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テレビ向けYouTubeに新デザイン。今後数週間で展開

Googleは、テレビ向けのYouTubeの新デザインを今後数週間に渡って展開していく。「既存の動画説明やコメントの表示を強化するだけでなく、お気に入りのクリエイターがおすすめしている商品の購入や、スポーツファンへの試合経過の表示など、さまざまな新しい体験への入口にもなる」という。

右が新デザインの画面

一新されたデザインは、動画をメインの位置に配置しつつ、視聴を邪魔しない程度にYouTubeのユニークな機能にアクセスできるデザインを兼ね備えたもの。このデザインにより「チャプター、注目プレイ、ショッピングなどの機能をユーザーがテレビ画面で直接、より深く利用できるようになることを期待している」という。

同社によれば、昨今のユーザーは以前にも増して、家の中でもっとも大きなスクリーンであるテレビ画面でVlogやゲーム関連動画、スポーツのハイライトといったYouTubeコンテンツを視聴しているとのこと。

そこで大画面でコンテンツを楽しめる、YouTubeならではの視聴体験の構築に取り組み始めたという。

ユーザー調査によって、視聴者は気が散ることなく、自分でコントロールできるテレビ体験を求めていることが分かったといい、これを念頭に置いて双方向性と没入感の最適なバランスを保ちながら、リビングルームでの過ごし方を模索。

動画プレーヤーのサイズを小さくし、操作をシンプルにすることで、コメント欄などを動画の横に表示させ、使いやすくするという案を検討し、この案が「YouTube の優れた点をそのままリビングルームに持ち込むアプローチ」の基礎になったとのこと。

3種類のプロトタイプ

視聴者からは操作できる機能を増やしたいという要望がある一方で、YouTubeの核である動画の主要操作(一時停止、巻き戻し、早送り)は、これまでどおり簡単かつ直感的に使える必要がある。

そのため、ユーザーの操作で必要になる手順数を基準にシンプルなもの(トグルボタンをオン/オフする)から、中程度のもの(動画プレーヤーで簡易版のコントロールを有効にする)、複雑なもの(小さなプレーヤーのウィンドウ上で、すべてのコントロールにアクセスできる)まで、複雑さの異なる一連のプロトタイプを開発した。

この3種類のプロトタイプについて、ユーザーからのフィードバックを分析した結果、新デザインは動画と同等かそれよりも高い関心を必要とする機能(コメント、動画の説明、チャットなど)に対して有効であるものの動画が見づらくなり、結果として視聴体験を損なう可能性があること、簡易版のコントロールの追加導入については、引き続きシンプルさを優先する必要があること、ライブチャットや動画の説明などの機能にもたらされるメリットは没入度合いによって異なるため、統一的なデザインが最良とは限らないことが分かったという。

同社は「テレビ画面でインタラクティブな体験をライブチャット、マルチビューなどでも展開できるように今後も模索していく。フィードバックを寄せて欲しい」と呼びかけている。