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乾電池型デバイスでテレビ視聴情報を取得する実証実験

リアルタイムTV視聴データ取得の流れ

ノバルスは24日、産業能率大学との産学連携プロジェクトとして、市販のテレビリモコンと乾電池型IoTデバイス「MaBeee」を使い、テレビの視聴情報を取得する実証実験を行なったと発表した。チャンネル情報を電池電流値から判別し、リアルタイムでテレビの視聴データが得られたという。

MaBeeeは、ノバルスが開発した単3形乾電池型のIoT製品。リモコンなど家電に装着することで、Bluetoothを介し、家電の使用状況をシステムへ自動送信することができる。現在、JVCケンウッドがノバルス製のデバイスとテレビリモコンをセットにした製品・みまもりサービスを展開している。

今回の実験は、Z世代のテレビ視聴実態を調査したもの。実験には学生30名が参加。IoT乾電池を挿入した自分専用のテレビリモコンを使用し、「どのチャンネルを・いつ・何秒間視聴したか」などのテレビ視聴データを操作時の電流値から判別し、スマートフォンを介してクラウド上に保存。これにより、学生の普段通りのごく自然なリモコン操作によるリアルタイムのテレビ視聴率データを、市販のリモコン・スマホを用いて安価に取得することができたという。

実験からは、テレビをBGMとして“ながら視聴”するダブルスクリーンとしての利用状況や、テレビのチャンネル選択権は父親にあり、Z世代はテレビ前にいるが番組視聴からは離れていること。リアルタイム視聴する番組は週に1~2つのバラエティ番組、そしてドラマは録画か見逃し配信で視聴していることなどの視聴実態が分かったという。

ノバルスでは今後、テレビ視聴データモニター機能のほか、同データを用いて既にサービスインしている高齢者向けの見守りサービスに機能追加として搭載することも計画。今回の取り組みにおける実証実験結果をもとに、更なるサービス拡充や業務提携を積極的に行ない、2021年下期の商用化を目指すとしている。

実証画面イメージ