ニュース

ペア1,500万円、DALIの超ハイエンドスピーカー「KORE」降臨

DALIの超ハイエンドスピーカー「KORE」

国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2022東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。会期は10月28日~30日の3日間。入場無料だが、新型コロナウイルス感染症対策のため事前予約制。イベント最大の目玉と言えるのが、デノンブースに登場したDALIの超ハイエンドスピーカー「KORE」だ。

2022東京インターナショナルオーディオショウに来ました!

ペア1,500万円(税抜)の超弩級スピーカー

DALIが、通常のスピーカーとは異なり、一切の制約を取り払い、技術を結集して開発したというモデル。「これまでのDALI製品の頂点に立ちながらも、これまでのDALIの方向性の延長として」開発されており、「音楽の世界をさらに深く“視る”ことのできるスピーカーとして40年近くにおよぶDALIの全てを結集した」という。

外形寸法は448×593×1,675mm(幅×奥行き×高さ)、重量は160kgという迫力。インピーダンスは4Ω。感度は89dB@2.83volts。

開発にあたって、自社での製造能力を拡大。より多くの部品を現地で調達することでデンマークの企業を活用することを目指しており、筐体にはアルミダイキャスト、構造用複合材、セメントベースの樹脂複合材が使われているが、これらはすべてデンマーク中央部にあるDALIの生産施設から容易にアクセスできる場所にあるサプライヤーから調達している。

エンクロージャーは、薄い板を多数張り合わせ、プレスで曲げ加工を施した高強度なもの。湾曲した28mmのバーチ積層板のコアと、4mmのウッドコンポジットパネルで構成しており、パネルの共振を抑制。このエンクロージャーを作るにあたっても、デンマークの家具産業で長い歴史を持ち、高い評価を得ている曲面ウッドパネルの専門メーカーに投資。その技術を用いる事でKOREの持つ優雅な曲線美を可能にした。「地元のサプライヤーであれば、品質も良く、配送も確実で、コミュニケーションも容易」だという。

ドライバーはすべて新開発。5ドライバー構成で、11.5インチのSMCドライバーを使ったウーファー×2と、7インチのSMCドライバーを使ったミッドレンジ×1、35mmのソフトドームツイーター×1、リボンツイーター×1を搭載。仕様としては4ウェイだが、正確には“3ウェイ + 0.5ウェイ + 0.5ウェイ”と表現できる構成になっている。

DALIのスピーカーと言えば、「SMC(Soft Magnetic Compound)」がお馴染みだ。これは、磁気回路に用いている技術。磁気回路に砂鉄を使うのだが、鉄は磁気を通すだけでなく、電気も通してしまう。そこで電気抵抗の高いものにする工夫を行なうのだが、SMCでは、砂鉄の一粒一粒に化学的なコーティングを施している。これにより、高い透磁率と、低い導電率を実現している。

ウーファーとミッドレンジの磁気回路には、このSMCの“第2世代”を採用。従来と比べて2.5倍導電性、鉄の約25,000分の1の導電率となり、「ヒステリシス、磁束変調、渦電流をさらに大幅に低減し、損失と歪みのさらなる低減を実現した」という。

ユニットだけでなく、搭載しているネットワークのチョークコイルにもこのSMCを活用している。

細かなスペックやサウンドの紹介は、以前のニュース記事を参照のこと。東京インターナショナルオーディオショウの会場でも、圧巻の低域と、雄大な音の広がり、DALIらしいナチュラルなサウンドを楽しむことができる。

DALI、ペア1,500万円のスピーカー「KORE」。超弩級でも「DALIの音」