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キヤノン、Webカメラにもなる業務用4Kカムコーダー。約21.8万円から

業務用4Kカメラ「XA60」

キヤノンは、業務用4Kビデオカメラの新製品として、小型・軽量な「XA60」と、1インチCMOSセンサー搭載の高画質機「XA75/XA70」を10月上旬より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、XA60が217,800円前後、XA70が282,700円前後、XA75が341,000円前後。

放送局を中心としたニュース取材やドキュメンタリー番組、イベントでの撮影など、高画質と機動力が求められる撮影現場において使用されている、同社カムコーダー「XA」シリーズの最新モデル。

従来の基本性能を継承しながら、新たにUSB接続で映像伝送を可能にする「UVC(USB Video Class」規格をサポートし、ストリーミング配信需要にも応える仕様となった。

3機種共通の新機能

最大のトピックが、新たにUVCをサポートしたこと。従来は市販されているHDMI-USB変換機をPCとカメラの間に組み合わせる必要があったが、UVC対応となったことで、カメラとPCをケーブル1本で接続可能に。

接続するだけでWebカメラとして認識されるため、特別なソフトを導入することなく、企業でのWeb会議やオンライン授業等にも使用できるという。またUSB-C給電も行なえるようになった。

前モデルからLCDモニターとEVFの画質が向上。LCDモニターは3.5型・約276万ドット(従来は約46万ドット)、EVFは0.36型・約177万ドット(従来は0.24型・約156万ドット)に変更された。

また監視用途向けの機能も拡張。撮影映像上に日時やタイムコードなどを重ねる表示文字記録のほか、600倍・800倍のデジタルズーム機能も備えた。

小型・軽量な「XA60」

4K対応1/2.3型CMOSセンサー、光学20倍ズームレンズ、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV 6」を搭載したカメラ。2019年発売「XA40」の後継機種。

外形寸法/重量は、約109×182×84mm(幅×奥行き×高さ)/約740g。小型・軽量のボディながら、広角約29.3mmから望遠約601mm相当のズーム全域で最大4K/30p映像の撮影を可能にした。

4Kセンサーから得られる情報を活用したフルHD記録「Over Sampling HD Processing」により、高解像なフルHD/60p撮影も行なえる。

1.0型CMOSセンサー搭載の「XA75/XA70」

1インチセンサー搭載の上位モデル「XA75」。SDI端子も備える

4K対応1.0型CMOSセンサー、光学15倍ズームレンズ、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV 6」、独立3濃度NDフィルターを搭載した上位モデル。両機の違いはSDI端子の有無(XA75のみSDI搭載)。2019年発売「XA55」の後継機種。

広角約25.5mmから望遠約382.5mm相当のズーム全域で高画質な4K/30p映像を実現。大型センサーならではのボケ味を生かした印象的な映像表現や、低照度でも明るくノイズの少ない高感度撮影が行なえる。

4K60p撮影可能な映像制作向け4Kリモートカメラも

業務用4Kカムコーダーとあわせ、屋内型の4Kリモートカメラ「CR-N700」を発表、12月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は121万円前後。

4Kリモートカメラ「CR-N700」

近年映像制作市場で需要が高まる“IPリモートプロダクションニーズ”を受けて開発された、リモートカメラのハイエンドモデル。

光学15倍ズームレンズ、1.0型CMOSセンサー、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV7」など、業務用ビデオカメラで培った技術を生かしたキーデバイスを搭載。さらに、4K/60p 4:2:2 10bit記録もサポートし、高品位な映像撮影を可能とした。

また、同社の屋内型映像制作用リモートカメラとして初めて、HDR撮影をサポート。HLGとPQの2方式から用途に応じて選択できる。

動画撮影に適したAF動作と高い追従性が可能な「デュアルピクセルCMOS AF」に加え、リモートカメラシリーズとして初めて「瞳検出AF」「頭部検知AF」を搭載。より高速・高精度で安定した被写体検出・追尾を実現し、スポーツなど被写体の動作が激しい撮影でも粘り強くピントを追従できるという。

同社リモートカメラシリーズとして初めて「瞳検出AF」「頭部検知AF」を搭載
バーチャル映像を活用した番組制作にも好適とする

対応プロトコルは、独自IP「XCプロトコル」ほか、映像制作業界で普及する「NDI|HX」、次世代プロトコル「SRT」を標準対応。バーチャルプロダクションにおいても手軽に利用ができるよう、バーチャルスタジオソフトとの親和性が高い「free-d」プロトコルもサポートしており、高品位なVR/AR映像制作で活用できるとしている。