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デノン、デジタルNCやフリーエッジドライバの無線ヘッドフォン「GC30」。有線も

ディーアンドエムホールディングスは、デノンブランドのヘッドフォン3機種を発売する。価格は全てオープンプライス。発売時期と店頭予想価格は、ノイズキャンセリング(NC)機能搭載でワイヤレス対応の「AH-GC30」が3月下旬で36,750円前後、NC対応で有線タイプの「AH-GC25NC」は4月下旬で27,750円前後、ワイヤレスでNC非対応の「AH-GC25W」は5月下旬で23,750円前後。いずれもホワイトとブラックを用意する。

「AH-GC30」ホワイト

AH-GC20の後継モデルであり、NC+ワイヤレス、NC+有線、ワイヤレスと、3つのラインナップに派生している。3機種とも、サイズやデザインは共通しており、ユニット口径も40mmで同じだが、上位モデルとなるNC+ワイヤレスの「AH-GC30」と、NC有線の「AH-GC25NC」は、より上位モデルである「AH-D9200/7200」などで搭載している「フリーエッジ・ドライバー」を採用している。

スピーカーのユニットと同じように、振動板外周をロールエッジで支持するフリーエッジ構造で、振幅する際に、振動板全域が均一にピストンモーションでき、低歪かつ低域の量感豊かなサウンドを実現するという。なお、GC30においては、フリーエッジ・ドライバーをNCヘッドフォンで搭載したのは初となる。フリーエッジ・ドライバーの2モデルは、再生周波数帯域5Hz~50kHz。GC25Wは5Hz~40kHz。

フリーエッジ・ドライバー
「AH-GC30」
NC対応で有線タイプの「AH-GC25NC」

振動板の素材は、カーボン/ペーパー・コンポジットで、適度な内部損失と剛性があり、色付けのないサウンドを実現したとする。振動板の前後の音圧バランスを調整し、音響特性を最適化する「アコースティックオプティマイザー」構造も採用している。

NC機能は、AH-GC20から全面的に刷新・強化。GC30、GC25NCどちらも同程度のNC機能を備えており、騒音を打ち消す逆相の音を発生させるために、新たにデジタルノイズキャンセリングを採用。より細かなフィルター設定が可能になったという。

モードは「飛行機」、「シティ」、「オフィス」を用意。周囲の状況に合わせた最適なNC効果を選択できる。ハウジングの内側、外側にそれぞれ集音マイクを備えるフィードバック&フィードフォワード方式を採用。耳元と周囲、両方の騒音から生成した逆位相の信号によって高精度にノイズを打ち消す。

右側のハウジングを2回タップすると「周囲音ミックス」機能がONになり、集音マイクで取り込んだ周囲の音を音楽にミックス。駅や空港などのアナウンスを、ヘッドフォンを装着したまま聞くことができる。

ワイヤレス接続に対応したGC30/GC25Wは、Bluetoothをサポート。デノンのヘッドフォンとしては初めてaptX HDに対応。その他にも、aptX、AAC、SBCに対応する。

ワイヤレス対応の2機種は、USB DAC機能も搭載。USBケーブルでPCなどを接続し、48kHz/16bitまでのデータを再生できる。

大容量バッテリーを搭載し、NC機能とワイヤレス機能を使用した状態で20時間の連続再生が可能。充電時間は約2時間。バッテリーが切れても付属のケーブルで有線接続が可能。

イヤーパッドには、AH-D9200などのハイエンドモデルでも使用している形状記憶フォームを採用。ストレスなく耳を包み込む装着感と気密性を実現。眼鏡をかけていても、形状記憶フォームが眼鏡のテンプル(つる)の形に合わせて変形し、こめかみへの圧力によって起こる痛みを和らげる。

イヤーパッドの表面素材には、柔らかな肌触りと一般的な人工皮革のおよそ2倍の耐久性を備えるという特別な人工皮革を採用した。

ハンガー部には軽量かつ堅牢なアルミダイキャストを採用。音響的なパフォーマンスに貢献するだけではなく、金属の質感や輝きも楽しめるとする。

音を聴いてみる

AH-GC30をワイヤレスで聴いてみた。一聴してわかるのは、フリーエッジ・ドライバーらしい、ニュートラルでナチュラルなサウンドだ。情報量も多く、一昔前のNC+ワイヤレスヘッドフォンで感じたような、不明瞭なモワモワ感は一切なく、情報量の多いサウンドが気持ち良い。

出てくる音の1つ1つにエレルギーが感じられ、抑えつけられるような圧迫感は無い。開放的な空間に、音が自由に出てくるイメージだ。この傾向は、デノンのピュアオーディオコンポのそれと良くにている。それもそのはず、このヘッドフォンもデノンのサウンドマネージャー・山内慎一氏がチューニング。ハイファイコンポで追求しているサウンドと同じものを、このヘッドフォンでも追い求めたという。

NC機能のON/OFFで、音色の変化も少ない。NCをONにすると、少し低域がパワフルになる。基本的にはNC ONで使い続けるのが良さそうだ。