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U-NEXTとParavi統合。国内勢最大の動画配信サービス誕生へ

U-NEXTは、有料動画配信サービス「Paravi」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)と3月31日付で経営統合することで合意した。これにより、売上高800億円以上、有料会員数370万人以上、配信コンテンツ35万本以上を擁する、国内勢で最大の動画配信プラットフォームが誕生する。存続会社はU-NEXTで、Paraviは同年7月を目途に、U-NEXT内に移管してサービスを継続する。

ネット系と放送系それぞれの動画配信大手の統合は国内初。今回の経営・サービス統合は「国内No.1プラットフォームを目指すうえで、戦略的なシナジーを生み出せるパートナーだと双方判断し合意に至りました」とのこと。

U-NEXTの既存ユーザーは、7月を目処にしたサービス移管移行、U-NEXTの月額プランでParaviのコンテンツを利用可能。

Paraviの既存ユーザーは、6月末までは現行のアプリやWebブラウザで現在提供されているコンテンツを楽しめる。サービス移管後は、当面、現行料金のままParaviとして提供しているコンテンツに加えてU-NEXTのコンテンツも視聴できるようになる(一部対象外のジャンルあり)。

コンテンツ面で、U-NEXTは映画やアニメ、欧米・韓流ドラマ、ライブ配信などに強みを持つほか、雑誌約180誌が読み放題など豊富な領域をカバーしている。一方のParaviはTBS、テレビ東京やそれぞれの系列局の先行・見逃し・アーカイブ配信、オリジナル作品を中心とする日本最大級のドラマ・バラエティのラインナップを揃えているのが特長。

プロモーションやマーケティング面でも様々な相乗効果が期待できるといい、放送を使った強力なマス広告と、ネット上でのきめ細かいデジタル広告、さらにU-NEXTが提携する映画館や家電量販店などのリアル店舗網を組み合わせることにより、コンテンツのPRや顧客獲得の機会を最大化可能に。また両社の開発リソースを使い、ARやVRなど新技術を活用した新たなサービスの開発に取り組む。

新プラットフォームはネット系と放送系のそれぞれの強みを活かし、「引き続き他の放送会社、IT・ネット企業とも協力・連携するオープンな方針を貫き、日本の優れた映像文化の発展に寄与するよう努めていく考えです」という。

経営統合の手順イメージ

あわせて、U-NEXTとTBSホールディングス、TBSテレビ、テレビ東京との間で、それぞれコンテンツ調達やマス向けプロモーション等に係る協業内容を定めた業務提携契約を、U-NEXTと電通、博報堂DYメディアパートナーズとの間でそれぞれ動画配信プラットフォームを活用した広告等に係る協業内容を定めた業務提携契約も締結された。

このうち、テレビ東京はU-NEXTとの業務提携について「コンテンツ編成、マーケティング、クリエイティブ・開発の3分野に広がるもので、両社は協力して放送・配信・エンターテインメントを組み合わせた事業成長を目指す」とコメントしている。

具体的に、コンテンツ分野ではU-NEXTが強みを持つ映画や欧米・韓流ドラマに、テレビ東京のドラマ・バラエティなどを加えてラインナップを充実させ、幅広いユーザーの要望や好みに応えるという。

マーケティング分野では、テレビ東京の番組編成と連動して、U-NEXTでも関連特集を編成するなど、ユーザーの利便性に沿ったサービスを提供。クリエイティブ・開発分野では、視聴データなどを活用し、利用者の興味や関心に基づいたオリジナルコンテンツやIP(知的財産)を共同で開発・制作する。

また、U-NEXTとテレビ東京は定期的に提携内容を話し合う協議会も立ち上げ、「3分野にとどまらず、さまざまな分野でも協力を進め、シナジー効果を高めていく」という。これら連携の枠組みには、PPJに出資する日本経済新聞やテレビ東京系列のテレビ大阪、テレビ愛知、TVQ九州放送、テレビ北海道も参画する予定。

あわせてU-NEXTの堤天心社長、テレビ東京の石川一郎社長からもコメントが発表されている。

堤天心・U-NEXT社長のコメント

テレビ東京の良質なコンテンツ、マスメディアを通じたプロモーション、両社の強みを生かした共同開発・制作を通じて、動画配信サービス「U-NEXT」の利便性・満足度をさらに高めてまいります。テレビ局と配信サービスとの相乗効果により最高のメディア体験をお届けしてまいりますので、ぜひご期待ください。

石川一郎・テレビ東京社長のコメント

U-NEXTと協力して、コンテンツの質や品ぞろえ、使いやすさの点で、利用者のみなさまにとってベストなサービスをお届けいたします。今回の提携を通じ、テレビ東京としても新しいメディアサービスの開発を含め、動画配信事業のさらなる成長を目指します。