、より使いやすい形にしたというプレーヤー。MIL規格準拠のコンデンサやクリスタルオシレータを採用し、音質を高めたほか、デジタル部に黄銅(真鍮)メッキカバーを採用したことでノイズを抑制しているという。

LP5 Ultraは、LP5 LTD199のマスプロダクションモデルで、出力として6.3mmのステレオ標準(アンバランス)と、3.5mmミニのライン出力、RCAの同軸デジタルを各1系統を搭載。天然木材のバックパネルと金メッキに黄銅(真鍮)のボディで高級感を高めている。

ラトック

ラトックシステムのブースでは、ネットワークオーディトランスポート「RAL-NWT01」をベースに、「純粋に音楽を楽しむ」ことを目的に再設計したというネットワークDAC(仮称)「RAL-NWT02」を出展する予定。

リッピングケースの上位モデル「RAL-EC5U3P」や、 オーディオ用、 高品質電源「RAL-PS0512P」も展示する。