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Adobe、Premiere Pro/Rush/AuditionにM1 Macベータ版

Adobe Blogより

Adobeは22日、米Appleが開発したApple M1チップにネイティブ対応したAdobe Premiere Pro、Premiere Rush、Auditionのパブリックベータ版を公開した。各ベータ版は、Creative Cloudデスクトップアプリケーションから直接インストールできる。

M1チップにネイティブ対応した Premiere Pro、Premiere Rush、Auditionの製品版は、2021年前半に提供予定。After EffectsとCharacter AnimatorのM1ネイティブ対応は'21年中を予定しているとのこと。

AppleのM1プラットフォームは、パフォーマンスとエネルギー効率の向上を実現するもの。Creative Cloudアプリケーションをこの新プラットフォームに移行させることで、ユーザーは新しいテクノロジーを活用できるようになるという。

M1チップにネイティブ対応していない現行バージョンは、Rosetta 2エミュレーションを使うことでM1チップ搭載デバイスで利用可能。現在、After Effectsでは一部機能に問題が認識されており、これは今後のリリースで対処するとのこと。またサードパーティ連携は、エミュレーションモードでは動作検証されていない。

Apple M1対応Premiere Proベータ版

動画編集ソフトのPremiere Proベータ版では、コアとなる編集機能に加え、もっとも広く使われているコーデックであるH.264、HEVC、ProResのサポートが含まれている。同ソフトは幅広いメディアや機能をサポートする大規模なコードベース上に構築されているため、M1チップへのネイティブ対応は、段階的に提供される予定。

書き出し時間の比較
Adobe Sensei機能の比較

シーン編集の検出などの「Adobe Sensei機能」は、M1チップに搭載されている専用の機械学習サポートにより、パフォーマンスが向上。Adobeの検証によれば、現行のハイエンドモデルとなるIntelチップ搭載16インチMacBook Proに比べ、M1チップ搭載13インチMacBook Proは、Rosetta 2エミュレーション時でも処理速度が向上。ネイティブ版ではさらに速度の向上が確認されたとのこと。

このM1チップ対応Premiere Proベータ版には、新しいキャプションワークフローの最新ビルドが組み込まれているため、プロジェクトファイル形式のアップデートが必要。「ベータ版のテスト用に現在のプロジェクトのコピーを作成しておくことで、現在進行中の制作作業の互換性の問題を回避できます」としている。

また、Transmitリファレンスモニタリングハードウェア、プラグイン、拡張パネル、コントロールサーフェスなどのサードパーティ製連携機能についても制限がある。

Apple M1対応Premiere Rushベータ版

よりシンプルに動画編集ができるPremiere Rushベータ版では、コアエディティング機能やH.264ビデオのサポート、Rushに内蔵されているライブラリからタイトルやオーディオを追加し、デバイス上でプロジェクトを作成してローカルに書き出す機能が含まれている。

追加フォーマットのサポートや、デバイス間でのプロジェクトの同期、ソーシャルプラットフォームへの投稿といった昨日は、将来のベータ版で導入予定。

Apple M1対応Auditionベータ版

スペクトル周波数表示時の編集のリアルタイムパフォーマンスが向上

オーディオの録音や編集、ミキシングができるAuditionベータ版では、多くのオーディオエフェクトでパフォーマンスが向上。スペクトル周波数表示時の編集のリアルタイムパフォーマンスも改善されているという。

ベータ版には既存のオーディオ編集機能のほとんどが組み込まれてるが、ビデオ再生、拡張パネル、サードパーティ製のフォーマットや統合機能については、まだサポートされていない。