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AKのA級ポタアン「PA10」、Lotoo据え置きプレーヤー「Mjölnir」

Acoustuneが参考展示した「HS2000MX MK2」

e☆イヤホンは17日、秋葉原にてポータブルオーディオの展示・試聴イベント「ポタフェス 2022 冬 秋葉原」を開幕。期間は18日までの2日間。入場料は無料(事前登録なしのフリー入退場)。会場はベルサール秋葉原。ここでは、ピクセルやアユートなどのブースをレポートする。

ピクセル

「MADOO Typ512」

ピクセルのブースでは、マルチドライバー構成に特化したイヤフォンブランド「MADOO」の第2弾製品として、12月23日に発売する「Typ512」を聴くことができる。オープンプライスで、店頭予想価格は99,980円前後。

第1弾「Typ711」では、プラナードライバー「Micro Square PMドライバ“Planar”」にバランスド・アーマチュアドライバーを組み合わせていたが、Typ512では、ダイナミック型ドライバーを組み合わせることで、量感と迫力がある低音でありながら、余韻に引きずられない音という相反する項目を両立させるサウンドがテーマになっている。

チャンバーモジュール「ACT04」

Acoustuneブランドからは、ハイエンドイヤフォン「HS2000MX SHO -笙-」用の新しいオプションとして、ハウジングに金属(ステンレススティール)とスタビライズドウッド(樺木)のハイブリッド素材を使ったチャンバーモジュール「ACT04」が出展。12月23日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は102,680円前後。

HS2000MX SHO -笙-は、可動式アウターハウジングを備え、ユーザー自身が音響チャンバー部を交換できるのが特徴。このオプションチャンバーモジュールの第4弾製品が「ACT04」となる。

チャンバーモジュール「ACT04」

既発売のACT01やACT02では、10mm径日本製ベリリウム薄膜加工ドーム採用ミリンクスコンポジットドライバーを採用している。このドライバー振動版を変更。ハウジングに金属とウッドのハイブリッド構成との最適化の試みとして従来の振動板とは異なるアプローチで新開発され、「ACT03」で初採用された10mm径ミリンクスWSドライバーを、ACT04でも継続採用している。

赤いカラーの「HS2000MX MK2」

さらにサプライズの参考出品として、赤いカラーの「HS2000MX MK2」も展示。HS2000MX SHO -笙-と色味は異なるが、チャンバーモジュールが交換できる機構は共通。注目すべきは、HS2000MX MK2の内部に標準で搭載されるチャンバーモジュールで、筐体に銅を使っている点。

今後の展開についてはまだ未定だが、HS2000MX MK2が発売される時には、HS2000MX MK2に搭載されている銅を使ったモジュール単体でも発売する見込みで、既存のHS2000MX SHO -笙-を使っているユーザーも、そのモジュールを組み込めば、HS2000MX MK2相当のサウンドが楽しめるようになるという。

final

ZE8000

finalのブースで注目を集めているのは、全く新しい音楽体験“8K SOUND”を実現したという、発売されたばかりの完全ワイヤレスイヤフォン「ZE8000」だ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は36,800円前後。

finalの音響研究チームが、業界で長い間リファレンスとされてきた特性とは異なる新しい物理特性を発見。それに基づき、音楽が圧倒的に高精細に聴こえるサウンド「8K SOUND」を実現したという。

従来はドライバーの欠点の部分を補正する役割を果たしていたデジタル信号処理技術を、音質の向上に活用するべく、最適なドライバー「f-CORE for 8K SOUND」を開発。完全ワイヤレスイヤフォンで一般的なD級アンプは使わず、AB級アンプを搭載するなど、finalこだわりの技術を多数投入している。

有線イヤフォン「A5000」

自社開発ドライバー「f-CORE DU」を搭載した新しい有線イヤフォン「A5000」も出展。12月23日発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は32,800円前後。

f-Core DUは、部品だけでなく生産機器を含め、全て自社で開発・設計したドライバー。6mm径のダイナミックドライバーで、ドライバーフロントハウジングの素材に、一般的なアルミニウムよりも磁力の影響を受けにくく且つ比重の高い真鍮を使用。振動板の時間応答性能を高めるために、ボイスコイルは30μの超極細CCAWを使用し、最小限の接着剤で組み立てることで可動部を徹底的に軽量化している。

振動板は、通常の1/3程度の小ロットで丁寧にプレスすることで、圧力の偏りを最小限に抑え、歪みのない均一な振動板の成形を実現したという。

ag「UZURA」

agブランドの新モデルとして、「疲れないノイズキャンセリング」と「自然な外音取り込み」が特徴の完全ワイヤレスイヤフォン「UZURA(うずら)」も登場。12月16日にBLACK・MINT・STEEL・BORDEAUXの4色、12月23日にCORAL・SAND・BLUE MOONの3色を発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は9,980円前後。

2021年に発売した、シンプルな完全ワイヤレス「COTSUBU」をベースに、疲れないノイズキャンセリングと自然な外音取り込みをプラスしたアップグレードモデル。タッチ操作に対応したコンパクトな筐体は「3Dフィット設計」で、「どんな耳穴の方でも快適に装着できる」という。

Celeste

さらに、DITAのPerpetua向けの新たなケーブル「Celeste」も参考展示。DITAとオーディオ・ノートが連携して作り出したもので、導体には豪華に純銀を採用。「ハイスピードで透明感や広がりのあるサウンドでありながら、バターのように滑らかな音の深みも併せ持つ、これまでの銀線の概念を覆す革新的な仕上がり」になっているという。価格や発売時期は未定だが、40万円程度になる見込みだ。

アユート

AK PA10

アユートのブースでは、Astell&Kernブランド初となる、A級アンプ搭載のアナログ・ポータブルアンプ「AK PA10」が注目を集めている。2023年1月発売予定で、店頭予想価格は94,980円前後の見込み。

これまで培ってきたアンプ回路設計技術のノウハウを最大限活用したという、Class-A(A級動作)アナログアンプで、効果的な電源ノイズの除去、効率的なパワーマネジメントなどを可能にするという独自のTERATON ALPHAテクノロジーも活用。

3段階の設定が可能なClass-Aカレント(電流)コントロール、2段階設定でバランス出力時最大6.2Vrmsの出力が可能なゲインコントロール、元の音源ソースを劣化させることなくシームレスで洗練されたクロスフィード効果をもたらすというハードウェア・クロスフィードも搭載している。

さらに、AKのHi-FiポータブルUSB DACシリーズ第3弾「AK HC3」も展示。2022年12月~2023年1月の発売予定で、価格は未定だが、店頭予想価格は32,980円前後のイメージ。

スマートフォンなどに接続できる、コンパクトなUSB DACの新製品。「Hi-Fi Sound Anywhere」をスローガンとして開発され、初代モデルと第2弾モデルの長所を生かしつつ、より様々なシーンで“真のHi-Fiサウンドを楽しめるように機能を充実させた”という。

DACは、優れたノイズコントロールと低消費電力化を実現しているESSの「SABRE HiFi DAC ES9219MQ」をデュアルDAC構成で搭載。PCMで最大384KHz/32bit、DSD 256(11.2MHz)までのネイティブ再生に対応する。

AK HC3

Maestraudio(マエストローディオ)からの参考出品は、人気イヤフォン「MA910S」のケーブルを4.4mmのバランス入力対応にしたモデルと、Pentaconnを着脱式にしつつ、アルミのフェイスプレートを搭載したモデル。プレートの追加により、音にも変化があるという。

「MA910S」のケーブルを4.4mmのバランス入力対応にしたモデル
アルミのフェイスプレートを搭載したモデル

AZLAのブースでは、2つのゲーミングイヤフォンが出展。ダイナミック型×1基と、BA×1基を組み合わせたハイブリッドで、筐体だけでなくイヤーピースもスケルトンな「ARES」。

ARES

AZLAとqdcがタッグを組んだ「ERINYS」は、ハイエンドなゲーミングイヤフォンと位置づけられ、こちらもダイナミック型×1、BA×1を内蔵。イヤフォンの基本的な部分はqdcが手掛けているが、ノズルのフィボナッチフィルターなど、細部にAZLAの技術も使われている。

ERINYS

さらに、AZLAが手掛けるイヤーピース「SednaEarfit」新モデル「SednaEarfit formax」も参考出展。メッシュガードの部分まで柔らかく、全てがムニュッとつぶせるSednaEarfit MAXをベースとしつつ、フォームタイプになっている。

SednaEarfit formax

トップウイングサイバーサウンドグループ

iFi audioの「Uno」

iFi audioの新製品として、12月16日に発売されたばかりの、小型USB DACヘッドフォンアンプ「Uno」が注目を集めている。価格は14,300円。

外形寸法88×26×81mmという手のひらに収まるサイズと、曲線の筐体が特徴。上部な補強ポリマー製で、「洗練されたDACとヘッドフォンアンプ回路を搭載しており、あらゆるデジタル端末の最低限のオーディオ品質をアップグレードする」という。重量は92g。

入力端子はUSB-Cで、Windows PC、macOS、スマートフォンやタブレットと接続可能。出力は、RCAのラインと、3.5mmのヘッドフォン。DACチップはESS製の「ES9219MQ/Q」で、32bit HyperStream IIIアーキテクチャを搭載。このDACチップとQuad DAC+、Time Domain Jitter Eliminator技術、iFi独自のクロック回路と特別な水晶発振器による組み合わせにより、「超低歪み、優れた透明度、素晴らしいダイナミックレンジを実現した」という。

Lotooの据え置き型デジタルオーディオプレーヤー「Mjölnir」

さらに、Lotoo新製品として、据え置き型のデジタルオーディオプレーヤー「Mjölnir」も登場。

詳細な仕様・発売時期・価格ともに未定だが、DACチップに旭化成エレクトロニクスの「AKM4499」を搭載した据え置きのオーディオプレーヤーで、豊富な入出力を持ち、Wi-Fi搭載によりストリーミングにも対応するという。

その他

ヤマハのブースでは、12月下旬発売のハイエンド有線ヘッドフォン「YH-5000SE」を出展。独自の「オルソダイナミックドライバー」を搭載し、クリアでハイスピードな再生が可能。価格は495,000円。

ヤマハのハイエンド有線ヘッドフォン「YH-5000SE」

BriseAudioのブースでは、開発のオリジナル線材を採用したオーディオ向けUSB-Cケーブル「ACCURATE-USB」を紹介。導体には特別な高純度単結晶銅を採用。ケーブル外周の銅編組シールド、アルミ箔/PET複合フィルムシールドの2重シールドに加え、データ通信用の芯線には追加で銅編組シールドを施した。外来ノイズだけでなく電源線とデータ通信線の相互干渉の対策にもなるという。

オーディオ向けUSB-Cケーブル「ACCURATE-USB」
ポータブルアンプの新製品が各社から登場していることに伴い、ミニミニの「YATONO-MINI Rh2」も注目を集めている

GREEN FUNDINGのブースでは、製品化に向けたクラウドファンディングを実施している、コニー電子の、“大部分を紙で製作した”スピーカー「Koala A-1」を展示中。

音響的に不要な響きを出しにくい紙の性質を活用。紙加工で独自のノウハウを持つマルタ工業と協業し、コニー電子のスピーカー設計技術と組み合わせることで本体のキャビネット部分を含め大部分を紙で製作したスピーカーの実現に向けて挑戦。

「職人の手作業とレーザー加工を組み合わせることで本体の約95%(体積比、電子部品部分を除く)を紙で構成したフロア型のスピーカーを試作製作ができた」という。

スピーカー「Koala A-1」

NUARLのブースでは、空間オーディオに対応した完全ワイヤレスイヤフォンを参考展示。製品化する際には、筐体は違うものになり、内部も、頭の傾きなどを検知するセンサーをより増強する予定だが、現状でも空間オーディオのコンテンツを臨場感豊かに再生できるという。

空間オーディオに対応した完全ワイヤレスイヤフォン

さらに、Pentaconnのリケーブルケーブルに対応したハイレゾ対応の有線イヤフォン新モデル「X247(仮称)」も参考展示。金属筐体を採用しつつ、音のチューニングを重ねている段階で、来場者からの意見も踏まえ、製品化を目指しているという。

有線イヤフォン新モデル「X247(仮称)」

ハーマンインターナショナルのJBLブースには、eスポーツのコーナーが登場。JBLがサポートしているFAV gaming(ファブゲーミング)とのコラボイベントで、ストリートファイターリーグ出場中のsako、ときど、ボンちゃん、鶏めし、りゅうせい選手が登場。来場者がプロの選手と戦うことができ、勝利すると「JBL QUANTUM」のゲーミング製品がプレゼントされるという企画。あこがれの選手と戦いたい来場者が、多く詰めかけていた。

FAV gamingの選手と戦えるJBLブース
選手に勝つと、「JBL QUANTUM」のゲーミング製品をプレゼント