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ゼンハイザーからヒアリングサポートデバイス。軽・中度難聴者向け

「Conversation Clear Plus」

Sonova Consumer Hearing Japanは、ゼンハイザーブランドより初のヒアリングサポートデバイスとして、聞きたい声がクリアに聞こえるという「Conversation Clear Plus」を8月30日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は130,900円前後。

主に軽度・中度の難聴者のヒアリングをサポートする完全ワイヤレスイヤフォン型のデバイス。デンマークで45歳~70歳の50人を対象としたテストでは、Conversation Clear Plusを使うことで騒音のある環境で話し声を聞き取りやすくなったという回答が95%に上ったという。

ゼンハイザーのコンシューマ向け事業を買収したスイス・Sonovaの技術を盛り込んでいるのが特徴。同社は補聴器ブランドのフォナックなどを展開しており、世界のヒアリングソリューション業界、補聴器業界で75年の歴史を持つ。

具体的にはDSPやコプロセッサ、メモリなど、さまざまな役割を担う3基のチップをひとつにまとめたSonova独自開発のハイブリッドチップを搭載。小型・省エネながら高い処理能力を持つという。なお、振動板などにゼンハイザーの技術は盛り込まれていない。

「Conversation Clear Plus」のイヤフォン

一般的な音楽用完全ワイヤレスイヤフォンと同じようにBluetooth経由でスマートフォンやタブレットなどとペアリングでき、音楽や動画を楽しむこともできる。Bluetooth 4.2準拠で、コーデックはSBCをサポートする。

またアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能も備えるが、一般的な完全ワイヤレスイヤフォンとは異なり、ANCを有効にしていても、周囲の騒音はノイズキャンセルしつつ、話し相手の声はノイズキャンセルせずに耳元へ届けることが可能という。

コミュニケーションモードとリラックスモード、ストリーミングモードの合計3種類のモードを用意し、ユーザーの行動や内容にあわせて、サウンドを最適化できる。

コミュニケーションモードは相手との会話に焦点を置いたもので、このモードでのみ、オートシーンモード機能を利用できる。従来の補聴器ではないヒアリング機器は、環境や状況に合わせて、聞こえ方の設定を自分でマニュアル設定する必要があったが、Conversation Clear Plusでは周囲の音を常に分析して、周囲の状況を自動で検知。その状況に合わせてアクティブノイズキャンセリング、音量、マイクの指向性を自動で調節することで、周囲の騒音を低減し、クリアな会話を実現する。

自動調整は「Quiet(静かな状況)」「Moderate(騒音のある状況)」「Loud(大きな騒音のある状況)」の3段階のレベルで行なわれる。例えば、騒がしいカフェや交通機関では周囲の騒音を抑え、クリアな会話を実現し、オフィスや静かな環境では適切なレベルのノイズキャンセリングを提供する。

専用アプリも用意

この自動調整でも相手の声が聞き取りにくい場合は、専用アプリ「Conversation Clear」経由で相手の声の音量調整に加え、明瞭さを高める「クラリティブースト」も利用できる。

リラックスモードは、ひとりでゆっくりと読書やコーヒーを楽しむ際に最適というモードで、周囲の音を取り込むアンビエントアウェアネスのレベルをアプリで調節可能。

ストリーミングモードは、音楽を聴いたり動画を視聴する際に最適というモード。このモードでも周囲の音を取り込む量を調節できるため、動画を試聴しながら周囲の音を聞くことも、完全に周囲の音を遮断することもできる。

アプリからは自分の聞こえ方を設定できるサウンドプロファイルを作成できる。サンプルのナレーションを聴きながら、聴きやすい音量と明瞭さを選ぶだけの簡単な設定だけで、自分にあったサウンドにできる。サウンドプロファイルは何度でも設定可能。

「Conversation Clear Plus」の充電ケース

連続駆動時間はイヤフォン単体で約9時間、ケース併用で最大27時間。「家族や友人との長時間の食事やゆったりとしたモーニングコーヒーの時間にもじゅうぶんに対応できる」という。充電時間は約5時間でワイヤレス充電には非対応。イヤフォンは人間工学に基づいたデザインでフィット感も追求されている。

イヤフォンとケースを合わせた重さは約67.6g。USB-Cチャージングケーブル、イヤーチップ(S/M/L)、イヤーフィンセット(S/M/L)などが付属する。