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ヤマハ、レコードプレーヤー「GT-5000」の低温時使用での対策を案内

アナログプレーヤー「GT-5000」

ヤマハミュージックジャパンは1日、アナログプレーヤー「GT-5000」に関し、出荷した製品の一部で低温時に規定の回転数に達しない、または規定の回転数に達するまで通常よりも時間が掛かる症状が発生している件について、ホームページで対策を案内した。

現在報告されている症状としては、冬季など部屋の温度が低くなり許容動作温度(10~35度)を下回る場合や、本体が冷えた状態から回転を始動した際に、室温が許容動作温度を上回ってもターンテーブルの速度が上がらず規定の回転数に達しない、または規定の回転数に達するまで普段よりも時間がかかる、というもの。

GT-5000は回転時のトルク変動を抑え安定した再生を実現するため、トルクの非常に小さいモーターを使用しており、またセンタースピンドルの軸に塗布されたグリースが低温で粘度が高くなると、回転負荷が大きくなりモーターの性能限界を超えてしまうため発生する症状だという。

ただし、この状態は部屋を暖めることでグリースの温度が上昇し、本来の性能を発揮できる状況になると解決できるとのこと。グリース部の温度や塗布量の微小な違いにより差はあるものの、最終的に30秒以内で規定の回転数に達するようであれば問題はないとする。また、この症状の多くは春から秋の暖かい時期には発生しない。この症状による製品そのものや音質への影響もないとしている。

同社は「GT-5000に採用したグリースは、製品の設計段階で複数の種類を塗布して比較試聴したうえで、特に音質的に優れたものを採用しております。弊社としても低温時の動作について認識をしておりますが、GT-5000の音質を決定するうえで重要な機能部品として音質を優先して採用に至りました。ご使用の上でご不便をおかけする場合がございますことを、深くお詫び申し上げます」と説明。

対策として、まずはセンタースピンドルの軸に塗布されたグリースが暖まり本来の性能を発揮するまで、室温20度程度を目安とし、室温が均質になるまで部屋を暖めてから使用することを推奨。

許容動作温度については、室温ではなくセンタースピンドル部の温度となるため、室温に追従した製品の温度上昇に時間を要する場合があるとのこと。環境にも依るとしながらも、製品内部が5度程度に冷えた状態から、グリースの温度が動作許容温度に達するまでは20度に均一に温められた部屋で90分程度の時間を要する場合という。

また回転の始動時には最も負荷が大きくなるため、ターンテーブルを回転方向にゆっくりと手で回す動作を試すと動作補助となる、と案内している。