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Netflix、有料会員数3億人突破。新規会員のうち55%以上が「広告付き」選択

Netflixの有料会員数の推移。過去の同社決算資料より筆者作成

現地時間の1月21日、米Netflixは2024年度第4四半期決算を発表した。最大のトピックは、同社の有料会員数がついに3億人の大台を突破したこと。第3四半期に比べ会員数は1,900万人と大幅に増加し、3億200万人となった。営業利益は16%拡大し、初めて100億ドルを超えている。

オリジナル映画「セキュリティ・チェック」(アメリカでのタイトルは「Carry On」)が1億6,010万ビューのヒットとなったことなどに加え、アメリカではクリスマスにNFLの試合を配信したこと、11月に配信された「ジェイク・ポールvsマイク・タイソン」など、ライブスポーツイベントの効果も大きかった、とされる。

公開されたばかりの「イカゲーム シーズン2」も、すでに大きな視聴量を獲得している。2025年は「ストレンジャー・シングス」シーズン5や「ウェンズデー」シーズン2、「今際の国のアリス」シーズン3などが控えており、「多くの視聴が見込まれている」という。

公開されたばかりの「イカゲーム シーズン2」
「今際の国のアリス: シーズン2」。今年はシーズン3が公開に
(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

なお、ゲームについても、第4四半期に「Squid Game: Unleashed」をリリース、107カ国でApple App Storeの無料ゲームランキング1位を獲得したという。その上で「2025年にはクラウド型でのゲーム提供のテストを拡大し、テレビ上での利用を推進していきたい」としている。

会員はすべての地域で増加しているが、特にアメリカとアジアの伸びが大きい。

各地域での会員数の伸びを四半期ごとにまとめたもの。NetflixのIR資料より筆者作成

以下のグラフは四半期ごとの各地域での会員数の変化を示したものだが、全地域で伸びており、ともに500万人規模の増加となっている。年末にあたる第4四半期は契約が伸びるが、特に2024年は、実線で示したアメリカとアジアの伸びが顕著。アメリカは2022年まではマイナス成長の時期もあったが持ち直し、この年末は特に急激な伸びを示している。

各地域での会員数の伸びを、前四半期との比較でグラフ化。便宜上、アメリカとアジアを実線で表している。NetflixのIR資料より筆者作成

好調の理由は広告付きプランにある。

同社によれば、新規会員のうち55%以上が広告付きプランを選んでおり、第3四半期に比べ、広告付きプランの会員は30%近く増加したという。そのため今後の会員増についても、広告付きプランが重要になっていくと考えられる。

決算発表後、アメリカ・カナダ・ポルトガル・アルゼンチンでは会費の値上げも発表された。

アメリカの場合、広告付きプランが従来の6.99ドルから7.99ドルに、広告なしスタンダードプランが15.49ドルから17.99ドルに、プレミアムプランは22.99ドルから24.99ドルに値上げしている。

なお、日本は昨年11月に値上げをしており、今回はアナウンスに含まれていない。