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COWON最上位プレーヤー、軽いfinal平面駆動ヘッドフォン。青い真空管アンプ

10月27日~28日に東京・中野サンプラザで開催されている「秋のヘッドフォン祭 2018」から、COWONの新ハイレゾポータブルプレーヤーや、final、SHANLINGのイヤフォンなどを紹介する。

「秋のヘッドフォン祭 2018」会場の中野サンプラザ

COWON最上位、4.4mmバランス搭載プレーヤー披露

COWON(PLENUE)ブースでは、ポータブルプレーヤーのフラッグシップモデル「PLENUE L」が国内初披露。DACはES9038PROを搭載。最短で年内発売になるという。価格は未定だが、25万円前後で検討中。

COWON「PLENUE L」

ステレオミニのアンバランスに加え4.4mmバランス端子を備え、バランス時に高出力できる点も特徴としている。内蔵メモリは256GBで、microSDカードで拡張も可能。上部にある2つのノブは、片方がボリューム、もう片方がエフェクトの切り替えに利用できる。筐体はメタル製。

4.4mmバランスヘッドフォン端子を備える

finalは「E1000」や新たな平面駆動ヘッドフォン。DITAイヤフォンも

finalは、既報の通り実売2,480円という低価格なイヤフォン「E1000」をヘッドフォン祭に合わせて発表。中高生から「Eシリーズを買いたいけど高くて買えない」との声があったことに応え、上位モデルの技術を継承しつつ、筐体をABS樹脂にすることなどで低コスト化した。詳細は別記事で掲載している。

E1000

発表会では、平面駆動ヘッドフォンの今後の新製品として「D6000」というモデルを予告。34mmのユニットを使い、マグネットが片面で軽いのが特徴。次のヘッドフォン祭で発表予定で、価格は10~12万円を予定。そのほか、詳細は非公開ながら「E8000」という新イヤフォンも予告された。

新たな平面駆動ヘッドフォンD6000の登場を予告

また、11月から取り扱うDITAのイヤフォン新製品として「PROJECT 71」を披露した。筐体に真鍮とマカッサルエボニー(黒檀)を使用し、それぞれの長所を持つ点を特徴としている。日本の職人が手作りで製作したパーツを使用し、300台限定となる。

DITA「PROJECT 71」

音茶楽の楓材イヤフォンが新ユニットと漆で進化

音茶楽は、「Flat4-楓III」、「Flat4-緋楓III」の試作機を展示。楓材を使った既存モデルFlat4-楓弐型(標準外耳道長)や、Flat4-緋楓弐型(長めの外耳道長)をベースに、自然な響きを実現するという技術を新たに搭載したのが特徴。

「Flat4-楓III」

楓無垢材を削り出した漆塗りキャビネットで心地よい響きを追求。筐体内の響きを整えるために楓材の内側部分に溝加工を施している。

Flat4-緋楓III

ユニットも新開発で、対向配置する2つのエレメントには新素材の振動板を採用。自然な音で超高域を再生できるという。黒漆塗りの位相補正チューブ(楓IIIは28mm、緋楓は30mm)により、高域のピークを抑制。漆塗りのプロテクターにより、不要な共振も抑制している。

会場でFlat4-楓/緋楓IIIの試聴を行なっており、投票でユーザーの意見を求めながら、2019年早めをメドに製品化するという。

漆を各パーツに施している

SHANLINGハイレゾイヤフォン、Whizzerハイブリッド型

超小型のハイレゾプレーヤー「M0」(オープンプライス/実売15,800円前後/税込)が人気のSHANLING新製品として、イヤフォン「ME100」が参考展示。ドライバーに複合材を使用し、ダブルマグネットで駆動。キャビティも2つ備え、各帯域において高い分解能を実現したという。ブースは伊藤屋国際。

SHANLING「ME100」

筐体はアルミ合金削り出し。ケーブルはMMCXで着脱でき、付属ケーブルは8芯OFCを使用。再生周波数帯域は20Hz~40kHzをカバーし、ハイレゾロゴも取得。4種類の付属イヤーピースで音質調整もできる。価格は18,000円~20,000円前後で、年内の発売を見込む。

イヤーピースで音質カスタマイズも可能

Whizzerブランドのイヤフォン「Kylin A-HE3」も発売予定。バランスド・アーマチュア2基とダイナミック1基のハイブリッドドライバーで、筐体はアルミマグネシウム合金。ケーブルは2ピンで着脱でき、付属ケーブルは銀コートOFCとOFCのハイブリッド構成。価格は18,000円~20,000円前後を予定。

Kylin A-HE3

NOBUNAGA Labsは銀メッキMMCXリケーブルなど

WiseTechブースでは、NOBUNAGA Labsの新たなイヤフォンケーブルを参考展示。新たな試みとして、入力端子とMMCX端子の両方に銀メッキを施した3モデルを披露した。「Silver Connecter」シリーズとして展開し、既存モデルをベースに「友禅Silver」、「鬼丸改Silver」、「村正Silver」の3製品を用意。高い電気伝導率を持つ銀の使用で、各モデルの解像度をさらに高めたという。

NOBUNAGA Labs「Silver Connecter」シリーズ

また、カスタムイヤフォンの2ピン端子で、高純度無酸素銅(OFC)採用のリケーブル「LORE」(2.5mm 4極バランス)、「SIENNA」(ステレオミニ)、「WEDGWOOD」(4.4mm 5極バランス)を用意する。独自技術Symmetric Braid Matrix採用により高い伝送能力を持つ。

高純度無酸素銅(OFC)採用の2ピン端子ケーブル

SOUND WARRIORは真空管据え置きアンプ

城下工業のSOUND WARRIORで参考展示されたのは、据え置き型の真空管プリメインアンプ。かつての同社モデルSW-T10をベースにしているが、本体デザインを大きく変更し、リビングにも置ける製品を目指している。デザインは、かつてソニーの国内外向け製品を手掛けた天沼昭彦氏。展示機に装着されていたブルーのカバーは交換も可能。

青いカバーが目を引くSOUND WARRIORの真空管アンプ試作機
端子部

また、これまでのイベントでも展示されてきたSWD Desktop-Audioシリーズ向け電源「SWD-PS10(仮)」が製品化に近づき、2019年初春の発売を予定していることも紹介。

SWD-PS10(仮)
ソニーブースでは、10月6日に発売された70mm径ユニット搭載ヘッドフォン「MDR-Z7M2」(実売75,000円前後/写真右)などが聴ける。なお、Signatureシリーズのオーディオプレーヤー「DMP-Z1」は今回は展示されていない
JVCケンウッドブースの注目は、ビクター(Victor)ブランドのウッド振動板搭載イヤフォン「HA-FW10000」。振動の減衰特性が高いカバ材から独自の薄膜加工技術により削り出した50μmウッドドームを、カーボンコーティングしたPET振動板と組み合わせている試聴に長い列ができていた