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沢田工業、マイクでレコード音を拾う「MEMSカートリッジ」

沢田工業は29日、マイクを使った独自のレコード用カートリッジ「宮司式MEMSカートリッジ」の開発に成功し、4月1日より予約受付を開始すると発表した。受注生産で、価格は55万円。

MEMSマイクでレコード針が音溝をこする音を拾うことでレコード盤に刻まれた音をそのまま取り出すという、特許技術を用いたカートリッジ。従来のカートリッジと比べると、「原音に忠実で臨場感のある音を表現できる」特徴があるという。また同方式を採用したカートリッジは世界初と謳う。

このMEMSマイクはコンデンサー型のため電源が必要で、専用のヘッドアンプと組み合わせて使用する。

宮司式MEMSカートリッジは、特許技術の発明から構成部品の製造、完成まで、製品化に至るすべてを静岡県浜松市の中小企業が連携して行なっているのも特徴。

特許技術の発明、カートリッジの組み立て・検査は38空間・宮司正之、カートリッジ本体の黒檀の精密切削加工はジーアクト、そしてアンプベースのピアノ鏡面仕上げはピアックスが行なっている。注文はウェブサイトで受付。また製品モニターを6月30日まで3名まで募集しているという。

周波数特性は12Hz~35kHz、出力電圧は250mV(1kHz)、出力インピーダンスは350Ω、チャンネルセパレーションは25dB(1kHz)。針先形状はソリッド・ダイヤモンド/ラインコンタクトで、カンチレバーはφ0.28mmボロン。針圧は1.5g。自重は10g。外形寸法は17×29×14mm(幅×奥行き×高さ)。