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北野武が“本能寺の変”を描く最新作「首」。'23年秋公開

ティザービジュアル
(C)2023KADOKAWA (C)T.N GON Co.,Ltd

北野武監督が構想に30年を費やした最新作「首」が、2023年秋に全国公開される。本能寺の変を、戦国武将や忍、芸人、百姓といった多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描いた戦国スペクタクル映画で、ビートたけしとして監督自ら主演を務める。そのほか出演は西島秀俊、加瀬亮、浅野忠信、大森南朋ら。

北野監督の初期の代表作「ソナチネ」と同時期に構想された作品で、巨匠・黒澤明監督が「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた企画の映画化。

製作を担ったKADOKAWAの夏野剛代表取締役社長によれば、「製作費15億円をかけた大作映画」だという。本作は第76回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア」に正式出品される。

北野監督は“本能寺の変”を策略する羽柴秀吉を飄々と演じ、織田信長に複雑な感情を抱く明智光秀を西島が演じる。加瀬は狂乱の天下人・信長を怪演し、浅野と大森が秀吉を支える軍師・黒田官兵衛と、弟の羽柴秀長をユーモアたっぷりに演じ切る。

さらには、秀吉に憧れる百姓・難波茂助として、中村獅童が“北野組”に初参戦。他にも木村祐一、遠藤憲一、桐谷健太、小林薫、岸部一徳らが歴史上の重要人物に独自のキャラでなりきる。

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天下統一を掲げる織田信長(加瀬)は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重(遠藤)が反乱を起こし、姿を消す。信長は明智光秀(西島)、羽柴秀吉(たけし)ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。

「働き次第で俺の跡目を指名する。いいか、荒木一族全員の首を斬ってしまえ! ただし、村重だけは殺すな。俺の前に必ず連れてこい!」

秀吉は弟の羽柴秀長(大森)、軍司・黒田官兵衛(浅野)とともに策を練り、千利休(岸辺)の配下で元忍(しのび)の芸人・曽呂利新左衛門(木村)に村重の探索を指示する。秀吉は逃亡した村重を利用し、主君の信長と光秀を陥れ、密かに天下を獲ろうと企んでいたのだ。

新左衛門によって捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀は村重を殺すことができず、城に匿う。同じころ、成り上がり者の秀吉に憧れる百姓の難波茂助(中村)は村を飛び出し、戦場へ。そこで出会った新左衛門は、出世して大名を目指そうとする茂助に天下一の芸人になることが夢の自分を重ね、ふたりは行動をともにすることになる。

村重の行方が分からず苛立つ信長は、村重の反乱の黒幕が徳川家康(小林)だと考え、光秀に家康の暗殺を命じる。だが、秀吉は家康の暗殺を阻止することで信長と光秀を対立させようと目論み、その命を受けた新左衛門と茂助がからくも家康の暗殺を阻止することに成功する。

家康を排除したい信長は、京都・本能寺に茶会と称して家康をおびきよせる計画を光秀に漏らす。信長を討つ千載一遇の好機を得た光秀は、村重に問う。

「これは……天命だと思うか?」

信長への愛憎入り乱れた感情を抱きながら、ついに信長の“首”を獲る決意を固めた光秀。一方、秀吉は家康を巻き込みながら天下取りのために奔走する。武将たちの野望、芸人と百姓の野望、それぞれの野望が“本能寺”に向かって動き出す。果たして、この“首”の価値は如何に?

北野監督、今の時代劇は「人間の汚い部分や業というものが描かれていない」

完成報告会見の様子
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4月15日に行なわれた完成報告会見で、北野監督は「構想30年というのは、3週間の間違いだと思いますが(笑)。今、時代劇といえば大河ドラマなどで描かれていますが、綺麗な出世物語ばかりで、人間の汚い部分や業というものが描かれていない。この作品は『自分が撮ればこうなる』という発想から作り上げました。完成までだいぶ苦労しましたが、スタッフ・キャストのおかげで作ることができたと思っています」とコメント。

北野武監督
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映画化実現への構想と着想については「ここ何年か歴史ブームで、織田信長、明智光秀と本能寺の変が取り上げていると思いますが、歴史考証の専門家の方が調べた中で、約80の諸説があるんです。80の中で僕自身が考えていたのは、『裏で秀吉がかなり動いたのかな』と思ったのがきっかけで映画化しようと思っていた。そして、最近になって北野組に参加してくれたキャストの皆さんが皆優秀で、集まることができたら撮れるなと思い、ようやく創れるなと思いました」と明かした。

またカンヌ・プレミアの上映決定については「知り合いのカンヌの人に聞いたら、この作品はコンペの枠に当てはまらない、非常に強烈な映画だということで、プレミアという冠をつけて別でやりたいと言われまして、その話を聞いた時のこの作品は世界的に当たるなと思いました」という。

西島秀俊
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明智光秀を演じる西島は「北野監督の作品に出るのは『Dolls』以来です。とにかく監督に成長した姿を見せようということは絶対考えないように、無欲に監督の頭の中にある作品をなんとか現実の世界に表に出すべく、力を出し尽くしました。本当に幸せな時間でした」と撮影を回想。

加瀬亮
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織田信長を演じた加瀬は「北野監督の作品は『アウトレイジ』シリーズ以来の出演ですが、前回の『アウトレイジ』シリーズでも自分からは遠い役を演じて大変だったのですが、今作も案の定大変な目に遭いました(笑)」と振り返った。

中村獅童
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本作で北野映画初参加となる中村は「若い頃から北野監督の作品が大好きで、いつか出演するのが夢でした。仲良くさせていただいている大森さんにいつも監督の作品に出るにはどうすればいいのかと相談はしていたのですが、自分から監督に声をかけるのもおこがましく、いつか出られたらとずっと思っていました。そんな時にこの作品のお話をいただいて、今まで演じたことの無い役をいただけて、新しい中村獅童を引き出してくれたと感じています。本当に感謝しています」と語っている。

浅野は「北野監督の作品は『座頭市』以来の出演となりました。北野組で再び時代劇にまた出られて本当に嬉しくて、どうやって役を演じようか何度も台本を読んで撮影に臨みました」とコメント。大森も「北野監督の作品には『アウトレイジ』シリーズ、『アキレスと亀』に出演させてもらい、またこうして北野組に戻ってくることで自分のモチベーションを保っていたところもあったので。私の役は常に北野監督のそばにいる役でしたので、非常に濃密な時間を過ごすことができました」とコメントした。

浅野忠信
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大森南朋
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