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ソニーの立体音響「360 Reality Audio」対応ハード拡大へ。ライブ映像にも

立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio」

ソニーは、昨年から欧米を皮切りに展開している、立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio」の新たな取り組みとして、立体的な音場に映像を組み合わせた臨場感あるビデオコンテンツの配信や、対応楽曲制作ツールの開発、対応機器の拡大、他社へのライセンス提供などを発表。対応スピーカーとして「SRS-RA5000」と「SRS-RA3000」を今春以降に発売する。

対応機器拡大とライセンス提供による制作・視聴環境の強化

360 Reality Audioに対応したワイヤレススピーカー「SRS-RA5000」、「SRS-RA3000」を今春以降発売する。一台のスピーカーで360 Reality Audioの立体的な音場を再現できるという。

さらに、普及推進のために、ライセンスの提供を開始。具体的には、360 Reality Audio対応ヘッドフォンでより臨場感ある音楽体験を実現するために、音場を一人ひとりに最適化するソニー独自技術のライセンスと、対応するスマートフォンや車載オーディオで360 Reality Audioを再生するための技術ライセンス。

360 Reality Audio×映像

360 Reality Audioの楽曲は、欧米などでは複数のストリーミングサービスで配信がスタートしており、アリシア・キーズ、リル・ナズ・X、ミーガン・ザ・スタリオン、ノア・サイラス、ザラ・ラーソンの新曲を含む、4,000曲以上の対応楽曲が提供されている。

新たな展開として、主要音楽レーベルおよびストリーミングサービスと連携、360 Reality Audioによる立体的な音場と映像を組み合わせた、アーティストのライブパフォーマンス映像の配信サービスを、2021年内に開始予定。欧米などでサービスを開始しているnugs.netにて配信を予定する。

ただし、日本国内については、「360 Reality Audioの配信サービスの開始後に対応予定」だという。

360 Reality Audioと映像を組み合わせた、アーティストのライブパフォーマンス

これに先駆け、1月12日からオンラインで開催予定の「CES 2021」に合わせ、360 Reality Audio初のビデオコンテンツとして、ザラ・ラーソンによるパフォーマンスを、1月12日午前7時から、楽曲配信アプリ「Artist Connection」で配信する。このコンテンツは日本国内でも視聴体験が可能。

スマートフォン(Android/iOS)と、全メーカーのヘッドフォンを組み合わせて体験できる。なお、ソニーの推奨ヘッドフォンと、スマートフォン専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を使うと、音場を一人一人に最適化した、より没入感のある音楽体験が味わえるとする。

楽曲制作ツール「360 Reality Audio Creative Suite」共同開発

360 Reality Audio Creative Suite

対応コンテンツ拡大に向けて、360 Reality Audioの制作環境も整備する。音楽ソフトウェア開発会社であるVirtual Sonicsと共同で、対応楽曲制作ツール「360 Reality Audio Creative Suite」を開発。

様々なDAWソフトのプラグインとして使えるもので、Virtual Sonicsの子会社であるAudio Futuresから、4月にダウンロード発売を予定。「クリエイターやアーティストが既存の制作プラットフォームを使って、簡単に360度の球状に広がる空間で音楽を表現することを可能とする」という。

【更新】記事初出時、ツールの発売時期を“1月末”と記載しておりましたが、その後、4月に延期されました。これも伴い記事内の時期も更新しました。(2021年2月4日)

CESでは、グラミー賞受賞プロデューサーであるキース・ハリスが実際に360 Reality Audio Creative Suiteを使って対応楽曲を制作するシーンや、その使用感を語る動画を配信予定。

また、クリエイターが360 Reality Audio Creative Suiteで制作した楽曲を配信する取り組みである「クリエイター・プログラム」を、Music.com、および米国の音楽配信会社のThe Orchardと協業して展開する予定。