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「watchOS 10」今秋。サイクリング/登山向け新機能も

新しくなったApple Watch向けのOS「watchOS 10」

アップルは5日(米国時間)、腕時計型のデバイス・Apple Watch向けのOS「watchOS 10」を発表。新バージョンでは、より多くの情報を一目で確認できるインターフェイスを導入。さらに、予測される関連情報に文字盤から素早くアクセスできる新しいスマートスタックのほか、サイクリングやハイキング向けの表示やアプリ、心の健康をサポートするツールなどが追加された。watchOS 10は、開発者向けベータ版をリリースした後、今秋に無料ソフトウェアアップデートとして提供開始する予定。

watchOS 10では、インターフェイスを再設計。天気、株価、ホーム、マップ、メッセージ、世界時計などのApple Watchアプリは、Apple Watchのディスプレイをさらに活用して、情報をより一目で見やすくするデザインへ変更。

Apple WatchのアクティビティアプリとiPhoneのフィットネスアプリでは、より詳しい情報、共有機能の向上、再設計されたトロフィーケース、Apple Fitness+のトレーナーのヒントにより、日々の活動をより簡単に記録できるようになるという。

新しいスマートスタックでは、ユーザーの状況に応じてタイムリーな情報を表示し、どの文字盤からでもDigital Crownを回すだけで表示できるウィジェットを実現。

例えば、1日の始まりには天気アプリが天気予報を表示し、旅行中にはスマートスタックでウォレットから搭乗券を表示。カレンダーやリマインダーが入れ替わりで上部に移動して次のミーティングやタスクを表示し、ポッドキャストなどの実行中のアプリもすぐに使えるように上部に移動できる。さらに「ポートレート」などの美しい文字盤を楽しみながら、知りたい情報にすばやくアクセスする方法も提供可能という。

新しいスマートスタックにより、ユーザーは美しい文字盤を楽しみながら、知りたい情報にすばやくアクセスできるという

コントロールセンターは、サイドボタンを使ってアクセス可能。どのアプリを開いていても、いつでもすばやく開けるほか、Digital Crownをダブルクリックすると、最近使用したアプリに戻るようになる。

新しい文字盤には、「パレット」と「スヌーピー」を追加。パレット文字盤は、重なり合う3つの特徴的なレイヤーを用いて様々な色で時刻を描写。時間の変化に合わせてディスプレイの色も変化する。

新しく加わった「パレット」文字盤は、時間の変化に合わせて変わる様々な色で時刻を描写
人気コミックのピーナッツが新しいスヌーピーの文字盤として追加

サイクリング向けの新機能も追加。サイクリングワークアウトをwatchOS 10を搭載したApple Watchで開始すると、ライブアクティビティとしてiPhoneに自動的に表示され、タップすると全画面表示へ移行。心拍数範囲、高度、レースコース、カスタムワークアウト、新しいサイクリング速度表示などのワークアウト表示は、iPhoneのディスプレイサイズに合わせて最適化されるため、iPhoneを自転車に取りつけて走行中に手軽で簡単に確認することができるようになる。

パワーメーター、スピードセンサー、ケイデンスセンサーなどのBluetooth対応のサイクリングアクセサリに自動的に接続。これにより、サイクリングパワー(ワット)やケイデンス(RPM)などの新しい指標と、パワーゾーンなどのワークアウト表示が追加。Bluetooth接続は、屋内と屋外のサイクリングワークアウトとGymKitに対応した。

サイクリング速度や高度などのワークアウト表示は、iPhoneのディスプレイサイズに合わせて最適化される

Apple Watchのセンサーデータと接続されたパワーメーターを組み合わせた、新しいアルゴリズムを導入。理論上1時間継続できるサイクリング強度の最大レベルを示す、機能的作業しきい値パワー(FTP)を推定することができる。

FTPを使用して、Apple Watchはパーソナライズされたパワーゾーンを算出。現在のゾーンを簡単に確認したり、それぞれのゾーン内の時間を記録したりできるようになる。

機能的作業しきい値パワーを使用してパーソナライズされたパワーゾーンを算出。それぞれのゾーン内の時間を記録してくれるという

ハイキング向けの新機能として、コンパスでは、2つのウェイポイントを自動的に生成可能に。「モバイル通信に接続できる最後の地点のウェイポイント」はモバイル通信が可能な最後の場所を推定し、メッセージの確認や電話の発信に役立てることができる。万が一の場合に緊急電話をかけられるよう、「緊急電話に発信できる最後の地点のウェイポイント」は、デバイスが通信事業者のネットワークに最後に接続されていたルート上の場所を推定する仕組み。

コンパスアプリは、「モバイル通信に接続できる最後の地点のウェイポイント」と「緊急電話に発信できる最後の地点のウェイポイント」の2つの新しいウェイポイントを自動的に生成してくれる

ルート準備の際には、新しい高度表示は高度計データを使用し、保存されたウェイポイントの3次元表示を提供。まずは米国で、等高線、山の陰影、標高の詳細情報、関心のある地点などが含まれる新しい地形図がAppleマップで表示されるようになるという。

これによりユーザーは、登山道の距離、種類、難易度などの詳細な情報を含む場所カードで近くの登山道や登山道の起点を検索することができる。

まずは米国で、等高線、山の陰影、標高の詳細情報、関心のある地点などが含まれる新しい地形図がAppleマップで表示されるようになる

このほかにも、Digital Crownを回して瞬間的な感情や日々の気分を記録できるマインドフルネスアプリや、環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるヘルスケアアプリなどの機能も追加されている。