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MIDI規格が「MIDI 2.0」に進化。双方向通信や繊細な表現が可能に

一般社団法人音楽電子事業協会(AMEI)は25日、米国のMIDI管理団体であるMMA(MIDI Manufacturers Association)と協議してきた5つのMIDI 2.0主要規格書すべてを承認。同時に、これら規格書一式(英文)を無償で公開した。

MIDI 1.0は1983年に発表。新しいMIDI 2.0では、このMIDI 1.0が持つほぼすべての要素を大幅に向上させている。従来は送信側から受信側へ一方通行で通信を行なう規格だったが、新規格ではMIDI 2.0機器間での双方向通信を実現。これにより、ある機器から他の機器に対して特定のMIDI 2.0機能への対応状況や設定値などを問い合わせて取得し、接続された機器間の設定を自動的に行なうといった自動セットアップ機能も実現可能になる。

また、MIDI 2.0はMIDI 1.0への後方互換性も備えており、双方向通信が実行できない場合には通信対象がMIDI 1.0機器であると判断し、MIDI 1.0のプロトコルで通信する。

MIDI 2.0ではさらに、使いやすさやワークフローの改善、電子楽器の表現力を向上させる機能も盛り込まれている。高分解能のベロシティーやコントロールデータ、大幅に拡張されたコントローラーオプション(特別な表現を実現するための発音単位でのコントロール)、シンプルになった楽器のコントロール設定により、「アコースティック楽器で奏でるような繊細な演奏表現ができるようになる」という。

MIDI2.0主要規格書一式は、AMEIのWebページからダウンロードできる。