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「ノマドランド」、フランシス・マクドーマンドが一般ノマドに溶け込む本編映像
2021年3月24日 14:30
3月26日より公開する映画「ノマドランド」の本編映像が公開された。主演は「スリー・ビルボード」でアカデミー賞主演女優賞受賞したフランシス・マクドーマンド。監督は前作「ザ・ライダー」でカンヌ国際映画祭アート・シネマ賞を獲得したクロエ・ジャオ。
企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーン(フランシス・マクドーマンド)は、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=放浪の民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。
公開された映像は、マクドーマンド演じる主人公ファーンが、ノマドの友人リンダに誘われて、ノマドたちが集まってコミュニケーションを交わすイベント”RTR(Rubber Tramp Rendezvous)”に参加するシーンの一部。最初は不安な表情を浮かべているファーンだが、リンダやイベントで出会った新たな友人スワンキーともに交流していくなかで、次第に笑顔を見せていく。
アメリカ各地からノマドたちが集まるイベントということもあり、本シーンには大勢のノマドたちが登場するが、プロの俳優は主人公のファーンを演じたマクドーマンドと、デイヴを演じたデヴィッド・ストラザーンのみで、ファーンと仲良く会話するリンダや、一緒に炊き出しに並ぶギプスをつけたスワンキー、さらにはイベントの主催としてトークをするボブ・ウェルズを含む、他の登場人物は全員が一般のノマドたちだという。
集団で見ると一見どこにマクドーマンドがいるのかもわからない「完璧な役作りでノマドに溶け込むマクドーマンに驚きを隠せない本編映像」としている。
ノマドの生き様をリアルに体現するための役作りのひとつとして、マクドーマンドは自らノマドの労働に身を投じたという。「アマゾン社の発送センターで、アカカブの収穫工場で、観光客向けのカフェで、国立公園のキャンプ指導員として、ファーンであるわたしも、実際に働くひとたちに混じりながら、働きました。ほとんどの場合、一介の従業員としか思われていませんでした」と様々なエリアで労働に励んでいた様子。
さらに「高齢者が働くことの肉体的な限界と苦痛、と同時に、働くこと、キャンプ指導員として自然のなかで暮らすこと、生きる目的をもつこと、そして、こうした仕事から収入を得られることの喜びを演じようとしました」と役作りに込めた自身の想いを語っている。
クロエ・ジャオ監督は「マクドーマンドはいつまでも役柄について悩み続けるような女優ではありません。からだで理解していくタイプなのです。実際に手に触れて納得していくのです」と分析。マクドーマンドがノマドとしてリアルに息づいている様子を目の当たりにした海外評論家からも「マクドーマンドの顔はまるで“動く国立公園”のようだ」と評価が上がっているという。