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パナソニック、次世代補聴器開発でアライアンス

パナソニック くらしアプライアンスと、「リオネット補聴器」ブランドを展開するリオンは4月4日、次世代補聴器を共同開発するアライアンスを締結した。

両社は、それぞれ長年にわたって補聴器の開発を手掛け、国内の補聴器市場をけん引してきた存在。今後は両社の強みを活かし「補聴器の性能をさらに進化させて補聴器の普及拡大に取り組み、共に健やかで自立した生活が送れる『健康長寿社会』の実現を目指していく」という。

厚生労働省によれば、日本の総人口1億2,495万人に占める65歳以上人口は3,624万人、高齢化率は29%で、先進諸国の中で最も高齢化が進行している。

また、世界保健機関(WHO)によると、日本の男女平均寿命(84.3歳)と男女健康寿命(74.1歳)はともに世界一の水準である一方、平均寿命と健康寿命の間に約10年の差があり、認知症を含む様々な要因により、長期にわたり自立した生活が送れないことが社会問題となっている。

さらに、英国の医学雑誌「ランセット」によれば、認知症の予防可能な危険因子12種類の中で、最も大きなリスク要因が難聴(8%)であるとされ、米国医師会が発行する医学雑誌「JAMA Neurol」でも、補聴器などを使って「聞こえの悪さ」を改善することで、認知機能低下のリスクが小さくなることがシンガポール国立大学の研究分析の結果として示されているという。

しかし、日本国内の補聴器の普及率は15.2%と低く、デンマーク(55%)やイギリス(53%)など欧米諸国と比べても改善の余地が見られるとのこと。

パナソニックは1959年の補聴器事業開始から65年の歴史を持ち、特にワイヤレス通信や充電制御など、パナソニックグループが持つ研究開発、設計、製造の技術力を活かし、補聴器の開発に取り組んでいる。

リオンは日本初の量産型補聴器開発以降、「リオネット補聴器」のブランド名称で75年以上の実績を持ち、聴力検査で使用するオージオメータなどの聴覚検査機器の開発、製造とともに、難聴の発見から解決まで一気通貫で聞こえの価値を提供している。