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DAZN×DMMプレミアムで月額2,980円のセットプラン。月1,270円お得

DMMは、「DMMプレミアム」に新しい2つのセットプランを用意。3月23日から、DMMプレミアム(単体月額550円)と「DAZN Standard」(同3,700円)がセットになった「DMM×DAZNホーダイ」を月額2,980円で提供する。個別に契約した際の4,250円より、月1,270円お得となる。

もう1つのセットプランは「pixivプレミアム」(月額550円)と組み合わせるもので、3月8日から提供開始。「DMM×pixiv推しホーダイ」というプラン名で、DMMプレミアムとpixivプレミアムの両方が月額980円で利用できる。

DMMは、アニメを主軸にバラエティや2.5次元舞台、ドラマなども用意する、新たな定額制動画配信サービス「DMM TV」を昨年12月1日からスタート。月額550円でDMMプレミアムの会員になると、DMM TVの見放題作品が楽しめる。

初回数カ月間は、DMMポイントを550円分(550ポイント)付与。ポイントはPPV作品購入に加え、DMMのゲームなどを含めた各サービスで使用できる。また、DMMが既に提供している様々なサービスで、DMMプレミアム会員特典が受けられるのも特徴。デジタルコマースが展開するアダルト作品の配信サービスであるFANZA TVにおいて、対象作品も見放題になる。

DMMは「マルチエンタメプラットフォームとしてエンタメ体験を拡充」

DMM.comの村中悠介COO

発表に先立って行なわれた記者会見で、DMM.comの村中悠介COOは「この度、DMMはマルチエンタメプラットフォームとして、pixiv、DAZNとともに、さらにエンタメ体験を拡充していきます」とセットプラン提供の意図を語った。

このうちDAZNとは戦略的パートナーシップを締結。バンドルプラン提供に加えて、DMM TV内でDAZNが配信中の一部スポーツコンテンツの配信、オリジナル番組としてスポーツを題材としたアニメや漫画の特集、スポーツ番組の配信も検討していく。

DAZNとの連携について、村中COOは「もともとDAZNには(サッカー)ベルギーリーグを配信していただいておりまして、DMMが経営しているシント=トロイデンの試合もDAZNで毎試合観ることができます。そのつながりもあって、最初にご相談させていただきました」という。

「DAZNでも過去にアニメが配信されていたと思います。DAZNとしても(スポーツとは)違うエンタメとして、アニメを選ばれたのではないかと思います。そういう意味では、全世代で観るようなスポーツコンテンツと、全世代で観るようなアニメコンテンツのお互いの強みを活かせるというのが、今回の提携の最大の強みだと考えております」と語った。

pixivとの連携については「DMMは、DMM TVなどのマルチエンタメプラットフォームを通じて、アニメーター、漫画家、イラストレーター、VTuberなど多様なクリエイターが主役となる世界を目指しております。そこで、長年クリエイターの活躍の場を提供してきたピクシブとともに、さらにクリエイターが活躍できる場所を一緒に作っていきます」とコメント。

また村中COOは「そもそもpixivさんとは取引がありましたし、國枝(信吾ピクシブ代表取締役)さんとも以前から交流がありました。(pixivは)クリエイターが集う巨大プラットフォームですので、何かしら大きなことができないかなと思っておりました。特にアニメ、漫画を強みとして、DMM TVは打ち出しているので、必ずユーザーの親和性があると思っていました」

「そんな折にご相談させていただいたときに、まだサービスが構想段階だったころから賛同いただいて、徐々に話を詰めていって、今日の発表に至りました」

DAZN Japan Investmentの山田学エクゼクティブ バイスプレジデント

DAZN Japan Investmentの山田学エクゼクティブ バイスプレジデントは「DMMはオンラインエンターテイメントプラットフォームで、多種多様なサービスを展開している上に、サッカーチームも所有していて、スポーツに対する思いも強いことは以前から知っていました」と語った。

「村中さんとお話をさせていただくなかで、両社が抱えているユーザーが被っているところが少ないのではないかと思いました。DMMさんのお客さまと、我々のお客さまでは、興味関心で言うと、そんなに重複もなく、私たちの立場から言えば“自社ではリーチできない層”に対して、DMMさんのサービス・プラットフォームを通じてリーチできることが、(提携すると)判断した大きいポイントです」

DMMの村中COO(左)とDAZNの山田エクゼクティブ バイスプレジデント(右)

「DMM TVで今後いろいろなコンテンツを展開していく相談もしていますので、今あるスポーツの試合を流すだけにとどまらず、もしかしたら一緒に番組を作ったり、オリジナルの企画を作ったり、そういったこともあるのではと思っています。そういったリーチと今後のコンテンツ展開に関する広がりに期待しています」

ピクシブのユーザー年齢層

ピクシブの國枝代表取締役は「pixivのユーザーの年齢分布は20~30代が8割を占めておりまして、この層はDMM TV、DMMプレミアムのメインターゲットとマッチしていると考えております。双方にとって、とても意義のある協業になると考えております。DMM TVの主力コンテンツであるアニメや2.5次元舞台などとも相性が良いのではないかと思っており、その点でも意味のある協業ができるのではと思っています」とコメント。

ピクシブの國枝信吾代表取締役

「pixivには漫画、アニメ、ゲーム、それから2.5次元などが大好きなユーザーがたくさんいます。そしてDMM TVには、それらのコンテンツがいっぱいあると思います。そこでいろいろな作品に出会って、好きになる。そんなことが多く生まれて、その想いをpixivで投稿したり、閲覧したりすることで、その想いを深めていただいて、その想いが創作活動にとても良い影響を与えるのではないかと思っています」

DMMの村中COO(左)とピクシブの國枝代表取締役(右)

DAZN Standardよりお得な料金設定。価格戦略は「別」

なお、DMM×DAZNホーダイでは、DAZNが提供する「DAZN Standard」よりも割安にサービスを利用できるが、山田氏は「我々の自社プラットフォーム、自社のお客さまに対しての価格戦略などは、別に考えています」と明かした。

「そもそもDAZNには、国内にかなり多くのパートナーが存在します。一番わかりやすいものとして価格が出てくると思いますが、我々は価格だけでなく、それ以外のポイントで検討して、各パートナーと連携させていただいています。DMMとの連携はコンテンツが一番大きく、スポーツとの親和性も重要でした」

「また例えば男性でアニメ好きなら、もしかしたらスポーツコンテンツを追加で買っていただく動機も高いのでは? ということも考えた上での提携ですので、我々の値上げの部分と、今回の提携に直接関係はありません」

「一方で、せっかくこういうパートナーシップをやらせていただくので、DMMのお客さまにとっても、何らかの分かりやすいメリット、お得な点を作る必要があるだろうなと思っていましたので、相談の上で今回の金額設定にしました」

「もちろん、ある一定のお客さまがDMMとのプランに移られることはあるだろうと思います。その一方で、既存のパートナーとのプラットフォームやサービス上でも、我々の直販の価格よりも、安いサービスがたくさんあります。さらに、これまで7年くらいで集めたデータも結果として見ていますので、価格に関して、一部は移っても、ダイレクトのお客さまが全員いなくなるようなことは起こりづらいのではと思っています」

「DMMとのセットプランは、スポーツが好きでアニメにも興味がある人にとっては、国内でベストプランであることは間違いありません。そのなかで我々が直販で何をやるかといえば、付加価値を高めること。現状NFTは我々のプラットフォームでのみ提供していますし、totoの販売も我々のプラットフォームからパートナーのプラットフォームに送客していますので、DAZNのアプリでいろいろなことができて、毎日朝も夜もアプリを起動してスポーツ体験全般の価値を高めていくのが、我々がダイレクトで取り組むことだなと考えています」

またスポーツでは、Jリーグが開幕し、F1の開幕も来週に迫るなか、DMMとのセットプラン提供が3月23日に決まった理由については「DMMと話をしていて『じゃあ、やりましょう』となってから、最短で立ち上げられる日程を両社で協議した結果、3月23日に落ち着いたというのが実際のところ。もちろん、お互いの間でスポーツカレンダーは意識していましたので、合意がもうちょっと早ければJリーグ開幕前にローンチできていたかもしれませんが、そこはそれぞれの事情もありました」と明かした。

またDMMの村中COOも「僕も(ローンチは)早くしたかったですが、できなかったということです」と付け加えた。