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Noble Audio初、MEMSドライバの「FALCON MAX」は12月29日発売。約39600円

FALCON MAX

エミライは、Noble Audioとして初採用となるxMEMS製「Cowell」MEMSドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤフォン「FALCON MAX」を12月29日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は39,600円前後。

「全てがNoble Audio初。最高クラスの性能を誇るドライバー・SoC・コーデックの三位一体設計」が特徴というイヤフォン。

FALCON MAX

シリコンウェハーの上で、ICなどの半導体のように生産するMEMSドライバーを高域再生用のドライバーとして搭載。ユニットはxMEMS製のもので、「Cowell」と名付けられている。

指先にあるのがFALCON MAXに搭載されている「Cowell Top Firing」

シリコンウエハーから切り出したシリコン振動板に電圧をかけることで発音させる厚電(ピエゾ)方式のスピーカードライバーで、材質の硬さや軽量さを活かすことで、特に高域の再生周波数帯域が広く、歪みが少ないのが特徴。

製造誤差が少ないことから左右の位相特性も優れ、従来製品では難易度が高かった空間表現にも優れるという。リンギングが起きにくくインパルスレスポンスにも優れていることから、ドライバー固有の癖が少ないという特徴もある。

Noble Audioと米xMEMS Labsとの戦略的パートナーシップ締結により、xMEMSの最先端MEMSスピーカー技術をいち早く製品に採用できたという。また、このNoble Audioの“Wizard”ことジョン・モールトン氏がチューニングを担当している。

“Wizard”ことジョン・モールトン氏からのメッセージ

2ウェイのハイブリッド構成で、低域は10mm径複合素材ダイナミックドライバー「Dual-Layered LCP Driver」を採用。高い耐熱性と強度、内部損失性を持つポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とポリウレタン(PU)の複合素材に加え、高い弾性率と内部損失性を持つ液晶ポリマー(LCP)を採用することで、振動板として理想的な特性を追求している。

内部構造

従来製品に比べて演算性能を2倍に強化しながら、20%消費電力を低減させた、最新世代のQualcomm製SoC「QCC5171」(Qualcomm S5 Sound Platform)を搭載。低遅延・高音質を実現する最新オーディオコーデックに対応するほか、FALCONシリーズ最高クラスの高い接続品質と高効率化も実現したとする。

LE Audio規格にも対応。デュアルコア・240MHzで動作するQualcomm Kalimba DSPオーディオプロセッサーを搭載するほか、デュアルコア・最大80MHzで動作し複数のタスクを同時に処理可能な32bit CPUも搭載。プログラマブルなので将来的な機能拡張にも対応できるという。

コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive(24/96, Lossless, LowLatency)、LDAC(330kbps, 660kbps, 990kbps, Adaptive)、LC3(LE Audio時)に対応。LDACにNoble Audio製品として初めて対応しているほか、LDACとaptX系コーデックの両方に正式対応する世界で初めての完全ワイヤレスイヤフォンでもある。

LDAC接続時は、24bit/96kHzまでのハイレゾ音源の再生に対応するほか、接続優先モード、音質優先モードにも対応。通信状況に応じて自動的に最適な動作モードを選択する自動モードにも対応する。

LDAC対応にあたってサポートした、ソニー パーソナルエンタテイメント事業部 プロフェッショナルソリューション事業室の池澤良泰統括部長からのコメント

aptX Adaptive使用時時には、24bit/96kHzまでのハイレゾ音源の再生に対応するほか、低遅延が要求されるコンテンツで自動的に遅延を抑えるLow Latencyモード、ロスレスコンテンツ再生時に可逆圧縮でのデータ転送が可能なLosslessモードにも対応する。

QualcommのSnapdragon Soundや、日本オーディオ協会のハイレゾオーディオワイヤレス認証に、Noble Audio製品として初めて対応する予定。

アクティブノイズキャンセリング機能も搭載。ユーザーの体の動きや周囲の環境に応じてリアルタイムでNC効果を動的に変化させ、快適性や音質を向上させる第3世代「Adaptive ANC」を採用。このANCも、ジョン・モールトン氏がANC有効時、ヒアスルー有効時、ANC無効時と、帯域バランスの変化を極力抑えたチューニングにこだわっている。

さらに、Noble Audio製品史上最高レベルの外音取り込み品質を目指して、「Full-band ambient mode」を搭載。従来製品よりも広帯域で外音取り込みをすることで、周囲の音がより聞き取りやすくなったという。

付属するウレタン製イヤーピース(S/M/L)は、耳穴の中で適切にフィットする事で、脱落を防ぐとともに、高い遮音性と密閉度を保ち、周囲の騒音を物理的に抑える。イヤーピース表面にはコーティング加工が施され、ウレタン製イヤーピースにありがちな高域の籠りを低減。「MEMSドライバーの性能を十分に発揮させる」という。

Qualcommの最新世代SoC「QCC5171」に加え、内蔵アンテナの位置を最適化することで、接続安定性を高める「High Precision Connect Technology」も第4世代へと進化した。

左右のイヤフォンへそれぞれデータを伝送する「TrueWireless Mirroring」テクノロジーにも対応。左右イヤフォンのロールスワッピング機能にも対応する。

複数のBluetooth機器を登録できるマルチペアリングと、複数デバイスとの同時接続に対応するマルチポイントにも対応。最大2台まで対応する。

音声通話用にはBluetoothコーデックはaptX Voice。32kHzの音声通話品質を提供する。

「あらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響を受けない」というIP54に対応。スポーツ中に汗をかいても大丈夫だという。

イヤフォンの連続音楽再生時間は、ANC OFF&音量60%時で約5.5時間、ANC ON&音量60%時で約4.5時間。充電時間は約1.5時間。急速充電は15分の充電で約1時間の再生が可能。

充電ケースは4回イヤフォンを充電可能。ワイヤレス充電にも対応する。

専用アプリも開発中で、マスターゲイン調整、動作モード調整、イコライザー設定、タッチセンサー操作設定なども可能になる予定。