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最小・最軽量フルサイズミラーレス「SIGMA fp」、映画から空撮まで「変幻自在」

シグマは、世界最小・最軽量のフルサイズ・ミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」を発表した。有効画素数2,460万画素、35mmフルサイズのベイヤーセンサーを搭載しつつ、コンパクトな筐体を実現。Lマウントを採用し、交換レンズやアクセサリを取り付ける事で、4K動画撮影や、ドローンに搭載しての空撮など、様々な撮影に活用できるのが特徴。発売日や価格は未定。

世界最小・最軽量のフルサイズ・ミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」

世界最小・最軽量の「ポケッタブル・フルフレーム」を謳うカメラ。撮影や表現をとりまく環境は様変わりする中で、「カメラ本位、メーカー発想のカテゴリーやヒエラルキーに合わせるのではなく、より柔軟でリアルな『カメラのありかた』を反映した、使うひと本位のデジタルカメラの開発をめざした」という。

使用イメージ

静止画・動画の撮影に対応したカメラで、SIGMAのレンズが取り付けられるが、それだけではなく、他社のアタッチメントも自由に付け替えて組み合わせられる「オープンでリベラルなシステム」であり、どんなシーンやニーズにも対応できる「変幻自在な拡張性」を持つという。

コンセプトムービー

中核となるボディには、35mmフルサイズ、有効2,460万画素で裏面照射型のベイヤーセンサーを搭載。外形寸法は112.6×69.9×45.3mm、重量は370gで、「フルサイズミラーレスカメラとして、世界最小・最軽量」という。

堅牢性と熱伝導率の高さを考慮し、前後カバーにアルミニウム合金を採用。ヒートシンク構造体、防塵防滴構造実現のための42カ所にシーリングを設けるなど、「あらゆる環境下での長時間使用に配慮した仕様になっている」という。

さらにメカシャッターレス構造になっており、優れた静粛性を実現。限りなく無音に近い撮影ができ、「一眼カメラではシャッター音がはばかられ撮影が難しかった場面でも、気兼ねなく撮影できる」とする。また、18コマ/秒での高速撮影でもシャッターショックは一切なく、微細なブレまで排除した撮影が可能という。機械式シャッターが無いことで、カメラ自体の信頼性も向上したとする。

コンパクトなレンズを取り付けた使用イメージ

画像・映像表現の演出や作りこみを楽しむための機能も積極的に搭載。豊富なカラーモードに加え、ハリウッド映画などで人気の高いカラーグレーディング手法に着想を得た「ティールアンドオレンジ」モードを新たに採用。それぞれのモードには効果の強調具合を調整できるスライダーも搭載し、表現の可能性を広げた。

SIGMA Photo Pro独自の調整機能「Fill Light」に加え、トーンカーブの調整機能をカメラ内に初搭載。本体にはトーンコントロール・カラーモードのそれぞれのメニューに素早く移行できる「TONE」、「COLOR」ボタンを新たに採用している。

HDR撮影では、電子シャッターの特性を活かし、静止画では3コマ、動画では2コマを異なる露出で1度に撮影・合成することで、通常の撮影では得られない広いダイナミックレンジを持つ静止画・動画が生成できる。「Cinemagraph機能」では、写真の一部が動き続ける、静止画と動画が融合した独特な表現のGIFアニメーションをカメラ内で生成できる。なお、動画でのHDR撮影・Cinemagraph機能は、後日ファームアップで実装予定。

マウントにはショートフランジバック、大口径、高耐久性を特徴とするLマウントを採用。シグマのレンズに加え、ライカカメラ、パナソニックとのLマウントアライアンスにより、他社のレンズも撮影システムに組み込める。

また、「SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21」を使用し、SIGMA SAマウント、SIGMA製キヤノンEFマウントのレンズも利用可能。

本格的な映画撮影にも

動画用のRAWデータは、12bit CinemaDNGでの外部収録に対応。4K UHD/24fpsでの記録が可能で、「映画制作にも耐えうる映像データが得られる」という。さらに、MPEG-4/H.264圧縮動画の編集に適したALL-I記録にも対応。

映像出力にはUSB 3.1(GEN1)を採用し、外部収録装置にも快適に送信。シネマカメラライクなユーザーインターフェイスにも対応するという。なお、CinemaDNG撮影データのカメラ内再生機能は、後日ファームアップで実装予定。

Stillモード(静止画)とCineモード(動画)は、スイッチひとつで瞬時に切り替え可能。各モードで、専用に設計された操作系と画面が表示される。

多彩な撮影スタイル

組み合わせにより様々な撮影スタイルに対応できるカメラだが、具体例として、7つのスタイルを提案している。

「SNAP STYLE」

「SNAP STYLE」は、小型軽量のボディを活かしたスナップスタイル。新レンズの「45mm F2.8 DG DN │ Contemporaty」と組み合わせると、全体重量は637g、ポケットサイズのフルサイズシステムとなる。

「PORTRAIT STYLE」
ユニットを使う事で、ストロボも取り付けられる

「PORTRAIT STYLE」は、本体付属のホットシューユニットを使用することで、クリップオンストロボが利用可能になる。別売りのサイドグリップを使うと、より確実なホールディングも可能。顔/瞳優先AFも備え、動きのあるポートレート撮影も自由に楽しめるとする。

「FIELD STYLE」

「FIELD STYLE」は、カメラ本体の防塵防滴機構や、専用ビューファインダーなどの専用アクセサリーを活用する事で、晴天から雨天まであらゆる環境に対応できるというスタイル。

「GIMBAL STYLE」は、手持ちのジンバルによる映像撮影スタイル。軽い機材は撮影者の負担を低減し、ジンバルの消費電力も抑制するという。レンズは「14-24mm F2.8 DG DN | Art」、ジンバルは「DJI Ronin-S」を例に挙げている。

「CINE STYLE」

「CINE STYLE」は、映像制作現場での活用をイメージ。「ボディの小ささはシステム全体の小型化にも繋がり、狭い場所での撮影や被写体に寄った撮影など、大きな機材では難しかった映像表現も可能にする」という。

レンズは「40mm T1.5 FF」、マウントコンバーター「SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21」や、「SIGMA HOT SHOE UNIT HU-11」、「SIGMA BASE PLATE BPL-11」、「SIGMA ROD CONSOLE ADAPTER(非売品)」、「DCコネクター CN-21」などを組み合わせる。他社製品としては、「ATOMOS Ninja V」などを活用する。

「STREAMING STYLE」

「STREAMING STYLE」は、パソコンとUSB接続し、Webカメラのように使うスタイル。映像だけでなく音声も同時に入力でき、「ライブストリーミングにフルサイズカメラならではの最高画質を提供する」という。このUVC接続時のカメラメニュー設定は、後日ファームアップで実装予定。

「DRONE STYLE」

「DRONE STYLE」は、ドローンによる空撮スタイル。軽量なボディはドローンの電力消費を抑え、飛行可能時間の延長に寄与するという。組み合わせるドローンとしては、「DJI Matrice 600」と「Ronin-MX」を挙げている。