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NHK技研、3次元情報を高画質に撮影するホログラフィー装置

開発したインコヒーレントデジタルホログラフィー撮影装置による撮影例

NHK放送技術研究所は、3次元情報を取得できる新しい「インコヒーレントデジタルホログラフィー撮影装置」を開発した。従来に比べてカメラに届く光量が4倍に増え、明瞭な干渉縞を得ることで、画質の改善とより大きな被写体の撮影を実現したという。

デジタルホログラフィーは、光の干渉を利用して被写体の3次元情報を忠実に撮影・表示する技術。照明光にレーザーを用いるタイプが一般的だが、撮影できる場所や被写体に制限がある。インコヒーレントデジタルホログラフィーは、自然光やLED照明光などを用いて、さまざまな場所で被写体を撮影できるのが特徴。また、目に損傷を与えるおそれがあるレーザーを使わないため、人物も撮影できる。

技研の従来のインコヒーレントデジタルホログラフィー撮影装置は、反射型と呼ばれる光学素子を用いて光の干渉縞を生成し、カメラで撮影していた。しかし、同方式では強い照明光を用いないと明瞭な干渉縞が得られず、画質を高めることが難しいという課題があったという。

開発したインコヒーレントデジタルホログラフィー撮影装置
従来の撮影装置(反射型)と今回開発した撮影装置(透過型)の比較

今回開発した新しい撮影装置には、液晶レンズと呼ばれる透過型の光学素子を採用。これにより、従来に比べてカメラに届く光量を4倍に増やすことに成功し、明瞭な干渉縞を得ることで、画質の改善とより大きな被写体の撮影を実現。撮影後であっても手前と奥に設置したそれぞれの被写体に自由に焦点を合わせた画像を出力でき、高画質な3次元情報の取得を確認したという。

同技術は、5月30日から6月2日に開催する「技研公開2024」で展示される。