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コロナ禍でストリーミング高音質化、立体音響解説も。JASジャーナル最新号

ソニーの「360 Reality Audio」

日本オーディオ協会は、オーディオビジュアル関連のニュースや新技術、各種イベントのレポート、協会会員による投稿などを掲載した「JASジャーナル」の2020年11月号(Vol.60 No.6)を公開した。コルグの“高音質”動画配信プラットフォーム「Live Extreme」やソニーの「360 Reality Audio」の紹介、ハイレゾロゴへの「左右独立型」追加などについて掲載されている。また今号から誌面が全面リニューアルされ、PDFではなくHTML形式の発行となった。

コルグが提供する“高音質”動画配信システム「Live Extreme」については、同社執行役員で技術開発部の大石耕史部長が解説。

コルグの“高音質”動画配信プラットフォーム「Live Extreme」

それによれば動画配信プラットフォームでは、4K/60fpsやHDR、360度動画への対応など映像面での進化が著しい一方、音声に割り当てられるビットレートはここ10年間で大きく変わっていないといい、動画における音声のプレゼンスは相対的に低下しているという。

しかし、コロナ禍によりストリーミング配信における音質を向上させようという動きもあるといい、7月30日に行なわれた「Tatsuro Yamashita Super Streaming」は、MUSIC/SLASHがBSデジタル放送を超えるAAC 384kbpsで配信。10月3日にはU-NEXTが「40th Anniversary Seiko Matsuda 2020 “Romantic Studio Live”」をAAC 448kbpsで配信するなど、高音質での配信が注目を集めはじめているとのこと。

コルグは2019年1月ごろから“高音質”動画配信システムの研究開発を開始。コロナ禍によりライブストリーミング技術に注目が集まる'20年9月にプレス発表を行なった。誌面では配信システムの概要や仕様などを解説しつつ、高音質を実現した3つのポイントなどを解説している。

専用機材不要で楽しめるソニーの「360 Reality Audio」

ソニー独自の立体音響「360 Reality Audio」は、制作者側が360度全天球の好きな場所に音を配置でき、リスナー側は全身が包み込まれるような没入感ある立体的な音場を感じることができるもの。

視聴に専用機材は不要で、Amazon Music HD(Amazon Echo Studioのみでの再生)、Deezer、TIDAL、nugs.netなど対応アプリをインストールしたスマートフォンと、手持ちのイヤフォン/ヘッドフォンがあれば、360 Reality Audio楽曲を楽しめる。

誌面ではソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社の担当者ふたりが、技術概要やエコシステム、ライセンスについて紹介している。

そのほか、誌面では先日、日本オーディオ協会が「ハイレゾオーディオワイヤレス」ロゴに追加した左右独立型ワイヤレス製品(完全ワイヤレスイヤフォン)についても、特集が組まれており、追加の経緯などが説明されている。

これまでPDFで配布されていたJASジャーナルは今号からHTML形式での発行に変更。これによりパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでより快適に閲覧できるようになった。編集委員長の松岡文啓氏は編集後記で「従来の文字・画像情報による論文の掲載だけでなく、映像・音声を含めた多彩なコンテンツの提供も可能となり、また皆さまからのJASジャーナルへの『寄稿』形態の自由度も大きく広がる事を意味していると思います」と述べている。