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ガンダム「ククルス・ドアンの島」、子供が20人に増えた理由とは!?
2022年4月7日 07:00
6月3日より劇場上映される映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」に登場する、ドアンが養う20人の子供たちの設定画が公開。TV版では4人だった子供たちが20人に増えた理由や、TV版「機動戦士ガンダム」第15話「ククルス・ドアンの島」について、安彦良和監督のコメントも到着した。
また、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」とのコラボキャンペーン、「機動戦士ガンダム アーセナルベース」に関する情報が公開されている。
ククルス・ドアンが養う20人の子供たち
アムロが任務で訪れた通称「帰らずの島」で出会った子供たちは、戦争で親を亡くしてククルス・ドアンに引き取られ、肥沃とは言えない島を耕し、貧しいながらも助け合って暮らしている。屈託のない笑い声が飛び交うが、それぞれ心の傷を抱えている。
安彦監督は「TVの回でもいっぱいいたと思っていたら、ロランという女の子を入れても4人しかいない。でもそれだと絵にならないんですよね。要するに私設孤児院みたいなものですから。それで脚本の根元歳三さんに『子供は20人は登場させてください』と言ったんです。これは非常にめんどくさいと承知しながら、総作監もやってくれている田村(篤)さんにキャラクターデザインをお願いして。そうしたらあっという間に20人分が上がってきて(笑)。それはもういいキャラで、あれはありがたかったですね」と振り返る。
加えて、「話の中心になるドアンは、TVアニメだと南の島でトラウマを抱えながらも4人の子供と暮らしていましたが、映画ではまた違った印象になっていると思います。子供たちの生活感が出れば、当然ドアンも優しい生活臭のあるキャラになりますからね。そういう意味でも子供はいっぱいいなきゃダメということですね。彼の中にも相当深いトラウマがあると思いますよ。20人の戦災孤児を引き取っているわけですから、それぞれに厳しい現場があったはずで、そのひとつひとつがトラウマになっているはずなんだよね。」と語った。
テレビアニメ「機動戦士ガンダム」第15話「ククルス・ドアンの島」について
映画化の話が来たわけじゃなくて、僕からお願いしたんです。TVシリーズの第15話『ククルス・ドアンの島』は意外と引きがあって、何よりいい話なんだよなという印象があったんですよね。ただ、不遇の作品にはなってしまっていた。ずっと気にはなっていたんですよ。
それを偶然思い出すきっかけがあって、サンライズの先代の社長と現社長がたまたま同じ場所におられたときに、直に映像化の提案をしたら『いいですよ』と快諾してもらったんです。
映画のストーリーは基本的にTVと同じで、ラストはセリフ回しも同じなんです。とても印象深いラストで、よく言われる『愛するものを守る』といった絶対正義のテーマに対して、『本当にそうですか?』と疑問を投げかけている。
第15話の脚本を手掛けられた荒木(芳久)さんがどういう意識でお書きになったのかわからないけど、非常に大きなテーマを秘めたエピソードだと思います。
僕はファーストガンダム、『機動戦士ガンダム』という作品は、とても大きな状況の中に放り込まれた〈小さな者達〉のドラマとよく言うんですよね。ホワイトベースのクルーたちも名もなき〈小さな者達〉で、彼らは翻弄され大役を担わされながらもその中で頑張る。それが『ガンダム』のスタイルだと思うんです。
富野由悠季監督は原案段階で『漂流記』と呼んでいたんです。それがさらに象徴的に表れているのが『ククルス・ドアンの島』なんです。