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ゼンハイザー、“X3R”で進化した最上位イヤフォン「IE 900」
2021年5月11日 07:00
ゼンハイザーは、ハイファイオーディオ向けイヤフォンの最上位モデル「IE 900」を、6月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭想定価格は179,080円前後。
「IE 800S」に代わるフラッグシップイヤフォン。「レスポンスの良い低域から、繊細な高域の描写まで、全ての周波数帯域でクリスタルのような透明感あふれるエレガントでニュートラルなサウンドを再現。中でも高域に関して、IE 900は豊かさとクリアな音質を実現。特に4kHzと10kHz以上の高域においては、人気モデルのIE 800Sからさらに進化し、歪みのないより自然でクリアな音に」なったという。
ユニットは自社開発で、位相の良さや、低域から高域までのつながりの良さなどにこだわり、ダイナミック型のシングルを採用。口径は7mm。振動板は新開発で、素材はポリマーブレンド。あえてコーティングは施していない。高内部損失を追求し、自然発生的に起こる不要な共振と歪みを最小限に抑え、全高調波歪は0.05% 94dB,1kHzを実現。「フラッグシップTrueResponseトランスデューサーにふさわしい安定感のある音質体験を提供」するという。
新たに再設計したボイスコイルも採用。マグネットシステムのパフォーマンスを向上させた事で、「高域における自然でクリアなサウンドを引き出す」とのこと。
このユニットと、3つのレゾネーターチャンバー、アコースティックヴォルテックスという機構を組み合わせた「X3Rテクノロジー」を投入。一貫した自社開発・製造で実現した、こだわりの音響技術もまとめた名称となる。
ユニットの先、ノズルとの間のパーツに、3つの複雑な形状の溝が掘られている。これが「レゾネーターチャンバー」と呼ばれるもので、それぞれの溝が、各一定の周波数帯域のレスポンスを向上させ、マスキングと歪みを低減。
アコースティックヴォルテックスは、このパーツの中央に空いた、花びらのような形状のホール。この形状により、チャンバーで調節されたサウンドが、自然に広がる音になるよう、エアフローをコントロールしている。
こうした新技術によりサウンドが進化。「IE 900はIE 800Sに比べて中音域を持ち上げ、高音域を滑らかに。例えば、ヴァイオリンの最初のストロークからその音質の高さを感じられる」という。
筐体はアルミブロックからの削り出し。1組のイヤフォンを削り出すのに40分かかるという。デザイン性の高さだけでなく、経年劣化しにくい特徴もある。また、機械でのチェックだけでなく、左右のイヤフォンを手作業でマッチング。重ねて試験を行なう徹底したクオリティコントロールも、ハイエンドモデルとしてこだわったポイントとなっている。
ケーブルは着脱可能で、Fidelity Plus MMCXコネクターを採用。端子はゴールドプレート。MMCXをベースとしているが独自形状であるため、他社製ケーブルとの互換性は確認できていないという。
ケーブルには、特殊素材であるパラアラミドを採用。数千回の折り曲げに耐えられる、高い耐久性が特徴。長さは125cmでY型。ケーブルを除いた重量は片側4g。インピーダンスは16Ωで、周波数特性は5Hz~48kHz。感度は123dB。入力端子はステレオミニ、4.4mmバランス、2.5mmバランスに対応可能。
イヤーピースは標準シリコン S/M/Lサイズ、フォームタイプ S/M/Lサイズを同梱。ケーブルクリップ、シリアルナンバー入りプレミアムキャリングケース、クリーニングツール&クロスも付属する。