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Metalエンジン搭載「Final Cut Pro 10.4.7」。別売カード利用で8K×3ストリーム編集

アップルは8日、動画編集ソフトの最新版「Final Cut Pro 10.4.7」を提供開始した。新しいMetalエンジンを搭載し、「数多くのMacで横断的にパフォーマンスの向上が得られる」という。既存ユーザーには無料アップデートとして提供、新規ユーザーにはMac App Storeにおいて36,800円で販売する。Motion 5.4.4、Compressor 4.4.5も、既存ユーザーには無料アップデートで、新規ユーザーには各6,100円で提供する。

動画編集ソフトの最新版「Final Cut Pro 10.4.7」

Final Cut Pro、Motion、Compressorで、「パフォーマンスの著しい進化を目にすることができる」という。Metalに対応するMacでは、ビデオ再生の改善、レンダリング、リアルタイムエフェクトの適用、書き出しといったグラフィックス処理が高速化される。15型MacBook Proでは最大20%、iMac Proでは最大35%高速化するという。

同日に提供開始されたmacOS Catalinaに対応するほか、その新機能「Sidecar」もサポート。iPadを、Macの2台目のディスプレイとして利用できる機能で、iPadの画面にブラウザやビューアを表示するといった使い方が可能になる。

最新のMac Proが搭載する複数のGPUと最大28のCPUコアに対応。前世代の12コア仕様Mac Proと比べ、レンダリングは最大2.9倍、トランスコーディングは最大3.2倍の処理速度で実行できる。さらに、新登場の別売Afterburnerカードを利用し、ProResおよびProRes RAWでの作業時に、高いパフォーマンスが得られる。例えば、4K ProRes 422映像の場合は最大16ストリーム同時再生、8K映像では8K ProRes RAWビデオを同時に最大3ストリームまで扱える。

32型Retina 6Kディスプレイで、P3の広色域、幅広いダイナミックレンジのXDRに対応した「Pro Display XDR」と組み合わせると、Final Cut Pro XでHDR映像の確認、編集、グレーディングが可能。Pro Display XDRはフルスクリーン持続輝度1,000nit、ピーク輝度1,600nit、コントラスト比100万:1を実現している。

なお、Pro Display XDRとMacはThunderboltケーブル1本で接続できるが、最新のMac Proと組み合わせる場合、Pro Display XDRを同時に3台まで接続し、その内の2台をFinal Cut Pro Xの操作インターフェイス用、残りの1台をプロ仕様の専用リファレンスモニターとするなど、プロのビデオ編集作業に活用できる。

Pro Display XDRを3台接続したところ