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40年ぶりのラックスマン・オリジナルのフォノカートリッジ
2021年2月19日 10:00
ラックスマンは、MCタイプのフォノ・カートリッジ「LMC-5」を3月下旬に発売する。価格は23万円(税別)。1981年に発売された「LMC-1」と翌1982年発売の「LMC-2」から40年ぶりとなるラックスマン・オリジナルのフォノ・カートリッジ。
ラックスマンは、現代のオーディオ技術による最新のレコード再生の可能性に着目。2011年にアナログプレ2011年にアナログプレーヤー「PD-171」を発売。以降トーンアーム交換タイプの「PD-171A」やアームレスタイプ「PD-171AL」、ベーシックな「PD-151」、フォノイコライザーアンプ「EQ-500/E-250」の発売など、趣味のレコード再生の世界に本格的なコンポーネントを投入。
そして約2年の開発期間を経て、レコード再生におけるもうひとつの重要なコンポーネントである、フォノ・カートリッジを新たにラインアップすることになった。
LMC-5の開発に当たっては、あらためて、レコードに刻まれた音楽信号を確実にトレースしピックアップするスタイラスとカンチレバー、その微細な動きを強固に支え、変形や鳴きを抑圧するボディ、そして伝わった振動をリニアに変換する発電エンジンなど、音楽信号の各伝送ステージを構成する主要パーツについて、材質とその構造を徹底的に見直し。
「決して奇をてらうことなく、試作と試聴を繰り返し、ラックスマンのアンプを始めとする他のコンポーネントの開発作業と同一の手順を確実に踏むことで、アナログレコード・システムにおける比類のない高忠実度の音楽再生を可能とした」という。
往年のLMC-1/LMC-2の音質的思想をベースに、ラックスマンが長年のオーディオコンポーネントの開発で培ってきた技術とノウハウを盛り込んで開発。「カートリッジ製造の粋を極める」という国内の職人によって一つ一つ組み上げられている。
発電機構はアーマチュアを軽量化できるMC型。聴感上のノイズが少なく情報量の多いシバタ針を採用。シバタ針と相性が良く素直な音色のアルミカンチレバーも搭載している。
LRの発電コイルを対称に巻いた直巻十字型コイルでチャンネル間の感度差を低減。外来ノイズの飛込みを減らす小さなループ面積の磁気回路構造になっているほか、コイルは断線に強い範囲で最も細い30μm径のUEWを採用し線材の方向性を固定化。振動系の支点を明確にするピアノ線による一点支持方式を採用した低歪構造も特徴。
スタイラスユニットを音響的にマイクと等価であると捉えユニット周囲の共振と反射音を徹底的に抑制。スタイラスユニットの横にはカンチレバー保護の役割も果たす外壁を構成。共振と反射音を減らすための逆卵型曲線を採用した構造壁や、軽量化と共振対策のためのベースと必要最小限の外壁のみに削ぎ落とされたボディ構造も採用している。
本体カラーは、ラックスマンのコーポレートカラーである深みのある赤色にアルマイト染色された。内部インピーダンスは4.7Ω(1kHz)。適正針圧は2.1~2.3g(2.2g標準)。再生周波数範囲は10Hz~35kHz。推奨負荷抵抗(ヘッドアンプ接続時)は40Ω以上。推奨負荷抵抗(昇圧トランス接続時)は2.5~10Ω。