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ヤマハ、10mmドライバ搭載で耳の健康も考えたTWS「TW-E7B」
2022年6月7日 13:00
ヤマハは、完全ワイヤレスイヤフォンの最上位モデル「TW-E7B」を6月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は33,000円前後。アクティブノイズキャンセリング機能も搭載。カラーはダークブルー、ブラック、ホワイト、ベージュを用意する。
「アーティストの意図したとおりに音を表現し、音楽を聴くユーザーの感情を高める」というTRUE SOUNDフィロソフィーを、イヤフォンにも適用。音質はTRUE SOUNDチームによってチェックされている。
ヤマハの完全ワイヤレスで最大口径となる、約10mmのダイナミック型ドライバーを搭載。振動板の応答性を高めるためにポリウレタンを活用しているほか、剛性を高めるために特殊コーティングも施し、大型ボイスコイルも組み合わせる事で、振幅をコントロール。信号に対する正確な応答を実現し、抜けの良い高域を実現したという。
筐体は、不要な振動や反響の干渉が起きにくい内部構造を採用。ユニットからノズルまでの通路の途中で、音をできるだけ遮らないよう配慮。アクティブノイズキャンセル用のマイクも筐体内に設置しているが、そのマイクが音の通り道を妨げないように、ドライバーに対して、マイクを垂直に配置する工夫もしている。
ドライバー前面と背面に音響用の空気穴を設け、筐体内部の空気を綿密にコントロール。ドライバーユニットの性能を最大限に引き出している。
筐体は楕円形のデザインで、イヤホンを回転させて装着することで、自分にフィットする場所を見つけられるという。さらに、耳穴の「対耳珠から後耳介溝」しっかりとフィットする“くぼみ”を側面に用意。耳の対輪・対珠部分に圧力をかけて保持するのではなく、その部分の圧力(ストレス)を緩和させることで、長時間装着しても負担が少ないという。イヤーピースはXS、S、M、L、XLの5サイズが付属する。
ヤマハならではの機能として、「リスニングオプティマイザー」を搭載。同社のAVアンプに搭載している自動音場補正「YPAO」と同じアプローチをイヤフォンで行なうもので、音の聞こえ方は外耳道の形によって異なり、個人差がある事に注目。イヤフォン内部のマイクを使い、音の聞こえ方を測定。測定されたサウンドと参照サウンドを比較し、周波数特性を補正してくれる。
「アドバンスドアクティブノイズキャンセリング」も搭載。ノイズ成分だけでなく音楽信号にもキャンセリング処理を掛けてしまう通常のANCとは異なり、ヤマハが独自開発したアルゴリズムにより、インマイクで収音した信号と再生音楽信号を解析し、ノイズ成分を推定しフィルタ処理することで、ノイズ信号と音楽信号を分離して減算処理。ノイズを低減しながら、音質への影響を最小限に抑えられるという。外の音を取り込みながら音楽と一緒に聴くことができる「アンビエントサウンド」機能も採用している。
耳の健康を守るための「リスニングケア(アドバンスド)」も搭載。人間の耳は、小さいボリュームほど低域と高域が聞こえにくくなるという特徴があり、つい、低域と高域が聞こえるようにボリュームを上げてしまい、耳に負担がかかるという問題がある。
リスニングケア機能では、音量に合わせて音のバランスを最適に補正。新機能であり、上位機能でもあるリスニングケア(アドバンスド)では、通常のリスニングケア機能に加え、「コンテンツの音量」や「周りの騒音(フロアノイズ)」の変化をインテリジェントに解析し、音量やリスニングケアのパラメーターを自動的にコントロール。常に最適なバランスで音楽を再生できるという。
なお、既発売「TW-E5B」のリスニングケアは、ボリュームが小さい時のみ動作したが、TW-E7Bのリスニングケア(アドバンスド)は常時作動し、常に最適な音質で再生するという。この機能はON/OFFが可能。常時作動/小音量時のみ動作を切り替える事はできず、常時作動のみとなる。
筐体デザインは、大きい円と小さい円を組み合わせた幾何学的な形状を採用。金属やしぶき塗装仕上げを採用し、「高品質で確かな音やクラフトマンシップを感じるデザイン」に仕上げたという。
QualcommのオーディオSoCを採用し、左右独立伝送方式のTrueWireless Mirroring に対応。左右のバッテリー残量を判断し、効率よくバッテリーを消費するロールスワッピング機能にも対応する。
通話用には、cVc(Clear Voice Capture)機能と、音声の収音用に高性能MEMSマイクを搭載。スマートフォンやタブレット端末で映像コンテンツへの没入感をより高める「ゲーミングモード」(低遅延モード)も用意する。
BluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptX Adaptiveに対応。IPX5の防水仕様。バッテリーの持続時間は本体のみで6時間、充電ケース併用で16時間。イヤフォンの重量は7.3g。
どちらか一方のイヤフォンを耳から外すと自動で音楽が一時停止し、再び装着すると自動で再生を開始する装着検出機能(インイヤーディテクション)を搭載。専用アプリ「Headphone Control」を使うと、前述のリスニングケア(アドバンスド)のオン/オフやバッテリー残量の確認、イコライザーによる音質調整などが可能。
音を聴いてみる
短時間ではあるが、試聴したので音の傾向をお届けする。スマホとペアリングし、Amazon Music HDアプリから「YOASOBI/ハルカ」や「藤井風/まつり」を試聴した。
ヤマハの完全ワイヤレスで最大口径という約10mmのダイナミック型ドライバーが効いており、非常に音圧豊かで、沈み込みも深い低音が楽しめる。「藤井風/まつり」のベースは、迫力満点の押し出しの強さを持ちながら、ベースラインがうねるように動く様子も細かく描写される。口径が大きいだけでなく、剛性が高く、トランジェントも良いため、低域が過度に膨らまず、タイトさも兼ね備えており、“迫力と情報量”が両立した低音になっている。
パワフルな低域が押し寄せるシーンでも、中高域はクリアに描写されており、低域に負けていない。音場の描写力も十分だ。