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Vienna Acoustics、新素材X4P採用のフラットウーファー搭載「Beethoven」2機種
2020年2月13日 19:00
ナスペックは、オーストリアVienna Acoustics(ウィーン・アコースティクス)の新スピーカー2機種を2月20日に発売する。同社を代表するスピーカーであるBeethoven 2機種のモデルチェンジで、新素材X4Pを使ったフラット振動板のウーファーが特徴。1台の価格は「Beethoven Concert Grand Reference」が75万円、「Beethoven Baby Grand Reference」が55万円。カラーはRosewood/Cherry/Piano Black/Piano White。
1995年に初代が登場し、2004年にConcertGrand、2013年にSymphony EditionとアップデートしてきたBeethoven。その新モデルとなっており、最大の特徴はウーファーに新素材X4Pを使っている事。
「Beethoven Concert Grand Reference」は、3ウェイ5スピーカーのバスレフ型で、ツイーターは28mm径のシルクドーム、ミッドレンジは152mm径のコンポジットコーン×1、ウーファーは178mm径コンポジットコーン×3。再生周波数特性は28Hz~23kHz。クロスオーバー周波数は180Hz、2.8kHz(6dB/oct)。インピーダンスは4Ω。推奨アンプ出力は50〜400Wで、外形寸法は205×380×1,130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は37.5kg。
「Beethoven Baby Grand Reference」は、3ウェイ4スピーカーのバスレフ型。ツイーターは28mm径シルクドーム×1、ミッドレンジは152mm径コンポジットコーン×1、ウーファーは152mm径コンポジットコーン×2。周波数特性は33Hz~23kHz。クロスオーバー周波数は180Hz、2.8kHz(6dB/oct)、インピーダンスは4Ωで、推奨アンプ出力は50〜300W。外形寸法は182×330×1,025mm(幅×奥行き×高さ)、重量は26kg。
ウーファーのコーンは、2つの異なる素材で構成されており、形状はフラット。平面なスパイダーコーンには、正確なピストン運動が出来る利点があるという。
フラットコーンは非常に硬く、高さ18mm、および14mmのブレースを装備。軽量ながら、新しいX4P混合物のグラスファイバーで補強している。背面の補強(スパイダー)は、インパルスエネルギー全体がコーン表面全体に均等に割り当てられるように構成されている。
旧モデルにはX3Pという素材を使っていた。これは、ポリプロピレンにグラスファイバーを含む3種類の異なった材料をミックスしたもの。そこから、より最適な混合比、材料を研究し、新たに違う素材を追加。混合比を見直して完成したマテリアルがX4Pとなる。新たに追加した素材は非公開。上位機種であるMusicやLiztのスパイダーコーンと比べても、グラスファイバーの比率なども変わっているという。
X4Pは Vienna Acousticsから約20分離れた工場で製作されており、「この近距離での作業もクオリティを保つ上で大きなメリットとなっている」という。
振動板の素材には、X4Pとファブリックを組み合わせており、新しく「コンポジットコーン」と名付けられている。中央50mmの領域はファブリック素材を使った逆ドームで、X4Pで製作された平面振動版と連結されている。
後方には大きなボイスコイルを搭載。特殊な構造により指向性は広く均等になり、「あらゆる位置で均一に音が届けられ、8mmの凹み(ブレーシングの高さは18mmと14mmだが、ファブリックまでの表から見えている部分が8mm)を採用。
中央の逆ドーム型ファブリック素材は、シルクドームツイーターとの親和性が高く、逆ドームの材質はオーストリア製の繊維を2重に合わせた織物で、リア側にコーティングが施されている。
なお、Concert GrandとBaby Grandのミッドレンジはどちらも152mm径だが、クロスオーバーの設計に適正な値となるよう、インピーダンスはそれぞれ4Ω、8Ωと専用になっている。
1.1型のシルクドーム・ツイーターは、ScanSpeak製で、Vienna Acoustics向けの特別なもの。旧モデルではネオジウムマグネットを採用していたが、今回はフェライトマグネットにに変更されており、新しいコンポジットコーンとの繋がりを重視したという。
ネットワーク回路を非常にシンプルで、6dBスロープに設定。誤差1%未満のポリプロピレン・コンデンサや、金属皮膜抵抗、許容誤差0.7%以下を誇るミッドレンジとツィーターセクションの空芯コイルなどを採用している。
エンクロージャーには、欧州建具の技術が取り入れられており、正確な音像定位を得るために、最新のコンピュータ・モデリング技術を活用。個々のドライバー用の再生帯域を考慮した仕切りや、連結されたブレース構造も採用されている。ConcertGrandの一番下に位置するウーファーには独立したバックキャビティを用意。新たにラウンド形状とした事で、旧モデルに比べ音の反射への影響も大きく改善している。