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Twitter使いアイドルCDや音楽番組DVDなど海賊版販売、JASRACが初告訴

日本音楽著作権協会(JASRAC)は、Twitter上でテレビの音楽番組を録画したDVD-Rや、市販CDのコピーを販売・告知していた大阪と三重の2つの事件について、著作権法違反の疑いでそれぞれ告訴した。Twitterを利用した海賊版販売に対するJASRACの告訴は今回が初めて。

告訴した2件のうちひとつは、大阪市の41歳男性がスペースシャワーTVやフジテレビNEXTなどの有料衛星放送の音楽番組を録画し、DVD-Rにコピーして販売していたもの。大阪区検察庁が'18年12月20日、著作権法違反の疑い(頒布目的所持)で起訴した。

もうひとつは三重・桑名市の42歳女性が男性アイドルグループの市販CDをコピーして販売したもの。三重県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課と桑名警察署が1月24日、著作権法違反の疑い(複製権侵害および頒布)で津地方検察庁四日市支部に送致した。

2件は別々の事件だが、JASRACでは「いずれの事件も、Twitterで『ダビングします。希望者はDM(ダイレクトメッセージ)してください。』などと呼びかけ、(海賊版の)購入者を募っていた」と説明。大阪の事件では放送局・番組名を、三重の事件ではアーティスト名・CD等のタイトルや正規品のパッケージ画像などをツイートしていたという。

これらの海賊版に、JASRACの管理楽曲が多数含まれていたことから、JASRACは著作権侵害でそれぞれ告訴。どちらも購入希望者に代金を振り込ませ、自宅のPCでDVD-Rなどにコピーして販売する手口で、海賊版の販売をそれぞれ約2年間繰り返していたとしている。

著作権法では、無断複製物であることを知って販売や配布の申し出をすることも著作権侵害と見なされる(113条1項2号)。JASRACでは「TwitterなどSNS上で販売を告知するだけでも著作権法違反になる」と呼びかけている。