ニュース

ソナス・ファベール、40周年記念モデルがレギュラーになった「Stradivari G2」

Stradivari G2。左からWenge、Red、Graphite

ノアは、ソナス・ファベールの新スピーカー「Stradivari G2」を5月21日に発売する。仕上げはWenge、Red、Graphiteを用意。価格はペアで8,800,000円。

クレモナの著名なヴァイオリン職人、アントニオ・ストラディヴァリへ捧げる、ソナス・ファベールのフラッグシップとして2003年に発表した「Stradivari Homage」。それから20年後、創業40周年を記念する2023年にStradivari Homageの第2世代「Stradivari G2 Anniversary」を発表。内部構造からユニット、キャビネットのデザインなど全てが新設計された。

そのStradivari G2 Anniversaryに使用しているキャビネット・デザインや技術はそのままに、一部意匠に変更を加えたレギュラーモデルとなるのが「Stradivari G2」。

3.5ウェイ・4スピーカー構成のフロア型でバスレフ方式。高域用に28mm アローポイントDADシルク・ソフトドーム型ツイーター、中域には150mmダンピング・フェーズプラグ搭載コーン型(ナチュラル・ファブリック)、低域には260mmコーン型×2(セルロース/シンタクチックフォーム・サンドウィッチ構造)を採用する。

クロスオーバー周波数は160Hz/220Hz/2,200Hzで、周波数特性は25Hz~35kHz(ステルス・ウルトラフレックス含む)。

木材をアルミニウムで挟んだ筐体構造が特徴。天然木によるキャビネットに、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートをキャビネットの天地に取り付け、背面もアルミニウムパーツを装着、強靭なパーツで挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」を採用している。

上から見たところ

これにより、キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制しつつ、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域域の再生を実現。「美しい木製キャビネットの音響特性を引き出すため、悪影響を及ぼす床面からの不要な共振や振動成分をキャビネットに滞留させず、接地面に効率的に逃がすことで、淀みのないナチュラルな音楽を奏でることができる」という。

床面からの振動伝播とキャビネット全体をデカップリングするために、近年の研究成果というZ.V.T.(ゼロ・ヴァイブレーション・トランスミッション)テクノロジーを踏襲。スパイクの取り付け部にエラストマー樹脂を挟み込むサイレント・スパイクを搭載している。

スパイクの取り付け部にエラストマー樹脂を挟み込むサイレント・スパイク

このモデルのために開発したというバスレフ・システムは「クレプシドラ・テクノロジー」を投入。Clepsydraは「砂時計」を意味しており、バスレフ・ダクト長を抑えながら最大の低域パフォーマンスを獲得する一方、底面方向への音波放射によって、スピーカー設置の自由度を最大限に上げることを目指している。低域チェンバーの内部は平行面を排し、定在波の発生を抑制した。

さらに、「イントノ・テクノロジー」をも投入。密閉された高域/中域のチェンバー内に、小孔を設けることで、ミッドレンジ・チェンバー内のインピーダンス・ピークを大幅に減少、改善している。

ツイーターには伝統の木製チェンバーをドライバー背面に搭載することで、ミッドレンジ・ドライバーの影響は受けず、ツイーターの純度を保ったまま、高域再生を実現した。

超低域周波数の調整システムとしてLFA(ロー・フリケンシー・アジャスター)を投入。Aida IIに採用された技術をさらに昇華させたもので、ドライバー・ユニットの共振ピークを補正し、信号経路に抵抗部品を実装することなく、低域レンジの効果的なダンピングを行なう事で、「可能な限り低域の浸潤性を高める」という。

超低域周波数の調整システムLFA

スピーカーターミナルに隣接するボードには、4口の端子を設置。中央の1つがマイナスで、他3口の端子いずれかにジャンパーで接続することで、それぞれ異なる低域レスポンスが得られる。

クロスオーバー・ネットワーク

クロスオーバー・ネットワークは、Aida IIにも採用されているPARACROSS TOPOLOGY(パラクロス・トポロジー/位相幾何学)と、新たに開発した「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)」に基づく設計を導入。

これは、各ドライバー・ユニットの振幅/位相特性、空間/時間特性を最適化する一方、低周波数のインピーダンスを最適に制御してアンプとのマッチングに配慮。高周波干渉を抑え、トランジェント特性を改善させる事で、ポテンシャルを存分に発揮させるという。

公称インピーダンスは4Ω。スピーカー端子はバイワイヤリング対応。外形寸法は715×428×1,374mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1本63kg。