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アップル、HDRや360度ビデオ対応の新Final Cut Pro X。iMac Proで8K編集
2017年12月14日 23:27
アップルは14日、ビデオ編集アプリケーション「Final Cut Pro X」のメジャーアップデート(10.4)を提供開始し、360度VRビデオ編集や、HDRビデオに対応した。Mac App Store価格は34,800円。既存バージョンのユーザーは無料でアップデートできる。
Motion、Compressorなどの関連アプリもバージョンアップし、各6,000円でMac App Storeで販売。従来バージョン利用者は無料でアップグレードでき、最新バージョンはMotion 5.4、Compressor 4.4となる。
Final Cut Pro X 10.4は、同日に発売されるiMac Proの処理能力をフル活用すべく最適化が図られており、両者の組み合わせでは、Macで初めてフル解像度の8Kビデオの編集が可能となる。
新たに360度ビデオの読み込みや編集、書き出しに対応したほか、Steam VR対応のHTC VIVEヘッドセットを接続することで、編集中のプロジェクトをリアルタイムで確認できるようになる。360度のタイトルを2Dや3Dで簡単に追加できるほか、ブラーやグローといったエフェクトの追加や、視覚コントロールを使った水平補正、正距円筒図法のパノラマビデオに映り込んだカメラリグの除去などに対応する。
また、写真やビデオをVRプロジェクトに加えたり、360度ビデオをYouTube、
Facebook、Vimeoなどの動画共有サイトへ直接アップロードする機能なども搭載する。
プロ仕様のカラーグレーディング用ツールも新搭載。独自のカラーホイールには、色相、彩度、明るさを調節するコントロールが内蔵されている。カラーカーブでは非常に細かいカラー調整が可能で、複数のコントロールポイントを使って特定のカラー範囲を目指したり、スポイトで特定のカラーを抽出してホワイトバランスを手動で合わせられる。また、DaVinci Resolveのようなカラーグレーディングアプリケーションや、PremiumBeat、Color Grading CentralといったWebサイトから入手したカスタムLUTの適応にも対応する。
HDRにも対応。よりレンジの広い輝度レベルを利用して、リアルな映像を実
現できる。新しいカラーグレーディングツールはHDRとSDR両方のビデオに対応し、トーンマッピングを設定することで、HDRを簡単に放送用のSDR出力に変換できる。
- iPhoneやiPadで作成したiMovieプロジェクトをFinal Cut Proに読み込んで、高度な編集、オーディオ作業、モーショングラフィックス、カラーグレーディングを実行
- HEVCおよびHEIFのサポートにより、各方式で圧縮されたビデオと写真をAppleデバイスから読み込んで編集可能に
- インターフェイスが再設計され、サイズ変更が可能になったLogic Pro Xの最新のオーディオエフェクトプラグインを装備
- Metalを基盤とする、従来よりも高速かつ高品質なオプティカルフロー分析
【Final Cut Pro 10.4のその他の特長】
Motion 5.4では、没入型の360度VRタイトルおよびエフェクトを作成し、そのままFinal Cut Proに読み込むことができる。Compressor 4.4では、360度ビデオを業界標準のsphericalメタデータ付きで出力できるほか、HEVCおよびHDRビデオの書き出しに対応。また、MXFファイルの出力時に様々な新しいオプションが追加されている。