ニュース

岩波ホールが7月閉館。ミニシアターの先駆け、54年の歴史に幕

岩波ホール

ミニシアターの先駆けともいわれる東京・神保町の岩波ホールが、2022年7月29日で54年の歴史に幕を下ろす事となった。新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、「劇場の運営が困難と判断した」という。

岩波ホールは、1968年2月から多目的ホールとして開館。故・川喜多かしこ氏と、ホール総支配人の故・高野悦子氏が名作映画上映運動「エキプ・ド・シネマ」を発足。インド映画の「大樹のうた」を上映し、単館映画館として展開。これまで、65カ国・271作品を上映してきた。

日本では上映されることの少ない、アジア・アフリカ・中南米など欧米以外の国々の名作の紹介や、大手興行会社が取り上げない名作も上映。日本で初めて各回完全入れ替え制、定員制を実施したり、予告編上映の際に企業コマーシャルを流さない、予告された上映期間の途中打ち切りをしないなど、いくつかの原則をもって運営している。

「54年間の長きにわたり、ご愛顧、ご支援を賜りました映画ファンの皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます」とのコメントが発表されている。