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Oculus Quest 2が120Hz対応。PC VRをワイヤレスでプレイ
2021年4月14日 15:07
Facebook Reality Labsは、Oculus Quest向けにv28ソフトウェアのアップデートを近日中に提供すると発表。Quest 2でPC用VRタイトルをワイヤレスで楽しめる「Oculus Air Link」に対応するほか、120Hz表示のネイティブサポートも実現する。
ゲーミングPCとUSB-Cケーブルで接続し、PC用VRタイトルをQuestプラットフォーム上で楽しむ「Oculus Link」はすでに提供されているが、その接続を有線ではなく、ワイヤレスで実現するのが「Oculus Air Link」となる。
「ゲーミングPC上のみでしか利用できないハイエンドのタイトルを、自由に動きまわることができるQuest 2で体験できるようにしたい」と開発されたもので、Oculus Linkのストリーミング パイプラインを利用して、Wi-Fiを使って、PCのVRコンテンツを完全にワイヤレスな状態でQuest 2でプレイできるようになる。
ただし、Air Linkは正式版のリリースではなく、Quest 2の実験モードとして提供を開始する予定。「初期段階においてコミュニティからどのようなフィードバックが届くのかを楽しみにしている」という。
使用時に、Wi-Fiネットワークが混雑したり、セキュリティ対策が施されていないといった場合には、USB-Cケーブルを使った有線接続にも切り替え可能。なお、Quest 2側のアップデートだけでなく、組み合わせるPC側でも、Oculus PCの最新版(近日中にアップデートされるv28以降)をダウンロードする必要がある。
Quest 2で120Hz表示もサポート
Quest 2での120Hz表示もサポート。「非常に快適なゲームプレイ体験が実現する」という。
現在のQuest 2において、Home環境やExplore、ストア、 Oculusブラウザ、Oculus TVなどでのデフォルトのリフレッシュレート設定は90Hzとなる。昨年、全プラットフォームで90Hzがサポートされたため、開発者による90Hzをネイティブサポートするタイトルの公開が実現。「Echo VR」、「Red Matter」、「Vacation Simulator」、「Racket: Nx」、「Eleven Table Tennis」や「Down the Rabbit Hole」といったアプリが、既に90Hzにアップデートされている。
さらにスムーズなゲームプレイのために、120Hz表示が可能になるほか、開発者も今後、120Hzをネイティブサポートするタイトルの公開が可能になる。
Quest 2のユーザーは、トグルの「Experimental(実験モード)」のパネルから120Hzのオプションを選択することで、より高いフレームレートのアプリが試せる。なお、120Hzをサポートするアプリはまだ登場していないが、ユーザーが設定しておくことで、今後120Hzをサポートしているアプリで、そのパフォーマンスを体験できるとする。
一方、Quest 2のシステムソフトウェアは90Hzのままで、「Oculus Linkの120Hzのサポートは、もう少し先のリリースを予定しています」とのこと。また、「素早い反応や動作を必要とするタイトルには90Hzや120Hzが適していますが、それ以外の多くのアプリに関しては、これまで通り72Hzでも十分にスムーズで快適な体験が可能」と、説明している。
Infinite Officeもアップデート
VR内での作業の生産性や柔軟性を高めるための機能「Infinite Office」も進化している。1月に、Bluetooth対応のマウスやトラックパッドが使用できる新機能を発表しているが、それに加え、物理的表面(リアルデスク)を統合する機能と、現実世界のキーボードを追跡する機能が発表された。
現実世界のリアルな要素を取り入れられることで、VRの世界に、安心して没頭でき、より快適に過ごせるというもの。Questプラットフォーム用の実験的な機能を使って、実際のデスク上の物を、バーチャルデスク内に設置できるようになり、Oculus Home環境で実際に使えるようになる。この機能では、そのデスクをブラウザなどのワークツールにアクセスするためのエリアとして使用できる。さらに、現実の環境を統合する以外にも、バーチャルデスクの境界線が自動的に保存され検出されため、再度利用する時には最後に使った状態に戻ることができる。
さらに、物理的なキーボードを使えるようにするため、Logitechとのパートナーシップを発表。「Logitech K830」が、連携可能な最初のキーボードとなる。
Bluetooth対応のキーボードのトラッキングにより、VR内でも現実世界と同じようにタイプできる。この実験的機能では、自宅の実際のデスクに座ったままの状態で、Quest 2にLogitech K830キーボードをペアリングすることで、VR内に自分の手やキーボードが3D表示され、Home環境でのキーボードの打ち込みやシステムナビゲーションが簡単にできるようになる。なお、キーボード利用の場合は、キーボードを明るく平らな場所に設置する事や、設置面が淡色であることが理想という。今後は、対応するキーボードを増やしていく予定。