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大友克洋全集、1月21日から刊行開始

「OTOMO THE COMPLETE WORKS」メインビジュアル
(C)2022 MASH・ROOM (C)1983 角川映画

講談社は、漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルにとらわれず、世界的なタイトルを次々に生み出す大友克洋氏の全集「OTOMO THE COMPLETE WORKS」第1期・第1回配本を、2022年1月21日から刊行開始する。第1期・第1回配本は「第8巻『童夢』(漫画)」と「第21巻『Animation AKIRA Storyboards 1』(アニメ映画『AKIRA』絵コンテ集 第1巻)」で、価格は第8巻が2,970円、第21巻が4,400円。

「AKIRA」
(C)1988 マッシュルーム/アキラ制作委員会

第1期は全6回刊行予定で、ラインナップは次のとおり。第2回配本の価格は、第2巻が3,190円、第22巻が4,400円。以降の価格は刊行日の2カ月前ごろの予約開始時に告知される。判型はB5判変型サイズ。

  • 第1回配本(2022年1月21日)
    第8巻『童夢』(漫画)
    第21巻『Animation AKIRA Storyboards 1』(アニメ映画『AKIRA』絵コンテ集 第1巻)
  • 第2回配本(2022年3月予定)
    第2巻『BOOGIE WOOGIE WALTZ』(漫画)
    第22巻『Animation AKIRA Storyboards 2』(アニメ映画『AKIRA』絵コンテ集 第2巻)
  • 第3回配本(2022年5月予定)
    第3巻『ハイウェイスター』(漫画)
    第25巻『Scripts 1』(シナリオ集 第1巻)
  • 第4回配本(2022年7月予定)
    第20巻『Animation AKIRA』(映像Disc付き書籍)
    第4巻『さよならにっぽん』(漫画)
  • 第5回配本(2022年9月予定)
    第5巻『Fire-Ball』(漫画)
    第35巻『The Live Action 蟲師』(映像Disc付き書籍)
  • 第6回配本(2022年11月予定)
    第1巻『銃声』(漫画)

大友氏自身が企画し、時代順に全作品をまとめた全集。「日本から世界中に衝撃をもたらした『AKIRA』をはじめとした、まったく新しい表現方法の集積は、一人の作家のパーソナルな仕事集というだけでなく、1970年代から現代までの漫画、アニメ、映像までをも含む、現代文化の冒険を愉しめる作品集と言える」という。

大友氏は「長らく過去の単行本が絶版状態にあり、これまで各社から再販や選集出版のお話をいただきました。それなら自分の仕事をまとめた全集を自分の思うような形で作りたいと思い、本プロジェクトがスタートしました。自分でプロデュースするなら、自分が生きているうちにということになりますので、今のタイミングかなと」とコメント。

「銃声」
(C)2022 MASH・ROOM
「童夢」
(C)2022 MASH・ROOM

また編集部からは「世界的なタイトルを次々に生み出す、漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルにとらわれない創作者の顔を持つ大友克洋氏。その創作とプロデュースのすべてを、作者である大友克洋氏自身が時代順に俯瞰、総括、そしてリ=プロデュースするのが『大友克洋全集』です。それは多様な『全仕事』を収録した『作家・大友克洋』の底本ともなります」とのコメントも発表されている。

「さよならにっぽん」
(C)2022 MASH・ROOM
「ハイウェイスター」
(C)2022 MASH・ROOM
「宇宙パトロール・シゲマ」
(C)2022 MASH・ROOM

第1期全11巻購入特典として「大友克洋オリジナルデザイン 全集特製Tシャツ」が用意されるほか、各巻ごとに異なる初版限定「大友克洋デザインステッカー」を封入。巻末には大友氏自身の解説入りタイトルも用意される。

大友氏自らがコンセプトを担当した装丁は、発売日当日に発表される。

大友克洋コメント

長らく過去の単行本が絶版状態にあり、これまで各社から再販や選集出版のお話をいただきました。それなら自分の仕事をまとめた全集を自分の思うような形で作りたいと思い、本プロジェクトがスタートしました。自分でプロデュースするなら、自分が生きているうちにということになりますので、今のタイミングかなと。

そして、どうせ出すならコンプリートワークスということで、全部をまとめてみたいと考えました。マンガだけでなく、アニメーションや実写映画などの仕事もやっていますし、イラストも描いてますし、原作の提供やシナリオなどもあるので、それらもひとまとめにしたいなと。

これまで色々な人が全集を発表しています。例えば手塚治虫さんの場合、手塚さんはマンガ以外の仕事も多くされてるんですが、全集にはマンガしか収録されていません。それはその人の仕事の全集としては不完全なのではないかという気がしていました。もしかしたらシナリオ集なんかはあまり売れないのかもしれませんが、ひとまず形にはしてみたいなと思ってラインナップに入れています。

マンガというのは、コンテンツとして非常に広い展開をします。

アニメ化、実写化、小説化、ゲーム化やパチンコなど……。私の作品はパチンコの展開はないですが。そのように展開した部分でも、携わってきたものも全て含めた構成になる予定です。

最近はパブリックアートなども手掛けているんで、自分の仕事もさらに多様化していますね。そのためになかなかマンガが描けていません。勿論これから描く作品、撮る映画などもあります。それらをどこまで含めて〈全集〉とするのか、実は現段階ではまだ決めていません。とはいえ、どこかで確定しなくてはいけないですね。

また、可能な限りにはなってしまいますが、作品は制作順に時系列で収録していきます。

そうすることで、作家としてどのように変化してきたかも追えるようになるので、本当は収録したくなかった古い作品や実現しなかった作品、未完のものも、出し惜しみせず全てお見せいたします。

自分でも過去作品を見直すことはあまりないので、全て見るのはこの編集作業で初めてになると思います。ヘタすると忘れている作品もあるので、見直すと面白いですね。最初の頃から見ていくと、自分でも絵が上手くなっていく過程が判ります。描き方が変わっていったりテーマが変わっていったり、試行錯誤している様子も判ります。色々な見方が出来るので、皆さんにも楽しんでいただけるのではないでしょうか

編集部コメント

世界的なタイトルを次々に生み出す、漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルにとらわれない創作者の顔を持つ大友克洋氏。

その創作とプロデュースのすべてを、作者である大友克洋氏自身が時代順に俯瞰、総括、そしてリ=プロデュースするのが「大友克洋全集」です。

それは多様な「全仕事」を収録した「作家・大友克洋」の底本ともなります。

同時に、日本から世界中に衝撃をもたらした新しい表現方法の集積は、一人の作家のパーソナルな仕事集というだけでなく、1970年代から現代までの漫画、アニメ、映像までをも含む、現代文化の冒険を愉しめる作品集とも言えるでしょう。

時代によって何が生み出されたか。

作家は時代に何を見て、考えてきたのか。

そして作家は、次に何を試みていくのか。

――――作品から発言までを網羅することで、作家としての進化を明らかにし、次の世代の創作者へその姿勢を伝えていく。この全集は作家自身が自らを「作品化」し、手ざわりも含むモノとして記録する、まったく新しい全集となります。